第10話(チョビッとシリアス)

ごめんなさい!!

時間は設定したものの公開し忘れていました!!


というわけで昨日投稿する予定だったものです。

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B市内のとある場所、

ドアには二重の鍵、窓もシャッターのようなもので閉ざされているその空間に響くのはカタカタという軽快なキーボードの音。


「はぁ〜今日も収穫なしかぁ〜」


今度はその部屋の中にいる人、先ほどまでキーボードを叩いていた私はキーボードから手をはなし、合計10個を超えるディスプレイを見ながらなにやら力の抜けた声を上げる。


検索欄には『体 光る 緑』という短い単語の羅列があるだけ。

私はそばに置いてあったペットボトルのお茶をグビッと飲み干すと、何度か頭を振り、頰を一度ペチンと叩く。

緑茶と物理攻撃の相乗効果で目を覚ました私は、検索欄の文字を全て消してまたカタカタとキーボードを叩く。

その時だった。


「お?」


目にとまる一つの数字。

私はふっと息を吐くと、

そのとたんに流れ込んでくる膨大な量の情報。

それを順番に処理しながら目当ての情報を探す。

響くのはコンピューターのピコピコ音だけ。

目まぐるしく色を変えるディスプレイを目で眺めているその姿は少し不気味ではあるが、能力上仕方のないことだ。

私は情報の迷宮と言っても過言ではないほどの情報を一度に処理する。

そして約十分後、ようやく目当ての情報を手に入れた私は能力を解除して視界を元に戻す。

そして何度か目をパチパチした後、「仕事しました!!」感を前面に出した背伸びをする。

そして、


「寝るか。」


『MTB』情報部部長その人は、実に四日ぶりの睡眠をとるのであった。


・・・・・・・・・

・・・・・

・・


【明梨視点】


私はよく「メインヒロインみたいだね」と言われる。

いや、少し違うか。私はよくそうやって友達が話しているのを聞く。

私はそれが嫌だった。

たしかに自分で言うのもあれだが私は普通の人とは明らかにステータスが違う。

でも、それでも私は特になにもすることなく「才能」の一言で終わらせてしまう人が嫌いだった。

そんな人ばかりのせいか、私の周辺は退屈なもので溢れかえっていた。

そんな時に出会ったのがあの男。

人間関係無関心という七文字の漢字で全てを表せるようなそんな性格のあいつが私を負かしてくれた。20点という無慈悲とも取れるほどの差をつけて。

私はそいつを気に入った。変な意味じゃなく。

だからこの前の試験の時は本当にショックだった。あいつが手を抜くなんて。

でも、あいつとは何だかんだで仲直りした。ほんとに私はちょろいと自分でも思う。

そんなかんじで私とあいつとの関係は悪くはないと思う。

でも、を見た後でもそんなことが言えるのだろうか。

私が勉強を終えて図書室から帰るとき、あいつを見つけた。

いつもは反対方向に向かうはずのあいつが私と同じ方向に向かっていたから私もそれに続いた。別についていこうというわけではない。単純に道が被っただけだ。

そしてその途中の公園で私は見てしまった。

そいつがじゃんけんをしたと思ったら、次々と人が倒れていくところを。

私は怖くなって逃げるように帰ってきた。

そのあとはあの光景を何度も頭の中で繰り返した。

そのせいで私は今変な光景を見ている。

だからこれは昨日のストレスによる寝不足のせいだ。

私の体がなんてこと、普通に考えてないだろう。


・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・


【奏真視点】


「リリー様、それホントですか?」


「はい。この反応は間違いないと思います。」


「でも人間を嫌っている神様が何で?」


「分かりません。ですが、このような状況は悪いことを歴史が伝えています。早めに対処しなければ歴史上の大きな宗教戦争や10年前の異能大戦の繰り返しになりかねません。」


異能大戦?知らない単語が出てきたな。


「異能大戦って?」


「平たく言うと異能力者同士の神を交えた戦争ですが……すいません、あまり言いたくはないんです。」


「ごめん、良く知らなくて……」


「別に奏真さんが謝らなくていいです。それよりも早く目標に接触しましょう。敵対の意思がないことを神に伝えなくてはなりません。」


「わかりました。で、そのっていうのは?」




・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・


【???視点】


「やばっ!!」


甲高い機械的な合成音声で目を覚ました。

私は『接近反応!!』という文字で赤く染まっているモニターに目を通し状況を確認すると、とりあえずうるさいサイレンの音を止めてキーボードを叩き対処を始める。

だけど今回は相手が悪いわけで、


「まずい、このままじゃ二番ゲートも突破されちゃう!!こうなったら……」


そう呟くと今度はキーボードから

そして目を瞑ると、能力を発動する。


「(最初の門三つは突破された……この建物の構造から位置を計算……そして緊急時の防火シャッターで対象を封じ込める!!よし、監視カメラを見る限りはかかって・・・って、何こじ開けてんの!!ってかよくみればあいつじゃん!!ヤバイヤバイ、あと20メートルじゃん!!こうなったら自分の力で、ドアを締めるしかないのか!!クッソ、届け!私の手!あとちょーー)」


ガチャ


「何やってるんですか?」


「クッソぉぉぉぉぉぉ!!」


間に合わなかった……

この部屋私の楽園によりにもよってあいつを入れてしまうとは……!!


「もう、一人で引きこもりたいからって理由だけで防火シャッターや能力使うとか、何やってるんですか姫夏ひめかさん。てゆうか、であるあなたが呼んだんでしょ?」


「ちげぇよ!私は情報をちゃんとデータとして送ったって言ったんだ!!」


「あれ?お父さんは今からいけって言ったんだけど?」


「あの機械音痴の序列一位様の言うこと、特に情報に関しては聞いてるだけ無駄だぞ!」


こんな状況だけど一応脳内自己紹介(誰得?)。

『MTB』情報部部長。姫夏伊好ひめかいすき神藤とはいろいろ腐れ縁な感じ。

好きなもの『機械』 嫌いなもの『神藤』




いや、ホント誰得だよ。






能力メモ

・姫夏伊好『能力名:電脳同化』

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