第5話

僕は家に向かって歩き出した。後ろ髪を引かれる思いで、家を目指して歩き出す。そう決意した。夜の町は暗くて怖かったから、早歩きで帰った。

僕はしばらく何も考えずに歩いていた。そして今気づく。目の前にショッピングモールがあることに。何故だろう。家は反対方向のはずなのに、何故ここに居るのだ。答えは簡単だった。僕は後ろ髪を引かれ、連れてこられたのだ。彼女が寂しそうな顔をしていたことを、無視できなかったということか。普段なら無視していたはずなのだが、自殺したいという思いがまだ残っていたということもあり、普段が避ける危険なことに顔を突っ込んだ。まさに人間らしいと言ったところか。

ショッピングモールの中に入り、階段を上って上って、さっき女の子に襲われた場所に戻ってきた。

出来ればもういないで欲しかった。いざ、ここまで戻ってくると足がすくんで逃げたくなった。しかし、僕は自分で奮い立たせる。

「自分はこの性格が嫌だから自殺しようとしたのだろう。怖いのだろう。だけど決めたことはやり通せ。琉鬼‼︎」

ただ、この決意を貫き通す為にここまで来たのだ。ここまで来たのだから、中途半端で帰りたくない。せめて、確認だけして家に帰ろう。

しばらくそこの周りを見渡してみると、ちょこんとうずくまっている女の子がそこに居た。

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