シア1-3

 シアちゃんに手解きされて、歩くこと20分

 大きなログハウスが見えてきた。一人で住むには大きすぎる大きさだ。


「もしかして、あれがシアちゃんの家?」


「そう」


 この世界すげーなぁ。ロリ一人にどんだけデカイ家持たせてんだ。

 まぁロリしかいないんならそれぐらい当然なのかな?


「えーじは、シアといっしょのへや。いい?」


「あ、ああ、大丈夫だけど、もしかして他の子がいて、部屋が空いてないのか?」


「そうじゃ、ない、けど......シアは、えーじといっしょが、いいの」


「そっか。シアちゃんがそうしたいなら、従うよ」


「ありがと、えーじ」


 なんだかんだ言って、シアちゃんは甘えん坊なんだな。

 部屋は一緒でもベッドは別だよな。あんなに大きい家だし、3つ、4つベッドはあるだろう。


 近くで見ると、更にデカく、てとも迫力がある。


「さぁ、はいって」


 中に入ると、まず大きなリビングがあり、中央には大理石の机、それを囲むようにソファー、そしてその先に2つの扉。その間には階段がある。


「あの2つのへやがしんしつ。うえはいろいろある」


 色々か。いったい何があるんだろう。


「説明ありがとう。シアちゃん」


 俺はシアちゃんの頭に手を置き、よしよしと数秒撫でる。


「えーじ、もっと!」


 照れくさそうに頬を赤く染め、撫でやすいように頭をこちらに向けてくれた。


 なでなで。......なんと言うか。髪さらっさらだ。女の子ってこんな髪さらさらなの!めっちゃ気持ちいんだけど。


 そして、シアちゃんは子猫のように目を細めてされるがまま。


 これはこれで、悪くない、な。なんというか、癒される。

 それからたっぷり15秒なでなでし、手を話した。


「......えーじ。なでなでじょーず。ずっとしてほしい」


 以外にも高評価だったらしい。

 まぁ、俺も撫でていて、悪い気はしなかったし、たまになら良いかもな。


「ずっとは無理だけど、またやってあげるから。それで良い?」


「うん。ぜったい、だよ」


 納得してもらえてなによりだ。


「それで、えーじ。これからなにする?」


 生前、仕事以外何かをするという行動はあまりなかった。仮に休日があったとしても、家でダラダラしているだろう。

 だから俺は。


「取り敢えず、今日はゆっくりしたいかな」


 外を見ると少し薄暗くなっている。そうすると自ずとやることは絞られてくる。


「それなら、おふろいこ」


「風呂か、いいな。歩き回って汗もかいたし」


「じゃあ、いっしょにいこー」


「ああ......ん?ちょ、ちょっと待ってくれ。シアちゃん」


「どうしたの?えーじ」


「いや、そのシアちゃんも一緒に入るの?」


「そうだけど。ダメ?」


「うーん、ダメって言うか......シアちゃんは女の子だろ。そんな簡単に裸なんて見せちゃダメだ」


「えーじにならみられてもいい」


 即答かよ。でも、困ったな~。ここで許してしまえば、これ以上の事を要求された時に許しかねない。じゃあ、どうすれば......そうだ!


「ねぇ、シアちゃん。着替えてから行こうか」

「着替え?」


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 次回の更新は7月10日以降になります。

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