第2話 謎の少女

「何なんだろう・・・」

去りゆくアリスさんを、見送りながら、心の中で思う。


アリスさんは、仕事にもどったようだ。

だんだんと、カップルが集まってくる。


「稼ぎ時だな」

そう思い、会計を済ませて、僕はアポロンを後にした・・・


「宿題と言われても、思い出せない」

おそらく、冷やかしだろう。

でも、なぜ僕の名前を知っていた?

逆になぜ、僕は彼女の名前を、覚えていなかった。


学生時代の卒アルや、文集を見てみる。

該当者はいない。


もしかして、僕を困らしている?

そうだ。そうに違いない。


どぎまぎして損した。

これで、すっきり。

僕の名前も、どこかで知ったのだろう。

うん、うん


数日後・・・


「やはり、そう取りましたね?幸喜さん」

アリスさんは、怒ってる?

違うのか?


「幸喜さん」

「はい」

「私は、あきらめが悪いです。

あなたが、自力で思い出してくれるまで、引き下がりません」

冷やかしも、ここまでくれば、表彰者だな。

感心する。


「でも、ヒントだけは教えてあげますね」

ご親切なことで・・・


「実はあなたと会った時の私の名は、今とは違います」

違う?

どういうことだ?


「いっておきますが、性転換はしていませんからね。

私は生まれた時から、365日24時間無休で、女の子です。」


ますますわからない。

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