ニーナ1-1
あれから数日が過ぎ、少しずつこっちの生活に慣れ始めた俺。
窓からさす日の光で俺は目を覚ました。
ベッドから起き上がろうとすると、何故か起きあがれない。
理由はすぐに分かった。
俺の体にシアちゃんの腕が巻き付いていた。まるで大事な人形をギュッと抱きついているかの様に。
俺はシアちゃんを起こさないようにそっと、腕をはずし、起き上がろうとすると─────
シアちゃんが再度、俺を抱きしめてきた。それも先程よりもしっかりと。
「おいて......行かないで」
その言葉と同時にシアちゃんの瞳から涙がこぼれ落ちた。
俺は......シアちゃんの事を全然知らない。それは当然かもしれない。昨日会った子を知り尽くしている人なんていない。けど俺は一刻も早くシアちゃんの事を知っておかなくちゃいけない。知らないと言うのは怖いことだ。無意識にその人の事を傷つけているかもしれないからだ。だから俺はもっとシアちゃんの事を 知りたい。
◼◼◼
「えーじ、起きて」
シアちゃんに体を揺さぶられ再び目を覚ました。どうやら二度寝してしまったらしい。
「~ん。おはよう、シアちゃん」
起き上がり、大きく伸びをした。
「えーじ、よく眠れた?」
「ああ、バッチリだよ」
「そう。良かった。それとえーじ、これ」
シアちゃんから渡されたのは服だった。それも上下黒色のジャージを。
「サイズはたぶん、大丈夫」
「あ、ありがとう」
さ、さすがに二回目でも驚くな~。急にサイズのあった服が出てくるのは。
まぁ、異世界だからっていうのもあるけれど。
「着替えないの?」
「えっ?......あ、ああ、着替えるよ」
死んでから、ずっと来ていたスーツを脱ぎ、先程もらったジャージへと着替えた。サイズはシアちゃんが言った通りピッタリだった。
「えーじ、似合ってる」
「ありがとう」
シアちゃんの服は見た目は昨日と変わらないが、シワ一つない。多分似たような服に着替えたのだろう。
服を着替えたのはいいが、やはりパンツも変えたい。昨日汗をかいて、そのままだと言うのは少々気持ちが悪い。
「ねぇ、シアちゃん。お願いがあるんだけど」
「なに?」
「衣類がもうちょっと欲しいんだ。主にパンツが」
「分かった。じゃあ、えーじ、ここで待ってて」
「あっ、出来れば俺も一緒に着いていきたいんだけど」
そう言うとシアちゃんは黙りこんでしまった。
「......ご、ごめん。えーじ。その事はえーじには見せちゃいけないの」
「そ、そっか。こっちこそごめんね」
「うんん。大丈夫。じゃあ、とってくるね」
シアちゃんは二階へ上がっていった。
◼◼◼
それから五分もしない内にシアちゃんは二階から降りてきた。
パンツをもって。
「これでいい?」
「ありがとう!シアちゃん」
これで服事情は解決だな。いやー良かった。
シアちゃんのお陰で無事俺はパンツを替える事が出来た。
勿論、着替えに行こうとしたらシアちゃんに『どこにいくの?』と聞かれた事は言うまでもない。
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ご無沙汰しております穂志上ケイです。読者の皆様お待たせしました!ロリ甘復活です!何というか案外休載期間短かったですねw
まぁ、気を取り直して今日から続き書いていきます!これからもよろしくお願いします!
明日はRROを更新します。お楽しみに!
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