第12話

「僕は人間じゃないのか」


「いや、違うね。今の君は、半分彼女に乗っ取られている状態だ。所謂、幽霊に取り憑かれているってことだ」

目の前の背の高い男が、落胆した僕に言ってきたが、今の僕には理解するどころか、話を聞くことすらままならない状態だった。

その中でも、彼の言葉の一部は聞くことが出来た。

「これで君も理解できただろう?」

そんなの出来るわけがない。

「このまま、取り憑かれた状態がいいかい?」

いいわけがない。

「このままじゃあ、お前は二重人格者で、霊に取り憑かれた化け物だ」

そんなのは嫌だ‼︎

なんで僕が嫌なのか?

正直僕は、異能に憧れている。現に今は、異能らしきものに目覚めている。正直嬉しかった。

しかし、それもつかの間。僕はこの物語を始めるにあたり、拒絶してしまう理由があった。

それは、僕の体を乗っ取られることである、プライバシーの欠ける設定である。

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