第7 GAME・・・一致団結して行く仲間たち・・・一方その頃、現実世界では何が!?

相も変わらず俺たちはゲーム内に閉じ込められ翻弄され続けている・・・

だが、そこで壊れそうになった亀裂が固い絆で結ばれ皆で信頼関係をより強化する事になる。敵だと思っていた白石 一葉は驚く事に涼子姉の大学時代の後輩で、更に涼子姉に憧れていた!!悪役を演じ、黒幕の動きを見ながら阻止しようと1人で頑張っていたと知った俺たち。仲間になりゲーム内でのあらゆるトラップや動きから解決策を出す大きな存在となった。ただ、若干天然らしく、涼子姉とは違い少しばかり・・・頼り甲斐が無い・・・かも?

暴走プログラムや実際のプレーヤーなのか見分けもつきにくく、その辺りも白石さんが何とか見抜ける様考えてくれている。

俺たちはこのままゲームクリアを当初の予定と同じく目指す事になる!

どうやら人体とプレーヤーの意識がかけ離れている為、意志自体がゲーム内に閉じ込められてしまい、体はプレイしている場所に置いてけぼりを喰らった状態らしい。

これが自然的に発生してしまったのであれば誰にも非は無いのかもしれないが、そんな訳あるはずもなく、黒幕が潜んでいるのは間違い無さそうだ!

白石さんはその黒幕に裏切られて俺たちと同じくゲーム内に閉じ込められてしまった・・・

今ゲームプログラムを根っからいじる事が出来る人物・・・それから、忘れていた!

理央と俺を操っていた人物がいた!それはプログラムなのだろうか?それとも影でゲームを動かしている実在の人間なのだろうか?

俺たちがこうして一致団結をとる間に実世界では何が起こっているのだろうか?

色々と気に掛かる所があるけど、一先ず俺たちはゲームを少しでも進めようと日々精進に励むのだった!











理央の父「理央や他のユーザーの皆さんの容体はどうなっているのだ?」


理央の専属医師「はい、報告によりますと、理央さんと同じ様に依然人体自体の影響と言うものが全く無く、意志だけは戻られません。」


理央の父「そうか・・・あり得ない事だが、現実に事が起きてしまっている。これは重大な過失だ・・・引き続き私もゲームの事について色々と調べてみる事にするよ。何か様子が変わったら直ぐに連絡をくれないか?」


医師「はい、こちらの方も医学的に全力でお調べ致します。」






もうかれこれ1月以上経つ。最近の大きな動きと言えば、報告を極秘に受けていた白石君の様子・・・彼女も何故かゲーム内に入ったっきり連絡が途絶えてしまった。

今の所誰1人死者が出ていないのが唯一の救いだ。私が起ち上げたこの会社・・・私も昔はゲームが好きで少しの合間でも良いから楽しめる事がしたい・・・皆もきっとその様に思う事があるだろう・・・そう言う願いと想いで創り上げたこの会社。いつからだったろうか・・・経営主体で見る私がゲームの本性を忘れかけてしまったのは・・・

理央が生まれて生活の事を大切に考える様になり、ゲームとは疎遠だった気がする。

私は当時まだ小さかった社を大きくしたい。より良いものを創り出したい、そう思う様になってからだったろうか?

家内は大反発したな・・・理解を求めようともしたが、やはり会社なくして生活は成り立たない・・・小さいながらも楽しく良い会社であったと我ながら思っていたのだが、大きくなると小さかった頃の事が見えなくなってしまう・・・自分自身も見失っていたのかもしれないな・・・

家内も出て行ってしまって久しい・・・

今何処で何をやっているんだい?

もう一度・・・もう一度話し合ってお互い、いや、理央の為にも、前を向いて一緒にやって行きたい・・・






従業員「社長、宜しいでしょうか?」


理央の父「あぁ・・・すまない、少し考え事をしていたのだが・・・何かあったのか?」


従業員「はい!例のゲーム内の事なのですが、先日妙な人物があるプレーヤーを操ったりしていたそうで、プログラムの暴走かと調べていましたが、どうやら実在する人物がやったみたいです。この状況下でその様な行動を起こすとはいささか考えにくいもので・・・」


理央の父「そうなのか!?・・・それで、その後どうなったのだ?」


従業員「はい、どうやら無事に事は納まった様子です。」


理央の父「そうか・・・それなら良かった!・・・だが、白石君の意識もゲーム内に入って行ってしまい、このゲームに関して詳細を把握している者はいないはずだが・・・」


従業員「はい・・・そこが一番分かっていない所でして・・・それから、調べているのですが、暴走プログラムも誰かが意図的に操作したものだと白石さんが書き残していた手記にありました。」


理央の父「何っ!?あれは確か白石君が作って投入したものだと聞いていたのだが・・・」


従業員「はい・・・私もその様に伺っていましたが、どうやら白石さんでは無かった様です・・・」


理央の父「どう言う事だ!?・・・あのゲームを根本から操作出来る人物は白石さん、それから・・・まさかっ!?」


従業員「社長!?どうかされましたか!?」


理央の父「いや、何でも無いよ・・・そんなはずあるはずが無い!!あってはいけない事だ・・・いや、それよりむしろ不可能だろう・・・」






雪康たちのクラスにて・・・




男子生徒A「なぁ、ニュース見てるか?もうあれから1カ月経つけどさ、まだ原因や状況が掴めていないんだってさ?あいつらもまだ1カ月前の状態のままだってさ?」


男子生徒B「あぁ、何だか信じられないよな?俺たちもあの時実際に御見舞いに行ったけど本当に人形みたいに固まったままだったし・・・ショックだよな・・・家族の人も大変だろうし・・・」


女子生徒C「あんたたち?何そんな辛気臭い話してんのよ?死んでいないし、体には問題無いって行ってんだし、あの子たちが戻って来た時に私たちが笑顔でいてあげないと潰れるでしょ?」


男子生徒A「お前は前向きだよな!?俺たちお前みたいにはなれそうにないよ・・・」


女子生徒D「でも、やっぱり帰って来た時に暗い顔をしていたら悲しむと思うよ?だから出来るだけ笑顔に慣れておかないと・・・いつ戻って来てくれるか分からないし・・・」


男子生徒B「おっ!おう!そうだよな!?俺たちが勇気づけてやらねぇとなっ!?」


男子生徒A「何好きな奴が前向きな事言ってるのに上手に乗っかろうとしてんだよ?」


男子生徒B「だっ!?誰が好きな奴だよっ!?俺はこいつが言った事が正しいと思ってだなっ!?・・・」


女子生徒D「えっ!?・・・私を?・・・ポッ・・・」






雪康宅にて・・・




テレビ

アナウンサー「続いてのニュースです。オンラインゲームをプレイ中に意識不明になってしまった事件から今日で1月が経ちました。依然状況や原因については解明されておりません。こちらに関して今日は主に精神面での今回の様なゲーム等に関連した専門の医師にお越し頂いています。先生?今回の事件についてどの様に思われるでしょうか?」


専門家医師「私がこれ迄担当して来ました患者さんの中で今回の件の様な患者さんはいらっしゃらなかったです。ただ、現時点で死者が1人もいないと言う点に関しては作為的なものを感じずにはいられません。何か意志を切り分ける様な・・・一般的に今回の様な事件が起きてしまうと大概、死者が出て来るはずなのですが、そう言う訳では無いとなると、深く眠りについてしまった様な状態・・・もしくわ、意識不明の重体等の様に意識自体が死んではいないけれど、一時的にシャットアウトされた様な感じに私は見えています。」


アナウンサー「実に不可解な謎が多く出て来てしまっている事件ですが、もしも犯人が実在するとすればどの様な意味を持って今回の犯行に及んだのかが理解出来ない状態ですが・・・」


専門家医師「はい・・・愉快犯と言う訳では無さそうですが、あくまで私の推測ですが先ず、誰かが意図的に起こした事では無いかと言う点、それから、誰1人死んでいない・・・きっと何かを訴えたかったとも捉えられる事件かもしれません。」


アナウンサー「訴えたいと言うのはどの様な所からその様に推測されたのですか?」


専門家医師「えぇ、私の所にもゲームを通じて何かを訴えかけると言う患者さんがいらっしゃいます。やはり訴えかけると言う事即ち、誰かに伝えたい事があるから・・・そうなりますと、一番自分に適した、又は受け取る方がそれであれば把握しやすい・・・その様な理由があるケースが私の受け持たせて頂いた患者さんが過去に数名程いらっしゃいました。」


アナウンサー「確かに伝える方と伝えられる側にとって、訴えるからにはしっかりと伝わらなければ意味がありませんから、その理由は私にも分かる気がしますが、やはり無関係の方々に悪影響を及ぼすと言う所に関しては許せない事だと考えます。先生、ありがとうございました。引き続きこちらの事件に関しては報道して行く予定となっております。又、最新のニュースが入って来ましたらお伝え致します。」




雪康の母「もう、1月が経ってしまったのね・・・あなた?本当に涼子や雪康は大丈夫なのかしら?」


雪康の父「あぁ・・・信じて待っていよう!私たちが信じて待たなくて、あの子たちが戻って来た時どの様な顔をして迎えてやれば良いんだ?」


雪康の母「そうよね・・・私たちが信じないと・・・あなたも変わらないわね!私が初めてあなたに惚れた時と全く変わらないわ・・・目も透き通っていて、前をしっかりと見つめていて・・・久しぶりに私、熱くなって来ちゃったわ♪今夜あたりどうかしら?」


雪康の父「いや、そう言うつもりで言った訳じゃ・・・まぁ、たまには良いか!?朝迄行くとするか?久しぶりに!」


雪康の母「えぇ♪私久しぶりだから上手くやれるか分からないけれど・・・」


雪康の父「あぁ、ゆっくりでいいんじゃないのか?2人だけだし・・・」


雪康の母「あなた♪やっぱりあなたは私が見込んだだけの事はあるわね!優しくて、逞しくて・・・」


雪康の父「君こそ、今でも優しくて俺のタイプの女性のままだよ!」


雪康の母「あぁ♪そんな蕩けちゃう様な事を言っても手加減しませんよ?勝負は本気ですからね!ポーカー・・・」


雪康の父「君強いんだよね・・・俺も何度負かされて来た事か・・・とほほ・・・」






雪康「↑とか言ってんだろう?父さんと母さんは割とノリが良いからな・・・」


涼子「ふふっ♪そうかもね?でも今現実世界ではどの様な状態なのかな?・・・恐らくもう現実世界での時間で言うと・・・」


一葉「はい!丁度1月程経ったと思われます。」


理央「もうそんなに経っちゃってるんだ・・・パパも大丈夫かな?・・・」


一葉「社長はお優しいですからね・・・きっと色々と対策を考えて下さっていると思われます。」


理央「白石さんはパパに色々と報告をしてくれていたってこの前聞いたけれど・・・」


一葉「はい、一応黒幕がいる事も、私が色々と演じている事もお話・・・あっ!?」


理央「どうしたの?何かあったの?」


一葉「はっ!?はい、私又やっちゃいました・・・」


涼子「はぁぁぁ・・・今度はどんなドジを?」


理央「はい・・・暴走プログラムの事です。私が投入したって言っていますが、これは黒幕からの指示があり、それで投入したものなんです・・・それを言いそびれてしまって・・・」


理央「じゃぁ、暴走プログラムと言うものは白石さんが作ったものでは無かったの?」


一葉「はい!データで添付ファイルで送られて来て、これを流せと指示して来たので一応私も調べてから安全だろうと思い投入したのですが、予期せぬ動きを見せて来たのでひょっとすると黒幕が途中からいじっていたんじゃないのかと・・・」


涼子「でも少し変ね?」


一葉「と申しますと?」


涼子「ずっと黒幕黒幕って言っている人物って誰だか分からないのよね?」


一葉「はい・・・私も会った事がありません。」


涼子「会った事が無いのに指示を受けて行動するのもどうかとは思うけれど、私が考えている事はそこじゃないの・・・何て言うのかしら・・・ゲームってサーバーがあるでしょ?サーバーって職場にあるのよね?なのに誰が黒幕なのか数年関わっていて掴めないってどう言う事なのかなと思って・・・」


一葉「はっ!?はい、それはですね、確かに社で無いと基本は操作は出来ません。直接繋げている所からで無いと動かせませんが、これも異例がありまして・・・」


涼子「異例?ってどう言う事?」


一葉「はい・・・私もそうなのですが、本来は社外秘的な扱いになっているのですが、社長から許可を得ていまして、厳重保管を約束する代わりに自宅で操作をしても良いと言う権限を与えて頂いていました。」


涼子「そんな事!?・・・よく許可したわね・・・」


一葉「はい!どこもそう言う事はやらないですが、私は許可を頂けました。恐らく黒幕も私と同じ様に遠隔操作をしている可能性があります。」


涼子「厄介ね・・・あっ!?それからちょっとこっちに来てくれる?」


一葉「はい♪喜んで・・・」


涼子 (耳打ち)「違うわよっ!?あの子たちに聴かれると良くないから聴こえない様にしているのっ!?・・・雪康と理央ちゃんが操られたじゃない?あれってプログラムじゃないのよね!?」


一葉 (耳打ち)「はい!あれは紛れも無く実在する人間がやった事です!」


涼子 (耳打ち)「あれが少し気になっているのだけれど・・・一体誰がやったのかしら?」


一葉 (耳打ち)「そうですね・・・私も気にはなっていたのですが、人を操ったり姿を我々にも明かしていないとなると・・・あぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」


涼子「ちょっ!!!!!一葉、声大きいっ!!」


一葉「はっ!?ごっ・・・ごめんなさい・・・私っ!?・・・」


雪康「どうしたんだ!?2人でこそこそと・・・又何かたくらんで?」


涼子「いいえ!ちょっとお仕置きしてやろうと思って・・・ねっ!?一葉?」


一葉「えっ!?・・・あっ!?はい・・・今からお仕置きして下さるって・・・お姉さまが・・・えっ!?そうだったんですか!?」


雪康「まぁ、お仕置きも・・・ほどほどにね?・・・涼子姉?」


涼子「へっ!?・・・あっ!?・・・あぁ・・・うん!勿論よ!さっ、あっちの部屋へ行くわよ!ついて来なさい!?」


一葉「はぁぁぃ♪お姉さま~♪」




涼子「さて、ここなら普通に話せるわね!・・・一葉!?変な誤解与えちゃったじゃない・・・どうしてくれるのよっ!?」


一葉「ごっ!?ごめんなさい・・・私大変な事が頭を過っちゃいました!!」


涼子「何よ!?大変な事って!?」


一葉「その雪康君と理央さんを操った人物・・・あれって・・・社長じゃないでしょうか!?」


涼子「何ですって!?でも、そうだったとしてどう言う理由で?」


一葉「はい、私がこちらの世界と行き来していた時に常に社長に状況をご報告させて頂いていたのですが、絆を固くしてよりゲーム内でもクリアを目指してもらいたいとか、ゲームをクリアする事で解決に至るお話もさせて頂きましたが、それならより一層険しい試練を乗り越えなければならないだろうとか・・・」


涼子「確かにそう言う理屈にあの行動なら分かる気がするわ!?でも社長ってこのゲームの操作って出来るの?」


一葉「はい!恐らく社長なら出来ると思われます。このゲームは理央さんにより一層ゲームを楽しんでもらいたいと言う願いも込められて開発されているので・・・」


涼子「そうか・・・ならこの間の件は社長でほぼ間違いないみたいね。後は例の黒幕・・・これも遠隔操作出来る・・・ただ、あなたを起用しながら行う所を考えると外部の人間の可能性も視野に入れておいた方が良さそうね?」


一葉「外部っ!?・・・それは私も気が付きませんでした!流石お姉さまです!ですが外部犯だとして一体誰が何の為に!?・・・」


涼子「恐らく、今の私たちの現状を考えると、犯人は何かを伝えたかったのかもしれないわね・・・」


一葉「伝えたい?・・・どう言う事をでしょうか?」


涼子「それは私には分からないわ・・・でも誰も死んでいない、ゲームを通じて・・・となると、きっとゲームで何かを伝えてやりたかった・・・ひょっとすると相手もゲームを好きだったりゲームだったら伝わると犯人は踏んでいた・・・ねぇ?あなたの周りで何か不可思議な出来事ってこれ迄に無かったかしら?」


一葉「えぇっと・・・今回の一件以外では私は気が付きませんでした。」


涼子「そう・・・ありがとう、又時間が経って何か気になる事が出て来るかもしれないからその時はお願いね?」


一葉「はい!!お姉さまのお役に立てるなら何でも♪」


涼子「だから、そのお姉さまって言うのは止めてくれないかしら?本当に変な誤解されちゃうとまずいから・・・」


一葉「じゃぁ・・・どうお呼びすれば?・・・」


涼子「別に先輩でも涼子さんでも構わないと思うけれど?」


一葉「分かりました・・・じゃあ、涼子さんで・・・(シュン)・・・」


涼子「何?その(シュン)って・・・まぁ、いいわ!とりあえずあまり長居すると怪しまれてしまうからそろそろ戻りましょう?」


一葉「えぇぇぇっ!?お仕置きは?・・・」


涼子「だからっ!?お仕置きって変な風に捉えられちゃうから言わないで!!!」






雪康「それにしても涼子姉たち遅いな?・・・まさか冗談だとは思っていたが本気でお仕置きとやらを!?・・・」


宗太「はははっ♪流石にそれは無いだろ?大人のジョークだよ!」


雪康「一番お子様の宗太に言われてしまった・・・これはショックも大きい・・・」


宗太「最近俺への扱い酷くない?」


理奈「まっ・・・まぁ、あまり宗太をいじめるのは止めてあげて欲しいな?・・・」


雪康「大丈夫だ!これはじゃれ合っているだけだからっ!(キラーン)」


理央「雪康君のキャラクターも段々変わって来ているみたいな・・・あ・・・あはは・・・」


涼子「皆お待たせ!ごめんね?ちょっとゲーム内での重要なお話をしていたの!決してお仕置きとかじゃないからねっ!?(キラーン)」


風華「おぉ~!!流石姉弟!?同じシーンで同じ様な表情を!?」






数日後、会議にて・・・

涼子「と言う訳で、少し落ち着いて来たからこの間一葉ちゃんとこのゲームの件で色々と聞いていたのだけれど、雪康と理央ちゃん、特に理央ちゃんは少しショックがあるかもしれないけれど、どうする?今聴く?それとももう少し時期を遅らせても良いのだけれど・・・」


雪康「俺は大丈夫!理央がどうかだけどな?」


理央「はい!私も大丈夫です!何か私にも大きく関わっている話でしょうか?」


涼子「うん、2人共良いのなら話をするわね!理央ちゃんにとっては・・・いえ、あくまでこれは推測の話になるからあまり気負いせずに聴いて欲しいの!」


一葉「涼子さん、それは今お話しなくても・・・」


涼子「いえ、推測だから今言っても大丈夫だろうと・・・それにあまり大事な話を後回しにするのもかえって良くないと思うから・・・」


一葉「涼子さんがそう言うのなら・・・」


百合「あれ?一葉お姉さま?涼子お姉さまの呼び方が変わってますよ?何かあったのですか?」


一葉「えぇ・・・実はね?・・・」


涼子「そこっ!?大事な話をするのに余計な事言わないっ!!」


一葉「はっ!?はいっ!?申し訳御座いませんっ!?」


百合「はっ!?はいっ!?・・・すみません・・・」


涼子「じゃあ、話するわね!少し前に雪康と理央ちゃんが操られたの!恐らく本人たちははっきりと覚えていないだろうけれど・・・」


雪康「えっ!?俺たちが!?・・・嘘だろっ!?・・・はっ・・・あの時か!?」


理央「えっ!?・・・雪康君覚えてるの!?私は、よく覚えていないわ?」


涼子「明朝理央ちゃんが外へ出掛けた時よ!あの時誰と会ったのかと言う所迄は覚えているかしら?」


理央「えぇ・・・はっ!?はい!確か老人っぽい感じの人がいて、その人と話をしていた時に頭の中にモヤが掛かったみたいになって、良い匂いがして来て意識が遠のいてしまった所迄・・・」


涼子「なるほど・・・そんな手段を使っていたのね・・・一葉ちゃん?やっぱり私の推測は・・・」


一葉「はい!間違いありません、涼子さんが推測された通りです。あの方法と言うのは元々ゲームには無い手段なので私か黒幕、そして・・・」


涼子「理央ちゃん?ショックを受けないで聴いて欲しいのだけれど、この操ると言う事についてはこれも確信は持てないのだけれど、相手の本心があって・・・その操った老人の姿をしたアバターの人物が私たちにより強い絆を結ばせて一刻も早くゲームをクリアさせて事件を解決させて欲しいと言う意志があったのだろうと・・・」


理央「そう・・・なのですか・・・それであの様な事を・・・それでパパは相変わらずだったのでしょうか?白石さん?」


一葉「はい、お父様は相変わらず周囲に気を配られていました。理央さんの事も心配されておられました。そして・・・お母様の事に関しても・・・」


理央「そうでしたか・・・色々と白石さんにもご迷惑を掛けてしまっていたみたいで・・・娘の私からも深くお詫び致します。」


一葉「いえ、そんな・・・とんでもありません!!私こそ、もっと早く黒幕の正体を掴んでいれば・・・」


涼子「その様子だと薄々感じていたみたいね?」


理央「はい・・・実は操られた後、意識が戻る前に少しパパが言っていたセリフが頭に残っていて・・・きっとこの人はパパなんだろうなって・・・そう思えていました。」


涼子「優しいお父様ね・・・」






一葉ちゃんが理央ちゃんのお母さんについて触れていたけれど、あえて私はつっこまないで話を反らした。一先ず、この先の話はもう少し時間が経ってから触れられる状態にあれば私から聴いてみようと思う・・・






翌日、フィールドにて・・・




雪康「よし!俺もついにレベル100だぞっ!?何とかここ迄来れたが、本当レベルが上がりにくいって話はどうなったんだ?」


一葉「恐らくなのですが・・・社長が手を加えて下さったのだろうと・・・黒幕がまさかその様な事をするとは思えませんし、社長が手助けをなさったのだろうと・・・」


理央「どちらにせよ、上げられる間に上げておいていざと言う時に備えましょう!」


涼子「皆、随分と頼もしくなったわね!私がここへ来た時はまだあどけなさが皆あったけれど・・・」


雪康「まぁ、涼子姉のおかげなんだろうな・・・色々と助けてくれるだけじゃなくて、アドバイスも影から皆を支えてくれていたし・・・」


涼子「あら?そんなに褒めても何もあげないわよ?」


理央「いえ、本当に涼子お姉さんのおかげでここ迄皆もやって来られました!本当にありがとうございます。」


百合「そうですぅ~!!涼子お姉さまがいらっしゃらなければ今頃私たちは飢え死に・・・」


風華「百合~?本当に飢え死にしたいの?いいわよ?直ぐにイカせてあげるから?」


百合「風華ちゃん?その目怖いよ?本気モード入っちゃってるし・・・?」




♪はははははっ♪




理奈「私も涼子さんがいてくれたからこうして頑張れているんだと思います!」


宗太「うんうん!何だか皆の絆って涼子さんが結んでくれているんだなって感じてますよ?」


一葉「そうでしょ、そうでしょ?涼子様は女神様なのです!皆崇拝しましょう?ささ、早く!!」


涼子「こ~らっ!!」




♪コツンッ




一葉「いたっ!・・・ごめんなさい」


涼子「おいたが過ぎるわね?」


一葉「お仕置きですか?お仕置きですかっ!?」


涼子「しないわよ!そんな無粋な事・・・」


雪康「まぁ、百合や風華もそろそろ100に到達だからこの調子で頑張って行こうぜ?」


百合「そうね!私もようやく98だし、後少し♪」


風華「私まだ96だよ?ま、頑張るけどさ・・・」


一葉「大丈夫です!この後も又波があるので上がる所は一気に上がります。風華ちゃんはひょっとすると100からが早いかもしれないよ?」


風華「そうなんですか!?じゃあ、このヘンテコ少女を越えられますか?」


一葉「ヘンテコ?・・・って私も涼子さんにそんな風に思われているのかしら?」


涼子「ヘンテコ?・・・ふふふっ・・・どうかしらね?」


一葉「そんなぁ~・・・そこは否定して下さいよぅ~・・・」






「ふふふふふ♪雪康様みぃ~つけたぁ💛」






雪康「何だっ!?今悪寒がしたぞ?風邪だろうか?」


理央「大変!雪康君、大丈夫?今日は帰ってゆっくり休みましょう?」




「チッ!?あの女か!?・・・私の大切な雪康様を・・・馴れ馴れしいな!!ちょっといじめてやるとしますかっ!?」






涼子「さて、到着ね!雪康は先に休んでなさい?部屋で食事を摂れる様に準備して来るから!」




♪コンコンコン




理央「はい、どちら様ですか?」


「あなたが理央さんね?私は・・・」




♪ガチャッ・・・




「・・・・・・?」




理央「えっ!?風華ちゃん?どうしたの?扉閉めちゃって・・・今お客さんが?・・・」


風華「アレは止めておいた方が良いと思う・・・私の本能がそう言ってる・・・」


理央「えっ!?でも・・・」




♪コンコンコン




「あのぉ~・・・どうして閉めちゃうのよぅ~!?」




♪ガチャッ!!




理央「あぁ・・・ごめんなさい!何か御用でしょうか?」


「えぇ!御用も御用あなたを御用にしたい位よ!!」


理央「えっ!?・・・・それは何か私があなたにいけない事をしてしまったのでしょうか?」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!雪康様にいけない事をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!?」


理央「ちょっ・・・そんな訳無いでしょ!?ってどうして雪康君の名前を!?それに「様」って?」


「申し遅れたわね!私の名前は森園 十霞(もりぞの とおか)雪康様は私の命の恩人なの!それ以来色々とね・・・」




♪ガチャッ!!




理央「えっ!?今度は百合ちゃん?一体どうしたの?」


百合「アレはいけない気がします!理央さん?あいつだけは相手しちゃダメです!私の本能がそう言っているのです!!」


十霞「ちょっと失礼ねっ!?人が大事な話をしている最中にドア閉めちゃうなんてっ!?プンプンッ!!」






理央「それで車に轢かれそうな所を雪康君に助けてもらったと言う訳ね?」


十霞「えぇ!そうよ・・・あれ以来私は何処のどなたか調べ、ようやく見付けた雪康様にお声をお掛けした時、彼は言ったの!「そうだったのか・・・ごめん、よく覚えてないや!」と・・・男らしくて背筋がゾクゾクしちゃったの・・・なんて優しくて素敵な殿方・・・自分のして来た良い事は自慢せず、悪い事については反省し、次へ活かそうとなさられる・・・あぁ・・・素敵過ぎて私・・・」


風華 (耳打ち)「ねっ!?相手しない方が良かったでしょ?」


理央「えっ!・・・そっ・・・そうかな?・・・あはは・・・」


百合「要件が済んだらさっさと出て行ってくれない?」


十霞「あら?随分と可愛い仔猫ちゃんが・・・私あなた結構タイプかも♪」


百合「ひぃぃぃぃ・・・止めて!出て行って!」


風華「あれ?珍しいわね?極度の女好きの百合が嫌がるなんて・・・」


百合「当たり前よ!こんな気持ち悪い奴誰が・・・」


十霞「そんなぁ・・・でもそうやって最初は皆嫌がるのだけれど、直ぐに私の虜になっちゃう・・・あなたもそうなるのよ?」


百合「無理無理無理無理ぜぇぇぇぇぇぇぇ~ったい無理ぃぃぃぃぃぃ!」


理央「本当珍しいわね・・・凄く綺麗で可愛い子なのに?」


百合「えっ!?理央さん本気で言ってます?」


理央「だってこの姿ってアバターじゃないわよね?」


十霞「ふぅ~ん♪アバターなのか実際の姿なのか分かるんだ♪」


理央「えぇ!最近分かるように・・・って何をっ!?止めて・・・」


十霞「じゃぁ、話は早いわね♪今回のお邪魔虫あなたを先に私の虜にして雪康様から奪っちゃおうかしら?ほぅ~ら口づけしましょ?」


理央「きゃっ!?止めて・・・あなた何なの!?」


百合「コラッ!?」




♪ガツンッ!!!




十霞「いだっ!!・・・ふぅ~ん♪どうやらあなたから堕とされたいみたいね?いいわよ?こちらへ来なさいな?」


百合「又ぶたれたいの?いい加減アホな事やってないでさっさと消えなさいよ!このポンコツ!!」


理央「えっ!?・・・百合ちゃんがいつもと違う雰囲気に!?」


風華「男だね?この子・・・」


理央「えっ!?男の子?」


風華「世間的には「男の娘」と表現した方が良いかも?・・・ってそれはどうでも良いや!なるほどね・・・それで生理的に受け付けなかったんだ・・・私は別の部分だったけど・・・?」


十霞「相変わらず仔猫ちゃんは厳しい反応をするわね・・・いいわよ?ベッドで色々と愛し合いましょう?」


百合「うわぁぁぁぁ吐き気しそう・・・本当マジ止めて?」


理央「百合ちゃん?この子一体?」


十霞「あなたには関係無いわ?私の大切なものを奪って行ったあなたには!!」


理央「えっ!?私が?・・・奪ったって?・・・」


百合「コラッ!!!あやまんなさいよ!!私の大切な友人に対して失礼でしょっ!!」




♪ガツンッ!!!




十霞「いたっ!!!いつもより激しいね?お姉ちゃん?」




理央&風華「お姉ちゃん!?・・・・・・!!!!!!?」


百合「2人共本当にごめんね?こいつ私の弟なの・・・恥ずかしいから女装するなって散々言い聞かせているんだけど、聞かなくて・・・」


理央「本当に男の子なの?・・・」


百合「残念な事に・・・でも一番最初にこいつが女装した姿を見た時正直言って私、自分を恨んでやりたいと思ったくらい完璧だったからつい本心で「綺麗だね」って言ってしまったの・・・それを喜んで・・・ううん!悦んでこいつはそれ以来・・・ぐっ・・・思い出しただけでも怒りが・・・」


十霞「初めまして♪百合の弟の神門 十霞と言います。いつも姉がご迷惑をお掛けしています。」


百合「何処のバカ野郎がそんな事言ってんだ!!」


十霞「雪康様には中学校の頃本当に助けて頂いて、それ以来私、本気で・・・」


理央「うん・・・それは凄くよく分かるよ!雪康君はそう言う所あるから!でもそれを威張らずに本当私も・・・」


十霞「付き合っている訳では無さそうですね・・・」


理央「えっ!?・・・雪康君と私が?・・・とっ!?とんでもないよっ!?どうしてそんな事に!?」


風華「でも予定だから君の出番は無いと思うよ?それに君って男の娘でしょ?」


十霞「そんなぁぁぁ・・・私だったら一生掛けてお仕えするくらいの覚悟はあります!それに上のお世話だけじゃなく下のお世話も・・・」




♪ドガッ!!!バキッ!!!!!




十霞「生活の面から色々とお世話をする覚悟があります!雪康様が動けなくなってしまわれても私は一生を掛けてお世話を・・・」




百合「ごめんね・・・変な奴だけど本当は根の良い奴だから・・・まぁ、こいつもここにいると言う事は私を追ってここへやって来たから・・・ついでだから仲間に加えてやって欲しい・・・かも?・・・」


十霞「お姉さま・・・お姉さま~!!!!!!」


百合「コラッ!!鬱陶しいから抱きつくなっ!?止めろ・・・気持ち悪い!!」


風華「ねぇ、十霞君って言ったわよね?・・・君綺麗な顔してるね?男としてでも十分に本領発揮出来そうな気がするけど?どうして女装なんてしてるの?」


十霞「えっ!?・・・私が男としても?・・・そんな事言われたの初めて・・・えっと俺が女装する様になったのは・・・実は俺は姉ちゃんの事が・・・大好きだったんだけど・・・」


百合「えっ!?・・・マジで!?・・・それはそれでどうかと思うけどさ・・・?」


十霞「姉ちゃん昔は凄く優しくて俺に対しても大事にしてくれていて・・・ある日何故か俺から遠ざかっちゃって、気が付いたら女の子を好きになっていて・・・俺必死に姉ちゃんに見て欲しくて、俺も女の子になったら好きになってくれるんじゃないかって思う様になって一度だけ女装をしてみたらさっき姉ちゃんが言った様になって・・・それで・・・」


風華「そうか・・・色々と大変だったんだね・・・偉いな、こんなヘンテコな子を慕うが為に色々と辛い目に遭って・・・」


十霞「そんな事無いっ!?」


百合「十霞?」


十霞「姉ちゃんは俺が困っていた時には必ず助けてくれるし、真面目に話もするし、俺が大事に想っているたった一人の姉なんだ!ヘンテコとか言うなんて・・・許せない!!」


風華「ふぅ~ん♪極度のシスコンなんだぁ♪可愛いね?男の姿に戻ってくれるなら付き合ってあげても良いなって思うんだけど?どう?・・・姉だと禁断の関係になっちゃうしさ?私となら清純な恋愛が出来ると思うんだけどな?」


理央「ちょっ!?風華ちゃん?何言って?・・・」


風華「見てよ?こんな綺麗な顔だしさ、女の子としてじゃ勿体無いでしょ?男としてやってる方が絶対にモテると思うよ?どう?」


十霞「嫌だ!」


風華「ふ~ん♪私みたいな美少女の告白すら断っちゃうっての?意外と私モテるんだよね?もう一度だけチャンスをあげるわね?私と付き合わない?」


理央「風華ちゃん!?今日の風華ちゃん変だよ?」


風華「ねぇ、人が大事な話をしている時に余計な事言って邪魔しないでくれない?理央さん?」


理央「風華・・・ちゃん・・・?」


百合「そうね・・・私もうんざりしていた所だし、こんな綺麗な子に逆告白されたら堕ちちゃうわよね?普通の男の子なら♪」


理央「ちょっと百合ちゃん?一体何考えて・・・」


十霞「どうして?・・・姉ちゃん迄どうしてそんな事を?・・・確かに風華さんは綺麗だし俺も少し心揺れたよ・・・でも・・・こんな時に・・・」


風華「ほら、本音は心揺れてんじゃん?どうよ?私だったら君の事大切に出来ると思うんだよね?百合の弟だしさ♪」


十霞「でも・・・俺には・・・雪康様や姉ちゃんが・・・」


風華「ねぇ、助けてもらった事に対しての気持ちは大切だと思うのよね?・・・でもさ、それって恋心とは違ってないかな?」


十霞「えっ!?・・・助けられる事と恋心の違い?」


風華「さっきから話聴いてたんだけどね?助けてくれたって言ってたけどさ、雪康君に助けてもらった、お姉ちゃんに助けてもらったって・・・それで好きになったんでしょ?」


十霞「うっ・・・うん!そうだけど・・・」


風華「じゃあ、私が君を何かしら助けたら君は私の事を好きになる?」


十霞「えっ!?それは・・・」




♪チュッ💛




理央「ちょっ!?風華ちゃん?・・・」




十霞「うっ・・・何で?・・・俺のファーストキスだったのに・・・」


風華「ファーストだったんだね・・・思い出さない?これが本当にファーストなのかどうか?」


十霞「えっ!?・・・ファーストキスじゃ・・・無い?・・・・・・はっ!?まさか、風華さんって・・・あの時の!?」


風華「やっと思い出してくれたみたいね?あの時確かに少し意識があった様だったから顔見られちゃったかもって思っていたけどやっぱりそうだったんだね・・・久しぶりだね?あの時は間一髪だったよ!」


理央「えっ!?・・・どう言う・・・事?」


百合「ごめんね、理央さんは知らないと思うけど、この子昔海で溺れて意識が無くなった事があって・・・その一緒に来ていた風華ちゃんが助けてくれたの!結構運が悪い事があるからこの子の事は心配していたんだけど、その後、記憶喪失になってしまって、この子は風華ちゃんの事を覚えていなくて、近くに住んでいる事も・・・」


理央「そんな事があったんだ・・・」


十霞「あの時俺を助けてくれたのって・・・風華さんだったんですか?・・・」


風華「あの時がファーストだった?それとも今がファースト?・・・どっちにしても君のファーストは私だね?嫌だった?」


十霞「いっ!?・・・いえ・・・そんな事は・・・無いです・・・」


風華「変な言い回ししてごめんね?少し刺激を強くした方が思い出せるかと思ったから・・・」


十霞「いえ・・・本当は俺、風華さんを探していたんです・・・でも・・・あれは夢だったんじゃないかって・・・それが頭に浮かんでしまうと躊躇ってしまって・・・」


百合「理央さん?この子は依存していたのかもしれないんです・・・誰かに助けてもらって・・・そしてその人といつも一緒にいたい・・・それが恋愛感情に結びついてしまっていて・・・結局雪康君に対しても私に対しても・・・正直、助けてもらった人に恋心を持つ事は不思議ではありません・・・ですが、この子の場合少しそれとは違った感情だったんだって気付いてから不安で・・・ようやくそれが消え去ってくれた様です・・・」


十霞「俺・・・俺・・・今迄?・・・」


風華「大丈夫・・・大丈夫だよ?私が・・・私で良ければ君のサポート役になってあげる・・・それじゃダメかな?」


十霞「ダメです!」


風華「十霞・・・君?」


十霞「俺と・・・俺と・・・付き合って下さい!」


風華「えっ!?・・私と?・・・いいの?」


十霞「俺、はっきり思い出しました!風華姉、昔、結婚しようって約束・・・俺、思い出した!」


百合「記憶が・・・思い出したんだね!十霞」


十霞「あぁ!ごめん、姉ちゃんにも迷惑掛けてしまって・・・」


風華「十霞君・・・やっと・・・やっとなんだね?」


十霞「風華姉、待たせてしまってごめん!俺、全部思い出したよ!」


百合「あの溺れた日、命は風華ちゃんが救ってくれたんだけど、十霞の記憶が断片的に飛んじゃってたの!だから・・・」


理央「そう・・・か・・・良かったね!本当に!!」


十霞「えっと・・・理央さん、ご迷惑をお掛けしました。俺は邪魔だろうから単独行動をとります。」


百合「えっ!?・・・どうして?記憶が戻ったし皆と一緒に行けば良いでしょ?」


十霞「いえ、それだと皆さんのご迷惑になるかと・・・」


風華「ダメだよ・・・だって・・・折角元に戻ったのに・・・別行動なんて・・・嫌よ・・・」


十霞「風華姉・・・」


理央「ちょっとこっちも面倒な状況になっているの・・・」


十霞「やっぱり、そうですよね・・・」


理央「だから・・・」


百合「理央さん・・・やっぱり弟を仲間に入れるのは?・・・」


理央「協力して欲しいの!・・・いいかしら?」


風華「理央ちゃん・・・」


理央「私の父親の会社のゲームで皆さんに多大な迷惑を掛けてしまっているの!だから私たちは一刻も早くゲームをクリアさせて今現実世界にある私たちの体とここにいる精神を戻さなければならない!だから・・・君も・・・君の力も必要なの!お願い・・・出来るかな?」


十霞「おっ!?俺で・・・良ければ!是非!!」


理央「ありがとう!じゃあ、皆にも紹介しないといけないから早速・・・」




涼子「大丈夫よ!皆既に知っているから!」


雪康「風華の弟さんだったのか!外から悪いが話を聴かせてもらっている間に思い出せた!怪我が無くて本当に良かったな!俺も幸い無傷だったから気にしないでくれ!」


十霞「あぁ・・・雪康・・・さん・・・あの時は・・・本当にあの時はありがとうございました!!おかげで今日も生きています!!」


宗太「いや・・・何と言うか・・・色々とあったみたいで・・・これから宜しくな?・・・ってその格好記憶が戻ったなら着替えようか?・・・」


十霞「こちらこそ宜しくお願いします!・・・ってすみません、俺、女装したままで・・・直ぐ着替えます!!」






こうして、綺麗な女の子が来たと思っていたらそれは男の子、いや、男の娘で、更に百合の弟だった!!しかも風華と将来、結婚の約束迄していたらしい!!

深い絆で結ばれた仲間たちに更にその弟である十霞が加わり強さも更に・・・って十霞のレベルは今いくつだ?




十霞「安心して下さい!俺は姉ちゃんより先にこのゲームやってたので既に120迄上がっています!」




と言う事でレベルやゲームシステムの事に関しては心配無さそうだな!

まぁ、ここ迄1人で行動して来ているからには多少たりとも知識があると言うのは伺えるが!

と言う事で段々と仲間も増えて、力も強くなりつつある俺たちだが、次の試練は何だ!?もう俺たちに不可能と言う文字は無い!

そう胸を張って言ってやりたい気分だが、お手柔らかに・・・変なイレギュラーばかりで予期せぬ事だらけで正直言って疲れる・・・

まぁ、ここ迄何とかやって来ているし、次もきっと何とかなるだろう。

明日からも張り切ってフィールドを駆け回るとするか!!


























第7 GAME END

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