花火

 川で水遊びをした夜。


「そうだ。皆で花火しない?」

「いいですね!しましょう、花火」

「じゃあ、準備してくる」


 そう言って3人は2階へ上がっていった。

 そして10分後戻ってきたのだが..


「どうです。英二さん、似合ってますか?」


 3人は浴衣を着ていた。

 毎度お馴染みの事色はシアちゃんが青、ニーナちゃんがオレンジ、カリンちゃんは紫だ。


「凄い、似合ってるよ。皆。それにしてもどうして浴衣?」

「シアが言ったの。本に書いてあったから」

「そうなんだ。それで花火は?」

「あっ!」


 どうらや忘れていたようだ。


 ◼◼◼

 バケツに水を入れ、ライターを手に外へ出た。


「さ、皆、準備はいい?」

「うん」

「大丈夫だよ~」

「バッチリです」

「じゃあ付いた火が当たらない様に少し距離をとって。火は俺が付けにいくから」


 まずはシアちゃんから。

 火を付けるとものの数秒で着火した。


「凄く、きれい」

「お兄ちゃん、ニーナも!」

「はいはい」

「きれい~。あっ、色が変わったよ! お兄ちゃん」

「英二さん、私もお願いします」

「オッケー」

「キラキラしてます!」


「えーじ、もう1本」

「ニーナも!」

「私も!」


 それから沢山あった花火も3人でやればあっという間になくなった。


「もう、終わった?」

「もっとしたかったな~」

「そうですね。もう1回取ってきます?」

「いや、いいよ。それにまだ残ってるからね。線香花火が」


「なんだか、さっきのとは違いますね」

「これはね、小さい花火なんだ。だからさっきみたいにやるんじゃなくて、静かにやるんだ」


 俺は線香花火に火を付けた。


「何もならないよ?」

「もうちょっとだから」


 待っているも小さな火種からパチパチと火が出た。


「わー、きれい!」

「この花火はねちょっとした振動で落ちて消えちゃうから皆慎重にやるんだよ」

「「「はーい」」」


 皆の花火に火を付けるとほんの数秒でパチパチと音が響きだした。


 やっぱり最後は線香花火だよな。


 1分ぐらい続いた線香花火が3人同時に落ちた。


「「「あっ」」」

「あっ、終わっちゃったね」

「えーじ」

「お兄ちゃん」

「英二さん」


「「「もう1回!」」」

「ごめん。もうないんだ」

「やっぱりもう1回取りにいきましょう!」

「行こう、カリン」

「ちょ、ちょっと皆!」


 それから皆の気が済むまで花火をした。

 楽しんでもらえて何よりだけど。


「えーじ、明日もしよう」


 暫く花火は続きそうだ。

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