ニーナEND

「俺はニーナちゃんが好きだ」

「お兄ちゃん」

「俺はニーナちゃんから色んなものを貰った。そしてその中で1番のものがニーナちゃんからの愛だ。だから俺はニーナちゃんと行きたい!」

「ニーナもお兄ちゃんと一緒に行きたい!」

「ありがとう、ニーナちゃん」


 俺は2人に近づき。


「シアちゃん、カリンちゃん、ごめん」

「謝らないでください。それが英二さんの答えなんですから」

「そうだよ。えーじ」

「2人とも、ありがとう」


「シアっち、カリンお姉ちゃん」


 ニーナちゃんは2人に抱きついた。


「シアっち、カリンお姉ちゃん。大好きだよ! 絶対忘れないから」

「ニーナ」

「ニーナちゃん」


「ではよろしいですか?」

「はい、お願いします!」

「じゃあ、バイバイ」


 こうして俺たちはこの世界を後にした。


 ◼◼◼

 俺は倉田悠。高校3年生だ。

 就職先を決めかねていた日々。だがある日とんでもない事が起こった。


「父さん、今なんて?」

「だから新しい家族が出来たんだ!」

「はぁ? 何言って。父さんには母さんが居るだろ! 何してんだよ!」

「おい、悠。何勘違いしてるんだ?」

「は。だって」

「ほら、こっちにおいで」


 父さんに呼ばれて入ってきたのは小学4年生ぐらい女の子だった。


 藤の花の色をした瞳、そして短く綺麗な茶色の髪。

 まさに美少女がいた。


 それにしても初めて会うのに、どこか懐かしく感じるのはどうしてだろう。


「あ、初めまして。南若菜みなみわかなです。そのよろしくお願いします。お、お兄ちゃん」

「お兄ちゃん!」

「何驚いてるんだよ、悠。家族になるんだからお兄ちゃんって呼ぶのは当たり前だろ」

「そ、そうだけど..」


 いきなりそんな事言われても、こっちは何の説明も受けてねーし。


「つー訳で俺は仕事があるから若菜を頼んだぞ。お兄ちゃん」

「ちょ、父さん!」


 そういって父さんは行ってしまった。


 いきなり妹って言われても..


「あ、あの、お兄ちゃん」

「ど、どうした? わ、若菜」


「その、一緒に遊びませんか?」

「えっ?」

「その私、早くお兄ちゃんと仲良くなりたいので。だから..」


 この子は頑張って家族になろうとしてるんだ。

 その気持ちを無下にするのはダメだよな。


「いいよ。何して遊ぶ?」

「い、いいんですか?」

「勿論! だって俺たち兄妹だろ」

「じゃ、じゃあ、この漫画見たいな事をしたいです」


 若菜が出してきた漫画にはこう書かれていた。


『お兄ちゃんが好きで好きでたまらない』


「いいですよね。お兄ちゃん」

「う、うん」


 ◼◼◼

「無事に出会えて良かったですね。英二さん、ニーナさん」


     ニーナHAPPY END

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