《 第四の射殺事件 》 7・8
7
八月四日 午前0時四十五分
相模原中央署の捜査本部で第一回捜査会議がはじまった。
相模原中央署刑事第一課の目黒警部が捜査の指揮をとった。
まず、目黒警部は、刑事第一課の池辺警部補に聞いた
「目撃者からの事情聴取は、できましたか?」
「はい。あの後、目撃者の西島さんが話をしてくれました。女の子が自転車ごと倒れる前に、自動車が横切り、その瞬間。明るい閃光があったということでした。」
「どこから、光ったと聞いていますか?」
「自動車全体が光ったという話で、どこが光ったという場所までは判らないということでした。」
「走っている自動車から閃光があれば、全体と思ってしまうかもしれないね。」
と、目黒警部は、付け加えた。
次に、病院に行った山下巡査部長に聞いた
「銃弾はどうなっていますか?」
「はい。現在、鑑識班に渡して検証をしてもらっています。」
つづけて、女の子の身元について聞いた
「女の子の身元が判りました。名前は、片桐かえでさん(十六歳)で、神奈川県立相模原中央高校に通っています。学生証から確認をしました。」
と、山下巡査部長は、答えた。
「ご両親への連絡は、どうですか?」
「はい。病院からしました。ご両親ともご在宅で、病院に来るということでした。ですので、伊藤巡査に任せてあります。」
「わかった。山下巡査部長、もう一度病院に戻って、ご両親から昨日の詳しい行動を聞いてきてください。」
「わかりました。」
と、山下巡査部長は、答えた。
捜査第一課13係の矢島警部から
「うちの、荒川警部補も連れて行ってください。」
山下巡査部長は、荒川警部補を連れて病院に向かった。
防犯カメラの映像提供について、刑事第一課の斉田巡査部長に、目黒警部が聞いた
「防犯カメラですが。住宅街にある市道のため、現場付近のカメラを探すことができていません。早朝から、あらためて、現場付近を含めて探します。」
「13係も、防犯カメラの映像収集に加わります。」
と、矢島警部が、付け加えた。
8
神奈川県警捜査第一課13係係長の矢島警部は、いままで判ったことを、大和北署にいる、捜査第一課課長の佐々木警視に、連絡をした。
その中で、佐々木警視が何度も確認をしたのが。自動車が光ったということだった。
いままでの三件は、昼間に起きていて防犯カメラの映像では、自動車が光ったかどうかは、太陽の位置などで解かっていなかった。
相模原で起きた事件で、はじめて夜の犯行が行われ、自動車が光ったという新事実が捜査の進展に大いに役立つ情報だった。
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