シア1-2
「そう言えば、自己紹介がまだだったね。俺は御山英二。君は?」
「......シア、です」
「シアちゃんか。いい名前だね」
「ありがと。えーじ」
えーじ、か。ロリに呼び捨てされるのは、まぁ、悪くないかもな。しかも、それとなく、さっきとは話し方が違うような...
それからはシアちゃんが来た道を戻りながら、辺りをくまなく探し、移動している。
途中シアちゃんを肩車して、高い目線から見てみたりした。最初は高いのを、怖がっていたけど、あっという間に慣れて楽しんでいた。俺が疲れて降ろそうとすると、『もっとして!』と駄々をこねてきた。なんとも可愛らしかったが、さすがに体力がもたないので勘弁してもらった。
その代わりシアちゃんが『ほんが、みつかったらまたして』と提案してきたので、それをOKした。
色んな所を探したが、結局見つからず、途方にくれていた。
一度休憩するために、今は木陰で休憩中だ。
「なぁ、その、なくした本ってどんな本なんだ?」
「シアが......ひとと、かかわるきっかけをくれた、ほん」
それは大事な本過ぎる。
「そうか。なら絶対見つけないとな」
「うん」
そろそろ休憩を終えて、先へ進もうと立ち上がると、頭上から固い何かが俺の後頭部に落ちてきた。
「痛って!」
「えーじ、だいじょうぶ? なでなでする?」
「いや、大丈夫だよ。このぐらい」
「だめ! なでなでする」
「わ、分かったよ」
シアちゃんは俺の頭を撫でようとするが、届かず、
『しゃがんで』と頼んで来た。
言われた通り、俺はしゃがんだ。
「いたいのいたいの、とんでいけ~」
ああ、俺が飛んでいきそう。
それより、今落ちてきた物って......本だ。
それもかなり古そうな。
「あっ!シアちゃん。この本って」
「うん!さがしてた、ほん」
嬉しさのあまりシアからは先ほどと違う涙が流れていた。
それにつられて俺も涙が込み上げてきた。
その事に気づいたシアちゃんが。
「えーじ、ないてる?」
「あ、いや、これは」
「かなしいことでも、あった?シアがなでなでするから、なきやんで」
と甘い言葉をかけてくれた。ついやってもらいたくなったが、我慢し。
「いや、そうじゃなくて......嬉しくて泣いてるんだよ」
「うれしくて?」
「ああ。シアちゃんだって、今嬉しくて泣いてるだろ」
シアちゃんは自分の頬を触り、涙を確認した。
「ほんと、だ。シア、ないてる。でも、かなしくない。えーじも、いっしょ?」
「うん。一緒だよ」
「そっか。じゃあ、えーじはやさしいひと、なんだね」
優しい人、か。そんな事、ないんだけどな。
「そ、それでね、えーじ。おねがい、ある」
「なんだい?」
「......で、......しい、の」
シアちゃんはもじもじしながら、何かを言ったようだが、上手く聞き取れず。
「ごめん。もう一回言ってくれない?聞き取れなくて」
「えっと......シアのいえで......いっしょにくらしてほしいの!」
あまりの衝撃に頭が回らなかった。一緒に暮らす?シアちゃんと?それってOKなのか?
いや、でも、毎日甘やかしてもらうならそれも良いかも......
「えーじ、だめ?」
「えっと、シアちゃん。......こちらこそ、よろしく!」
すると、シアちゃんは心の底から嬉しそうに笑った。そして、やった、やった!とその場でピョンピョンと跳び跳ねた。なんとも可愛らしい。
「これから、ず───────っといっしょだね! えーじ!」
「そうだね。シアちゃん」
これからシアちゃんとずっと一緒か~。楽しみだな。......ん?ずっと一緒って、結婚同然なんじゃ......
「じゃあ、いこ。えーじ」
まぁ、そんな深い意味はないだろうな。
「ああ」
俺はシアちゃんに手を引っ張られ、更にその先の道へ歩いて行くのだった。
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まずは謝罪いたします。先日公開いたしましたロリ甘のキャラデザのツイートを消してしまい申し訳ありません。近況ノートから見れなくなっております。後日Twitterにてあげさせていただきますので、よろしくお願いします。今度はURLを貼らずに近況ノートに書かせていただきますので、よろしくお願いします。
次回公開予定は未定です。来週から忙しくなってしまいますので、暇が出来ればあげます。
感想・評価・コメントお待ちしています。
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