ニーナ1-7

 シアちゃんたちが帰ってきてから、3人でお昼ご飯を食べた。

 メニューは簡単にできるそうめんだった。

 食べた後、俺たちはシアちゃんの家へ行く事にした。


 移動してる途中ニーナちゃんがいくつか質問してきた。


「お兄ちゃんは、何でこの世界に来たの?」


 この質問って答えていいのかな?

 たしか、ロリ神様は喋っちゃいけないなんて言ってなかったし、多分大丈夫だろう。


「実はさ、働きすぎて死んじゃったんだ。それで、この世界に送って貰ったんだ」

「そうなんだ~。でも、良かったね。ここでは仕事なんてないし」

「あ、うん」


 正直、それには感謝してる。でも、癖で早く起きちゃうんだよな。


「そうだ。二人とも。この世界には俺以外の男性って居るの?」

「さぁ?分かんない」「シアも知らない」

「そっか..」


 この世界には男性が2人以上存在出来ないのだろうか。

 だとしたら、男性を知っているのは極一部しかいないと言う事か?


 そうこうしている内にシアちゃんの家へ着いた。



 ◼◼◼

「お兄ちゃん、似合ってる?」


 ニーナちゃんが今着ているのはフリルスカートの水着だ。色はオレンジだ。

 シアちゃんは昨日着ていた薄い水色の水着だ。

「うん!似合ってるよ」

「えへ、ありがと!」


「えーじ、今日は普通に洗うから。いい?」

「分かったよ。じゃあ、お願いね」


 そう。今から風呂に入ろうとしているのだ。遊んで流した汗と、雨で濡れ、冷えた体を暖める為だ。


 早速、風呂に入ることに。

 湯船に浸かると2人がギュっとそれぞれ腕に抱きついてきた。


「どうしたの?2人とも」

「こうしてると落ち着く」

「ニーナも」


「そっか」


 それから湯船から出ようにも出られない状態が5分続いた。

 そして、シアちゃんたちが出ると同時に俺も湯船から出る事ができた。


「えーじ、次は体洗うから、座って」

「う、うん」


 椅子に座らされた俺。

 後ろをチラッと見ると、シアちゃんはスポンジを持っていた。どうやら今日は普通に洗ってくれるようだ。


 程よい力加減で背中を洗ってくれるシアちゃん。昨日のも良かったけど、やっぱり普通がいいな。


 それから、何事もなく入浴は終了した。


 着替え終わり、脱衣場を出るとシアちゃんが『今日の晩ごはん何がいい?』と聞いてきた。


「うーん。じゃあ、カレーがいいな。皆作りたいし」


「お兄ちゃん、料理できるの?」

「い、一応..」

「じゃあ、そうしよう」


 そう言って、シアちゃんは2階に上がり、数分程して戻って来た。カレーの材料を持って。


「ありがとう、シアちゃん」

「うん。それで、どうするの?」


「まずは野菜を食べやすい大きさに切ろうか」


 持ってきてもらった野菜を手に取り、洗い、一口サイズに切る。


「えーじ、うまい」

「そ、そんな事ないよ。さぁ、シアちゃんもやってみて」

「うん!」

「ニーナもやる!」


 2人にそれぞれ、子供用の包丁(シアちゃんが持ってきてくれた)を渡し、野菜を切ってもらった。


 切った野菜を鍋に入れ、火をつけた。

 ここにはキッチンがないので、ガスコンロを使った。(これもシアちゃんに持ってきてもらった)


 そして肉と野菜を火が通るまで炒め、水入れる。そのあとにカレー粉をいれ、かき混ぜ煮込む。

 煮込み終われば完成だ。

 あとは器にご飯とカレーをのせれば、

 美味しそうなカレーが完成だ!


「お兄ちゃん、すごい」

「美味しそう」


「さ、食べよ」


 机にカレーを運び、席についた。


「それじゃあ、いただきます」

「「いただきます」」


 うん。久しぶりに料理したが、大丈夫な感じだ。


「えーじ、すごくおいしい」

「うん!普段食べてるカレーよりおいしい!」

「そっか!良かったよ」


 意外にも俺の料理は好評だった。

 また、作ってみよう



 ◼◼◼

 食べ終わったシアちゃんたちは可愛らしい花柄のパジャマに着替え、俺の横でうとうとしていた。


 あ、ちなみに色はシアちゃんが薄い青色、ニーナちゃんはオレンジだ。


「あっちの部屋で寝てきたら?2人とも」

「..そう、する」

「おやすみ、お兄ちゃん」

「おやすみ、ニーナちゃん」


 ニーナちゃんはシアちゃんの部屋へととぼとぼと歩いていった。


「あれ?シアちゃん。どうしたの?」

「寝る前に、えーじ、にぎゅーってしてほしいの。..ダメ?」


 シアちゃんは甘えん坊だな。でも、今日はニーナちゃんもいたし、我慢してたのかも。


「いいよ。おいで」


 シアちゃんは俺の膝に乗り、だっこの態勢で抱きついた。


 微かに香るシャンプーの匂いと、シアちゃんの温かい体温。

 なんだか落ち着く。


 気がつくとシアちゃんはあっという間に俺の胸で寝ていた。

 そっと、起き上がりシアちゃんの部屋へ運んでベッドに寝かせた。


「おやすみ、2人とも」



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