第13話
「う~ん。。。コレでいいか。」
ペンギンさんも火トカゲさんも着いてきてくれるって言ってたけど、置いてきた。
頼りっきりってのもイヤだし、僕1人でも出来る事を早めに見極めておかないとトラブった時にパニックになりがちだからね。
と言う事で、やってきました。
異世界での定番、冒険者ギルドとやらです。
そこの掲示板に貼り付けてある依頼の中から1つを選ぶ。
《野菜の収穫
半野生のキャベツを10玉収穫
報酬は銅貨20枚》
野菜の収穫で、猪退治より少し安いだけって、お得かも。
この時は、そんな軽い考えで依頼を受けた。
受付の人も特に何を言う訳でもなく、すんなりと受けさせてくれたから、疑問も持たなかった。
依頼書に書いてあった場所は、この温泉町から少しだけ離れた林のそばらしく、そこまでテクテクと歩く。
30~40分程で目的地に着くと、そこは草が生えまくり、キャベツなんて確認出来ない様な場所だった。
「こんな場所にキャベツなんて、あるの?」
独り言を言ってみたけど、やるしかないので、草むらへ入っていく。
足元も確認出来ないし、見通しが悪くて目の前すらハッキリ見えない。
どこにキャベツあるんだよ。
草を踏み分け、進んでくけど全く見当たらない。
そして探す事、数10分。。。
「見付けた。。。。」
なぜ見付からなかったのかと言う程にデカイ球体を発見。
キャベツもデカイ。
スイカよりもデカくて、向こうの世界で見たお化けカボチャみたい。
持てねぇよ。誰が、これを10玉も持てるんだよ。
1玉すら持てそうも。。。。って、持てた。
本当に僕の体は、どうなっちゃったの?
本当に某変身ヒーローみたいに改造人間にされちゃった?
これ、元の世界に戻れねぇやつやんorz
取り敢えず、持って帰るか。
くよくよ悩んでても仕方ないし、前に進むしかないよね。
でも重さ的には、1玉を持てたけど。。。
2玉も持てました。重いけど運べそう。
でも大きさ的には、これ以上持てねぇ。
よしっ、ラノベとかで有りがちな何とかバッグってのに入れちゃうか。
無限収納とかって、異次元に入れて運べたりするんでしょ?
おまけに時間停止してるから、腐ったりもしないって、科学を無視したトンでも性能。
魔法使える時点で、もう現代科学の常識から外れてるんだけどね。
「オープン。」
手をかざして言ってみた。
。。。。。。
。。。
何も起こらない。
まぁ、そうだろうね。
そこまでご都合主義ではないよね。
【データ化して、圧縮収納可能です。
収納しますか?】
久々のグルグルさん。
突然にケータイが話し掛けてくるから、ビビるし。
何か、思ってたのと違うんだけど楽に運べるなら、試してみようかな。キャベツなら、かなりの数が転がってるし。
「じゃあ、キャベツを収納して。」
グルグルさんに向けて言った瞬間に肩に担いでいたキャベツ2玉が消えた。
おぉっ、すげぇ。
「キャベツ2玉出して。」
試しに出してみる事にした。
すると直ぐにキャベツが僕の前に2玉現れた。
出し入れ自由みたい。
「ねぇ、キャパシティは?」
入る容量は、確認しておきたい。
【クラウドストレージで保管する事が可能ですので、現状でも、ほぼ無限だと思われます。】
難しい横文字で答えられた。
クラウドストレージってのは、人んチに倉庫を借りて、そこに荷物を預けるって感じでしょ?
グルグルさんって、どこに繋がってんのよ。
もう、色々考えると疲れるから、突っ込んだり考えるのは止めよう。
気を取り直して、キャベツを次から次へと収納していって、10玉を収穫し終わった。
めちゃ早いし。
これ、運び屋とかしたら、楽して儲かるヤツやん。
お使いクエスト受けまくればよかったな。
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