第14話(幼女の言葉が読みにくいかも……)
目が覚めたら父親になっていた。
何言ってるかって?僕にもよくわからん。
「ちょっと、この子は誰?どこからきたのよ?」
明らかに困惑してる柚瑪村。だからさっき言ったろ、僕にもわからないって。
と、困惑している二人に助け舟を出すようにリリー様が教えてくれる。
「この子からとてつもない『神力』を感じます。きっとこの子が柚瑪村さんに取り憑いている神さまなんでしょう。」
「それは、よくラノベとかである子供の姿をして実は五百年生きてる、みたいなやつですか?こんなちっちゃい子が柚瑪村に取り憑けるのか少し信じられないんですけど?」
「いいえ。そういう世界もありますが、この世界に影響を与えている神さまは皆、見た目と年齢は人間基準でいいですよ。寿命も人間と同じぐらいです。この前言った通り、神様はあらゆる規制がなくなった生き物です。要するに成長速度も∞というわけで、生まれた瞬間から『神力』の操作が可能です。」
「そうなんですか?僕はてっきりリリー様みたいに見た目だけ若いんだと思ってました。」
「な!!それはどう言う意味ですか?!私がおばさんだとでも?!」
「いや、だって今時せんべいが好きとか、思考回路がおばさんじゃないですか。」
「そそ、それはなんですか!!せんべい好きへの侮辱ですか?!聞き捨てなりません!今、ここで、全国のせんべい好きに謝りなさい!」
「だって、せんべい、ですよね?」
「ムキーー!なんですかその『常識的に考えて……』的な目は!!もういいです!奏真さんとは絶好です!!」
「ちょっ、ごめんなさい、からかいすぎました。許してください。」
「ふん。」
神さま、拗ねちゃった。
「新作3枚でいいですか?」
「三袋……」
「わかりました。帰りに買ってきます。」
よかった。許してもらえたみたいだ。
「えっと、あなた私に半分抱きついてる状態で、よく他の人と恋人みたいな会話ができるわね。」
あ、からかうのに夢中になりすぎて二人のこと忘れてた。
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
「えっと……お名前を教えていただいてもいいですか?」
「せりか……」
「セリカさまでいいですか?」
「うん……」
幼女の相手ってすっごく気まずい。
「幼女に『さま』付けとか……」
「おいそこ、人を犯罪者予備軍みたいに言うな。神さまに敬意を払うのは当たり前のことだろ。」
「あんたは神様が関わるととことん強気よね。」
柚瑪村がため息をつく。すると、柚瑪村の膝の上に乗っているセリカさまが唐突に告げる。
「ぱぱ、ここきて……」
そう言って柚瑪村の座っているソファの空いてる部分をポンポンと叩くセリカさま。
俺は言われた通りにする。
すると、またセリカさまが、
「わたしと、おでこをひっつけて……」
注文してくる。僕は実行しようとすると、
「変態……」
「今なんて言った?!」
こいつ、辛辣だ。
「はやく、はやく……」
「はいはい」
僕は顔を覗き込んでくるセリカさまにおでこを引っ付ける。
やばい、顔が近い。
「幼女相手に顔を赤く……やっぱ変態」
「ちょぉっとは黙っとれ!」
君さっきからなんなの!!
「うるさい……」
「ごめんなさい。」
セリカさまに怒られたぁ。
ってか、今更だけどこの儀式は何?
この儀式やってても特に何も起こらないし、僕のロリコン疑惑が深くなってるだけな気が……
そんな疑問に、心を読んだかのようにセリカさまが答える。
「いま、ぱぱのあたまのなかに、『いめーじ』をおくってます」
「何のですか?」
「
まだ舌足らずな声で説明をしてくるセリカさま。
「なので、ぱぱをあいだに
この神さま、幼い容姿でなかなかやるな。まだなにも説明してないのにそこまで見抜くとは。
つまり、こうして僕に能力を伝えて、その後に僕がままさんへと伝えれば…………あれ?
「すみませんセリカさま、その『まま』って言うのは?」
「ままはままです。」
そう言って柚瑪村に抱きつく。
はぁ、僕はもう驚かないぞ。何回目だと思ってーーー
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ーーーこいつはまだ耐性ついてないですもんね。そうですよね。
なんてバカなことを考えながら、たった今教えてもらった柚瑪村の能力について考える。
一見、全く戦闘に使えなさそうだった僕の能力は意外と使い道があった。
だから、きっとこいつの能力も・・・・・・・・・・・・
能力メモ
・柚瑪村明梨『能力名:ライトマニピュレータ・デウス』
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