第8話

『えっ。。。とぉ。。。。。』

ズルズルと猪を引き摺ってギルドとやらに来たら、職員さんが、若干引いてらっしゃる。


「あれっ?買い取ってくれるって聞いたから持ってきたんですけど。」

もう血は出てないし、そんなに獣臭くもないから建物の中にまで持ってきたけど、それがマズかったのか?

確かに誰も獲物を持ち込んでない。

やっちまったぁぁぁぁ。

恥ずかしくて、顔が熱い。帰りたくなってきた。


『いえ、まぁ、そうなんですが。。。』

軽く説明してもらった。


ツッコミ処が満載だったみたいで

・このデカさの猪6頭を一人で狩れる人は、なかなか居ない。

・デカい猪6頭を引き摺って持ってこれる人って、そうそう居ない。(力持ちさんですね。)

・一頭丸ごとで買い取りな場合は、買い取り場所があるので、そちらに持っていくのが普通。


パッと出てくるのは、この辺りらしい。

まぁ、色々な意味で常識はずれだったと言う事ですね。


猪を倒せたのは、変身能力のおかげだけど、猪6頭を引き摺ってきた力の理由は不明です。

確かに僕の中の常識と照らし合わせてもバカ力だよ。

何故に力持ちになってんだろ?

。。。。


まぁ、いっか。ファンタジー世界なんだし。もう、深く考えんの止めた。考えても僕には理解出来ないし、ご都合主義万歳です。\(^-^)/



倒した猪も無事に買い取ってもらえたし、農夫さんからの成功報酬も貰えたから、お金はゲット出来ました。

これで数日は、食べるに困らないはず。出来れば安全な場所で眠りたい。贅沢言えば、布団の上で寝たいのです。

異世界に来てからと言うもの野宿と藁の上でしか寝ていない。まだコッチに来てから数日だけどね。


ギルドから出て、塀に囲まれた町をウロウロしてみる。

それなりに人もいるし、飲食店に雑貨屋、衣料品店もある。異世界独特な武器防具屋なんてのもあるし。

面白いのは、ゲームやラノベの知識と差異が、ほぼない。

誰か異世界に来て、戻った人が居たんだろうか?と言うレベル。

誰かが元の世界で異世界の知識を広めたんではないだろうか?

面白おかしく異世界の内容を描ければ、儲かりそうだし、僕でもそうするだろうから、理解出来る。

それなら、元の世界に戻れるかも。

でも記憶は、まだ戻らないけど、戻りたいとは思わない。いい暮らししてた訳でもなさそうだし、戻る事を考えながら生活する事もないだろう。

自由気ままに楽して暮らそう。

変身能力さえあれば、衣食住の確保は容易そうだからね。


それから更に少し歩いて、宿を見付けた。

物価とかは分からないけど、稼いだお金で数日分の宿代と食事代が支払えたんだ。

まぁ、よしとしよう。

怠惰な生活が送れるのが確定した訳です。

やりましたな。



部屋に入ってベッドに横になった。

硬いです。。。。

まぁ、安心出来るだけ、マシですね。


【ちょっとぉぉぉ。約束忘れてないわよね?】

ゴロゴロしてたら、ペンギンさんが怒りだした。

痛いから。

フリッパーでペシペシ叩かないで。


【ほらっ、そのっ、汚れたし。。。約束したでしょ?】

今度は、モジモジしだした。

約束?


「あぁっ、お風呂!?」

思い出しました。

変身して、地面を転がった時にお風呂で洗ってあげる約束したね。


宿にはお風呂がなく、町の共同浴場へ向かった。

普通は、こうやって共同浴場で入るのが一般的なんだって。

お風呂の準備って、機械とかないから大変そうだもんね。


【ちょっとぉぉぉ。男湯とか無理よ。無理ぃぃぃ。】

ペンギンさんを抱っこして男湯に行ったら、暴れだした。

乙女なペンギンさんでは、オジサン達との混浴には耐えられないみたい。恥ずかしいだって。誰もペンギンさん見ないし、ペンギンさんって普段から裸と同じじゃ。。。。

まぁ、いっか。

でも、どうすればいいの?

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