特別なパーティー2

 目をそらすロリ神様。


 なんか、すみません。まさか貴女がここにいるなんて思ってなくて。


 それにしても、ロリ神様大変だな。


「それじゃあ、私は女王様に挨拶して来ますね」

「いってらしゃい、カリンちゃん」


 カリンちゃんは女王様(ロリ神様)の所へ。


「えーじ、どこいくの?」

「飲み物、取りに行こうかなーって」

「動いちゃ、ダメ!」

「そうだよ。お兄ちゃん。カリンお姉ちゃんが戻ってくるまで、じっとしてて」

「は、はい」


 暫くしてカリンちゃんが戻ってきた。


「お待たせしました。何もなかったですか?」

「だいじょーぶ」

「ニーナたちがしっかり、お兄ちゃんを止めたらから」

「そうですか。それを聞いて安心しました。それで、皆さんに提案があるんですが」

「提案?」


「はい。この後、ダンスをするらしいんです。せっかくなので皆さんでやってみません?」


 ダンスか。やった事ないけど大丈夫かな?


「勿論、簡単なステップでしたら私が教えます。どうです?」


「うん。やりたい」

「ニーナもやりたい!」

「では、決まりですね。早速ですが、練習しましょう。あまり時間がないので」


 ◼◼◼


 それからカリンちゃんに簡単なステップを教えてもらい、ちょっとは踊れるようになった。


「曲は3曲あるらしいので、全員踊れます。誰から踊ります?」


「シア、やりたい!」

「次はニーナ!」

「では、私は最後ですね」


 順番が決まったので、俺は。


「俺と踊ってくれますか?」

「はい」


 シアちゃんの手を下から取り迎える。


 そしてホールへと。 


 左手をシアちゃんの右手に。右手を左肩にそっと置き。


 曲が始まると同時にゆっくりとステップを踏み出した。


 1・2・3 1・2・3


 そう心の中でカウントを取り、ステップを踏む。


「シアちゃん、大丈夫?その、踊りにくいとかない?」

「大丈夫」

「そっか」


「シアちゃん。楽しい?」

「うん。楽しいよ。だってえーじと一緒だもん!えーじは楽しい?」

「勿論楽しいよ。初めてのダンスって言うのもあるけど、やっぱりシアちゃんと一緒だと凄く楽しい!」

「そう。..良かった」


 それから2分ぐらいで曲が止まり、1曲目が終了した。


「またやろうね。シアちゃん」

「うん」


 シアちゃんを連れて2人の所へ戻った。


「次はニーナちゃんだね」


「俺と踊ってくれますか?」

「勿論だよ!お兄ちゃん」


 ニーナちゃんの手を下から取り。


 シアちゃん同様、左手を右手に。右手を左肩にそっと置き。


 曲が始まると同時にステップを踏み始めた。


「ニーナちゃん、大丈夫?」

「何が?」

「いや、結構身長差あるからステップ踏みにくくないかな?って」

「お兄ちゃん優しいね。でも大丈夫だよ」

「そっか。良かった」


「..お兄ちゃんはニーナたち以外、好きになっちゃダメだよ」

「どうしたの?急に」

「急じゃないよ。だってさっきあんな事あったじゃん。だから..」

「約束するよ」

「絶対だよ」

「うん。絶対」


 そうしている内に音楽が止まり、2曲目が終了した。


 ニーナちゃんを連れて2人の所へ戻った。


「最後はカリンちゃんだね」



「俺と踊ってくれますか?」

「はい。喜んで!」


 カリンちゃんの手を下から取り。


 2人と同様、左手を右手に。右手を左肩にそっと置き。


 曲が始まると同時にステップを踏み始めた。


「英二さん、今日はありがとうございました」

「こっちこそありがとう。おかげでいい経験が出来たよ。また色々な所に皆で行きたいね」

「そうですね。..皆で」


「次は海とか行きたいね」

「いいですね。その時は日焼け止め塗って下さい。隅々まで」

「2人に怒られるから、やめて下さい」


「どうしてもですか?」

「はい」

「分かりました。でもちょっとくらいは塗って下さいね」

「う、うん」


 無事3曲目が終了し、俺たちは元の場所へ戻った。


「ダンス楽しかったね!」

「うん。また、したい」

「今度は皆でおどろー!」

「面白そうですね!」


 ダンスが終わり一息ついていると、また音楽が流れ出した。

 そして辺りがざわつく。


 皆の視線をたどるとそこには女王様(ロリ神様)がホールへと降りてきていた。


 ロリ神様は俺に目線を送り、ウインクをした。


 踊れって事ですか。


 まぁ、女王様の誘いを断るのはダメだし。


 俺はロリ神様の所へ向かい、手を出した。


「俺と踊って頂けますか?」

「..はい」


 ロリ神様はそっと手を出し、それを下から取り。


 左手を右手に。右手を左腰に手を当てた。


 緩やかな曲と共にステップを踏み出す俺たち。


「パーティーは楽しんで頂けましたか?」

「はい、凄く」

「それは良かったです。それはそうと近々そちらに伺います。皆さんに話があるので」

「分かりました」


「..決心をしておいてくださいね」

「それは、何の..」


 すると音楽が止まり、ダンスが終わった。

 わずか、1分。


「では、また」


 ロリ神様は奥へと戻っていった。


 ◼◼◼


「えーじ。勝手に行っちゃ、ダメ」

「そうだよ!お兄ちゃん!」

「ご、ごめん」


「それでは、帰りましょう。英二さん」

「そうだね」


 会場から出ようとするとシアちゃんとニーナちゃんが腕に抱きついてきた。


「ど、どうしたの、2人とも」

「なんか、こうしたい気分」

「ニーナも」


「そっか。じゃあ仕方ないね」


 こうして俺たちは城を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る