第13話

「なあに、痛いのは一瞬だ。君はもう高校生だから分かるだろう。今、痛い思いして助かるのと、逃げて一生苦しむのとどっちがいいかぐらいな」

「……」

生憎にも僕はそこまで大人じゃない。子供だ。ガキだ。

心がガキだから、クズだからどっちがいいか迷う。

「さて、そろそろ答えは出たかな?」

枯尾花威吹鬼は天涯孤独。

僕は彼女と混ざり合っているから、彼女の情報が、全てでは無いにしても、多少の情報は嫌でも頭の中に入ってきてしまう。

僕は彼女の味方をするべきではないのか?

彼女はいつも一人で、寂しい。そんな情報が入ってくる。

現に彼女は、僕という可能性に賭けたらしい。その希望に、僕は答えるべきじゃあ無いのか?

「何だ、まだ答えが出せないのか。なら、年上として助けてやるとするか」

僕があたふたと考えている内に、彼は待てなかったようで、答えの出せていない僕に走って向かってきた。

それでも僕は迷った。

そんな、優柔不断な僕が出した答えとは。

ガシィ‼︎

「? これはどういうことだい? 何故止める?」

僕の答えというか、僕の体か彼女が示した答えとは、彼女の味方をするというものだった。



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