第7話 ちょうえつ
槙侍はヒダカを覆っていた結界を解くためアマギサンにいる青い巨人ことハームトンドと対立した。ハームトンドが抱く疑問を槙侍は背負い、再びヒダカに行き着く。
槙侍と愛里沙は無事ヒダカの中に入ることが出来たが、中の魔物は非常に強く、苦戦していた。それでも槙侍は必死に奥へと進む。どこかにあるであろう土のアミュレットを探すために、槙侍は一時の諦めを許さなかった。しかし、愛里沙の状況を踏まえて休憩を挟んでいた。
「槙侍は強いね。あたしだったら諦めてたかも。」
「誰かがやらなければ成し遂げることは出来ない。道行く先に必ず光はある。いつしか氷の精が言ったように。またハームトンドが抱く疑問を解決しなければ、いずれこの世界は混沌にまみれるだろう。」
「槙侍には光の勇者って役目があるけどあたしは何もないね。何も出来ないし役に立ててない。」
「あそこに置いていけば危険があったかもしれない。どの道人数が多い方が安心するだろう。」
愛里沙は小さくありがとうと呟いた。槙侍と愛里沙は少しずつではあるが仲が深まってきた。宿をとるときが最も話しやすい時間だ。共に安心出来る時間で、二人とも心の安息は十分にできる。
休憩を混じえて夜での活動も増えてきた。槙侍はヒダカの魔物との戦いに慣れてきたが、それでも魔物の実力の方が上だ。魔物は夜になると昼より強くなるらしく、槙侍は夜の魔物の恐ろしさを知る。
魔物は「学ぶ」ことを備えており、槙侍の攻撃を受け、同じ攻撃は通用しなくなる。また魔法に対して耐性をつけてしまう、あるいは耐性が元々ある魔物がいた。
より探索するのが困難になる中、ヒダカを探索して半日たっただろうか、台座なるものを見つけた。
「やった!アミュレットがあるよ!やっと見つけたね。」
愛里沙が1番喜んでいた。しかし、愛里沙はアミュレットの近くに不思議なものがあるのに気づいた。
「これは、結晶か。だが欠けていてわからないな。」
アミュレットの横に水色の結晶が冷たい地面に落ちていた。
「欠けているから集めて何かするのかな。一応持っていこうよ。」
愛里沙はアミュレットと結晶を手にした。槙侍はまだ探索していない場所もあるし、恐らくまだ奥へと続く道があるはずだ。
「アミュレットは手に入れた。他の場所にも行ってみよう。」
槙侍は土のアミュレットの力を試したいのと同時に、結晶の謎を解きたかった。愛里沙は疲れを感じさせずに着いてきた。
槙侍はヒダカの探索を念入りに行い、土のアミュレットは威力を試していた。アミュレットが4つになり、それぞれの魔法の威力が上がっていた。多くのアミュレットを持っていればより共鳴して進化しるらしい。
結晶の謎は未だ解けず、ヒダカ内を探索して既に三日が経とうとしていた。しかし、組み合わせて何かの雫のような形状になる。どうやらあと一個で完成するらしい。ヒダカは上へと続いているため、槙侍は階段で上を目指すが、次第にアミュレットが祀られていた台座とは少し違う台座を見つけた。
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