《 第三回合同捜査会議 》 4
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八月十二日 午後一時
捜査第一課10係の新城巡査部長と大和北署刑事第一課の浅倉警部補は、箱根にある『シューティングターゲット箱根』到着した。
新城巡査部長は、警察手帳を提示して
「ここを利用する、お客さんのことをお聞きしたい。」
と、告げた。
支配人の西野智明が応対してくれた
新城巡査部長が、支配人と話をはじめた
「今日からお盆休みですね。今日は、対戦ゲームですか?」
「そうですね。今日は対戦ゲームのイベントを開催しているんですよ。そこに2団体が予約を入れてくれて、対戦ゲームを楽しんでいます。」
「総勢何人の方が、参加しているのですか?」
「今日は、各20人で40人の愛好家が、楽しんでいますよ。」
「サバゲーって、言うですよね。」
「そうです。サバイバルゲームを短くしてサバゲーです。今の人は、なんでもかんでも短くしますからね。」
と、支配人の西野は、笑った。
つづけて
「刑事さん、今日はなんですか?」
新城巡査部長は、顔写真を五枚見せた。
もちろんその中の一枚は、坂口浩介の顔写真だった
「この五人の人達に見覚えはありますか?」
「そうだね。」
と、支配人の西野は一枚ずつ写真を確認しながら。
「この人は、覚えているよ。」
と、坂口浩介の写真を指さした。
「この人をなぜ覚えているんですか?」
「あー、雑誌の記者さんだろ。フリーライターで、記事を書いているって、言っていたよ。」
「お名前は、覚えていますか?」
「え~っと、ちょっと待ってな。」
探してきた名刺を見ながら
「この名刺だよ。坂口浩介さんだね。」
と、名刺を見せてくれた。
名刺には、フリーライターの肩書と現在の住所、大和市の住所と携帯電話の番号とメールアドレスが書かれていた。
「この坂口さんが、事件の犯人なんですか?」
と、西野は、聞いてきた。
「いえ、ここの五人は拳銃等のガンに精通している人達と聞いたので、ここでも遊んでいるのかなと思って、聞いてみました。」
と、新城巡査部長は、答えた。
つづけて
「この名刺の内容を書き写してもいいですか?」
「いいですよ。」
というと、支配人の西野は、拡大コピーをして渡してくれた。
「いつも、この坂口さんは、車でここにきているのでしょうか?」
と、新城巡査部長は、聞いた。
「ここには、車でしか来られないんですよ。だから、利用者は、自家用車か乗合でこちらまで来ています。それに、ライフルなんかもありますからね。ライフルを背負っていたら警察から、職質に止められたなんていう話も聞きますから自家用車ですよ。」
「坂口さんも、自家用車ですよね。どんな車だったか覚えていますか?」
「覚えていますよ。さすが雑誌の記者さんでサバゲーが好きなんだなという感じの車ですよ。」
「どんな車ですか?」
「メーカーはC社で幌付きのジープだね。名前は、ケーラ (Kayla)だね。」
「そんな車があるんですね。」
「それは、思ったよ。はじめて見たからね。さすが、雑誌の記者さんだと思った。マニアックな車みたいだね。そんなに走っていないって、言っていたよ。」
「ナンバーなんか覚えていないですよね。」
「ナンバーね。覚えているよ。
八王子330へ47 でしたよ。」
「よく覚えていましたね。」
「47って、ソビエト時代に採用した軍用の自動小銃のAK47なんですよ。だから覚えてしまったんですよ。坂口さんは、どこまでもガンが好きなんですよね。」
「改造してみたとか言っていましたか?」
「いや、そんなことは言っていなかったけど、ケーラは、ほんの一時、軍事の現場にも配置されていたということだったよ。だから、ロールゲージも市販品よりも太くてライフルの固定マウントも付いていたよ。刑事さん、坂口さんが犯人なのか?」
「いえいえ、そうではないです。今回の事件。テレビ報道でもされているように、交通ルールの問題になっているので、坂口さんもどんな車を持っているのかなと思って聞いてみました。その他の四人にも同じように聞いていますよ。」
と、新城巡査部長は、答えた。
つづけて
「こちらを利用するお客さんで、銃を改造したりするという話を聞いたことはありませんか?」
「フィールドに出てしまった場合、スタッフとの接触はなくなってしまうので、お客さん同士が、どのような話をしているかは、解からないですね。」
「銃を見たら、改造されているかどうかは判りますか?」
「それは、判りませんね。色を塗って迷彩色にしたとかなら、判りますけど。」
と、支配人の西野は、答えた。
新城巡査部長は、支配人の西野に、お礼を言って覆面パトカーに戻った。
覆面パトカーに戻った新城巡査部長は、捜査本部にいる、田辺警部に携帯電話から、坂口浩介の携帯電話の番号とメールアドレス。所有しているC社のケーラの存在とナンバープレートをメールで送った。
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