お別れ
大切な時間
シアちゃんたちと会って半年ぐらいが過ぎた。
実際の所半年いってるかどうか分からないけど。
いつもと変わらない日々。
皆と楽しい時間を過ごして1日を終える。
俺はそんな日々がずっと続くと思っていた。
あの話を聞くまでは..
◼◼◼
いつも通り皆で遊んでいる時の事だった。
彼女はやってきた。
「ご無沙汰しています。英二さん」
突然家にやって来たのはこの世界に来る前に会ったロリ神様だった。
「えーじ、この人って」
「この姿では初めてですね。シアさん、ニーナさん、カリンさん」
「あの時の女王様!」
「別人みたいです」
「ふふっ。別人ですか。まぁあながち間違ってはいないのですけど。それはそうと英二さんお話に参りました」
「皆、ちょっと─『彼女たちにも大事な話なので居てください』─分かりました。それで話って」
「来世への生まれ変わりについてです」
「生まれ変わり、ですか?」
「はい。ここは元々前世で悲しく亡くなった者を癒し、次への生まれ変わりを準備する場所なのです。ケアの時間は人によって違いますが、大体半年ぐらいでケアが終了します。そしてそれが終わりましたので、ここに来させて頂きました」
「ちょ、ちょっと待ってください!じゃあもう皆とはお別れなんですか!」
「いいえ。それは違います。どんなに早くても1日、最長で1ヶ月はここにいれます。そして大事なのはここからです。生まれ変わる時、3人の中から1人来世へ連れていく事が出来ます」
「えっ? それって」
「どこでかは分かりませんが、生まれ変わった2人は必ず出会い、英二さんの人生を大きく左右します。連れていく理由として、ここに来た方々は1人で悲しく亡くなられています。ですので1人連れていく事によって悲しい死を無くす事が出来るからです」
ロリ神様が言ってる事は分かる。
ただ。
「....全員は駄目なんですか」
「残念ながら、それは出来ません。この世界にもバランスがあり英二さんがいた世界にもそれがあります。1度に複数の魂を動かすと、どちらの世界にも大きく問題がおきます」
「そう、ですか。....ロリ神様。もし俺が誰も選ばなかったらどうなるんですか?」
「その場合英二さん1人だけが来世に行く事になります。こちらとしてはそれは1番やってほしくはありませんが。そして期間についてですが、誰か1人を選びますとその日に。
誰も選ばない場合は1ヶ月になります。もし英二さんの希望がありましたらそれよりも早く来世へ送る事が出来ます」
「その、返事は..」
「今日、決めて頂きます」
「そして勿論の事ですが、英二さんが来世へ行った後彼女たちには英二さんとの記憶を全て消させて頂きます」
「そんな!」
「せっかくお兄ちゃんと楽しい思い出が出来たのに」
「えーじとの思い出、消えるの?」
「はい」
「初めて、会った時の事も?」
「はい」
「一緒にお風呂に入った事も?」
「はい」
「一緒に寝た事も?」
「はい」
「好きだ!って気持ちも?」
「はい、全て消えます」
答え終わるとシアが涙を流した。
「シアっち..。お願い!お兄ちゃんとの思い出を消さないで!」
「それは出来ません」
「どうして! 何でダメなの!」
「貴女たちが悲しまない為です」
「お兄ちゃんが居なくなるのも、思い出がなくなるのも悲しい!神様ならどうにかしてよ!」
「英二さんは誰を、選ぶんですか?」
「俺は..」
俺はカリンちゃんの言葉を返す事が出来なかった。
誰かを選ぶ。それは正解なのか?
3人は仲良しだ。それを俺が壊していい理由なんてない。
『貴方に選ぶ覚悟がありますか?』
あの時のロリ神様の言っていた事はこれだったのか。
下を向いた顔を上げるとロリ神様が。
「答えは決まりましたか?」
「はい」
「英二さん!その..」
「カリンちゃん。あの時の話覚えてる?」
「英二さんの気持ちが固まったら、ですよね」「そう。それを今話すよ」
「えーじ」
「お兄ちゃん」
「英二さん」
「俺は..」
────────────────────────────────────────
もうすぐでロリ甘が終わりを迎えようとしています。残りのわずかですが癒されていってください。
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