第9話

目を覚ますと自分の家だった。

「いつの間に家に帰ったのか」

全く記憶が無い。だが、家にいるってことは帰ったんだ。

僕は、昨日の記憶を探ったが、それは何故か自分が死にかけている映像ばかりだった。

「自殺しようとしてショッピングモールに行って、勇気が出なくてウロウロしていて、そこで誰かに会って、……怖くて逃げた? 何故? 幽霊だと思ったか? そしてその後、……戻ったのか、怖くて逃げたショッピングモールに? そこで僕はさっき会った人に殺された、……のか?」

ぞくっとした。腕を見ると鳥肌が立っていて、冷や汗までかいていた。なんともリアリティーがある夢だ。怖い夢を見た。

こんな夢を見た日は、気分転換に出かけるとしよう。

今日は五月一日の日曜日。天気は晴れ。絶好のお出かけ日和だ。

僕は顔を洗って、朝食もそこそこに出かけた。特に行くところがないので、行き当たりばったりに歩いた。

そしてふと足を止めると、目の前には夢に出てきたショッピングモールがあった。

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