特別なパーティー1

 3日後


「ここが、パーティー会場..。デカイ」


 いや、デカイと言う言葉は間違っている。だってお城はデカイものだ。けど....


「英二さん。こんなの普通ですよ。他の町に行ったら、もっとデカイお城があるんですから」

「そ、そうなんだ」


 本当、この世界凄いわ。


「シアちゃん、ニーナちゃん、ちゃんとついてきてくださいね。はぐれると大変ですから」

「分かった」

「オッケー!」


「ねぇ、あの人、もしかして男の人?」

「本当だ!本物初めて見た!」

「ねぇ、話しかけてきてよ」

「お姉ちゃんが話しかけてきてよ~」


 と周りの話し声が聞こえてきた。


「英二さん、ちょっと急ぎましょう」

「そうだね。俺も面倒事になるのは嫌だし。シアちゃん、ニーナちゃん走ろう」

「「うん」」


 俺たちは急いでお城へと向かった。


 ◼◼◼


「お待たせしました。英二さん」

「いや、俺もさっき来た....」


 着替えてきた皆を見て俺は言葉を失った。


「どうです?英二さん」

「皆、すげー可愛い。ホント、まじで。..可愛い」


 語彙力がなくなるってこういう事なんだな。


 シアちゃんは薄い青色のドレス。

 全体に花の刺繍が施されていて、肩が少し出ているノースリーブ。スカートの部分はレースになっている。

 右耳には青色のハート型のピアスがつけられている。


 穴は開けてないよね?


 ニーナちゃんは薄いオレンジ色のドレス。

 ニーナちゃんもシアちゃんのドレスとほとんど一緒で全体に刺繍が施されていて、柄は蝶の形をしている。そして左腕に花柄のブレスレットをつけていた。


 カリンちゃんは上が濃い紫のノースリーブで、そこにはピンクの花の刺繍があり、下はピンクと薄紫のレースの二重になっている。そして、赤色のネックレスがかけられていた。


「えーじも、似合ってる」

「お兄ちゃん、カッコいい!」

「そ、そうかな?」


 俺が今着ているのは少し濃いめの青のスーツだ。

 こういう色を着るのは初めてだから、何だか落ち着かないな。


「大丈夫ですよ。英二さん。誰がどう見てもカッコいいです!」


「ありがとう、皆。じゃあ、入ろうか」


 ドアを開けるとそこには大人数の女の子がいた。


「すごいきれー」

「うん。きれい」

「やばすぎ..」


 唖然とする俺たちをよそにカリンちゃんは。


「私、飲み物取ってきますね」


 なんと言うか慣れてるな~。


「あの..。男の人、ですよね」


 突然声をかけられ、隣を見ると数人の女の子が集まっていた。


「そ、そうだけど。何か用?」

「そ、その。あ、握手してもらっていいですか?」

「握手?別にいいけど..」


 そう言って手を出すと、女の子も手をだし、握手をした。


「はわわわ....。あ、ありがとうございます!」

「次、私もお願いします!」

「私も!」


 1人と握手するとそれに便乗して残りの女の子が握手を求めてきた。


「ちょ、ちょっと」

「あの、やめて頂けますか!」

「..カリンちゃん」

「英二さんを困らせるのはやめてください!それにですよ」

「いや、俺は別に困って─『英二さんももっと自覚してください!ここではどれだけ英二さんが珍しいか』─す、すみません」


 カリンちゃんが怖かったのか周りにいた女の子たちはどこかへ行ってしまった。


「それに、シアちゃん、ニーナちゃんもしっかりしてください!英二さんを他の子にとられていいんですか?」

「えーじ、とられる。....ダメ」

「そんなのいやだよ!」

「では、しっかり英二さんの下にいてください!分かりましたか?」

「「はい!」」

「それじゃあ、パーティーを楽しみましょう!はい、これ飲み物です」


 シアちゃんとニーナちゃんはオレンジジュース、カリンちゃんはリンゴジュース、俺はサイダーをもらった。


 そして、暫くして、明かりが消え、前の席だけが光っている。

 そしてそこに、1人の女の子が出てきた。


 金髪のツインテール......

 あれ?何か見覚えが..

 てか、あれって!


 ロリ神様じゃん!!!

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