ハロウィン&ポッキーの日

 シアちゃんver


「トリック・オア・トリート」


 とシアちゃんが俺に近づいてきた。


「ど、どうしたの?急に」

「本で、読んだ。お菓子貰えるって」

「な、成る程ね。でも、今は持ってないんだ。お菓子」

「じゃあ、いたずらする」

「えっ?」


 シアちゃんが取り出したのはポッキーだ。

 そしてそれを口にくわえ、こっちに近づいてくる。


「シ、シアちゃん」

「ん」


 どんどん近づき、ポッキーを食べさせようとするシアちゃん。

 口が無意識に震えている。何度かキスはしたが、これは流石に...


 そんな事を考えていると口にポッキーが当たった。


 表情は変わっていないが、耳が赤くなっている。きっとシアちゃんも恥ずかしいのだろう。

 こうなったのも俺がお菓子を用意出来ていない所為だ。

 なら。


 カリッ。


「うん。美味しいよ、シアちゃん」

「........えーじのばか」


 で、ですよね。


 シアちゃんはご機嫌斜めではあるが、なんとかポッキーを食べ安堵していた俺。しかしその油断を見逃さなかったシアちゃんが、俺に飛び付き。


 チュッ


「...いたずら、完了」


 そういってシアちゃんは二階へと上がっていった。


 ニーナver


「お兄ちゃん!トリック・オア・トリート!」


 とニーナちゃんが近づいてきた。


「ど、どうしたの?急に」

「シアっちが本で見てたから~」

「成る程。でもごめんね。今お菓子持ってないんだ」

「え~。じゃあいたずらしちゃう~!」


 そう言ってニーナちゃんは俺に飛び込んできた。そして..


 こちょこちょ


「ちょ、ニ、ニーナちゃん。やめて...。こ、こしょばいから~」

「まだまだ~」


 こちょこちょ


 それから暫く、くすぐりは続いた。


「はぁ、はぁ」


 くすぐりが終わり、息を整えているとニーナちゃんの顔がとても近くにあった。


「次はちゃんとお菓子ちょうだいね?」


 チュッ


 そう言ってニーナちゃんは二階へと上がっていった。


 口には微かにチョコの味が。


「..チョコ以外にするか」


 カリンver


「英二さーん!トリック・オア・トリートです!」


 とカリンちゃんが近づいてきた。


「ど、どうしたの?急に」

「お菓子が欲しくなっちゃって。駄目ですか?」

「駄目じゃないけど。今お菓子持ってないんだ」

「そうですか。残念です」


 そう言ってカリンちゃんは二階へ戻ろうとした。


「あれ、いたずらしないの?」

「してほしいんですか?」

「いや、そういう訳じゃないけど。お菓子あげてないからするのかなって」

「そういう事でしたら、これなんてどうです?」


 ポケットから小さなチョコレートを取り出した。


「これを食べてください。私の口から」

「えっ?」

「よーいスタートです」


 口の中にチョコを入れたカリンちゃん。そしてどんどん俺に近づいてくる。


「ちょっと、待ってよ!カリンちゃん。流石にこれは」


 しかしそんな事お構い無しに近づいてくるカリンちゃん。

 逃げようとするが、足がもつれてこけてしまった。


 その隙にカリンちゃんが距離を詰め、俺に乗っかってくる。

 そして.....


 チュッ


 そのキスはほんのり苦い味だった。


「ごちそうさまでした」


 そう言ってカリンちゃんは二階へと上がっていった。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 だいぶ遅れましたがハロウィン回でした。そしてポッキーの日(シアちゃんだけですが)楽しんで頂けました?連載は終了してますが、ちょくちょくこういうのを上げて行きますのでよろしくお願いします。それではまた



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