第12話
「うわ~~。。。すげぇ。」
あまりに驚きすぎると一周回って、テンション落ち着くっていう。。。。
目の前には、巨大な間欠泉。
しかもあちこちから噴き出してる。
あっちで、どんっ。こっちで、どんっ。。
元の世界でも間欠泉なんて、実物を見た事なかったけど、コレは元の世界の間欠泉より規模も数も段違いなんだと思う。
凄い迫力。
でも凄いのは、間欠泉の数や大きさだけじゃなく、間欠泉へ向かって、大きな筒状のモノが延びてる。
いや、間欠泉から筒が延びてるんだな。
まるで巨大な流しそうめん機みたい。
それが、地上まで延びてる。
筒の出所を辿ると、それぞれが建物の中に延びてるから、温泉を引いているんだと思う。
ダイナミックな温泉の引き込み方だな。間欠泉の吹き上がった場所から温泉引いてるし。
【あ~~。お風呂がいっぱいぃ。】
ペンギンさんが、フリッパーをパタパタしながら興奮してる。
【この辺りは、臭うぞ。
こりゃあ、硫黄だな。】
おぉっ、火トカゲさんって脳筋だと思ったけど博識だよね。
まぁ、火山にいた火トカゲさんなんだから、当たり前か。
でも火トカゲさんが居た火山では硫黄の臭いは、あんまりしなかったな。
異世界ならではの景色で興奮するね。これだよ。異世界の醍醐味。
「さぁ、まずは目的の1つ目。」
そう言いつつ、少し歩いた先にある店を覗く。
おぉ、本当にあるよ。
店の中に小さな間欠泉みたいなのがあって、その上に籠が置いてある。
その籠の中には、野菜らしき色とりどりの植物やら卵に肉類。
あっちの世界と同じ?
向こうは蒸気で蒸してたけど、こっちの世界は噴き上げる。。。あっ、蒸気が凄い勢いで噴き出しては止まり、噴き出しては止まりを繰り返してる。
ダイナミックだな。
取り敢えず卵と人参っぽい野菜と饅頭っぽいものを買った。
猪を倒して貰ったお金が、少しだけど残ってたからね。
僕は人参を火トカゲさんは卵をペンギンさんは饅頭をモグモグ。
火トカゲさんなんて、卵を一口で食べちゃうし。一口と言うより一飲み?
ペンギンさんには、僕が千切っては口に振り込み、また千切るを繰り返して食べさせてあげてる。
パサパサしてるっぽいから、喉に詰まらせちゃいそうだから。トカゲさんとは違うのですよ。
僕も人参を齧ってるけど、まるっきり人参。
見た目も味も食感も人参。
ただ、デカイんですけどね。大根みたいな大きさだし。
これ、一人で食べきれないし。
と言う事で、火トカゲさんやペンギンさんの口にも折っては口に放り込みながら、まずは宿屋らしき建物へ向かった。
文字も読める様になったので、宿屋もすぐに見付ける事が出来た。
残った少ないお金全額を支払って、内風呂のある部屋を借りたし。
本当は節約したかったけど、ペンギンさんや火トカゲさんのお陰で稼いだお金だし、共同浴場はペンギンさんがイヤみたいだから、必要経費と言う事で。
流石に畳部屋ではなかったけど、温泉宿って雰囲気で小さな時に親に連れていってもらった頃を思い出した。
人生色々あるもんだ。
異世界で過去を振り返り、感慨深く思い返すんだからね。
内風呂を見るとペンギンさんは、まっしぐら。
それほど大きくはないけど、そのお風呂でプカプカ浮かんでる。
今夜の食事代も明日からの宿代も稼がなきゃいけないから、部屋に着いたばかりだけど出掛けようかな。
「ペンギンさん。僕は、お金稼ぎに行こうかと思ってるんだけど留守番しててくれる?」
ペンギンさんや火トカゲさんが居なきゃ変身出来なさそうだから、討伐系の仕事は受けれなさそう。
効率は悪いだろうけど、僕だけで出来るお使い系の仕事を受けようと思って言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます