第7話

よしっ、やってやるぜ!

気合い充分で構える。

。。。。。


真っ暗で何も見えない。

そして、暗闇の中に何個もの光るモノ。

物凄く怖いんですけどぉぉぉ。


【どうするの?

私、鳥類だから鳥目だし。見えないのは、当たり前でしょ?】

凄く自信満々な感じでペンギンさんは、言ってる。

間違いございません。確かに。。。。

鳥目って、こんなにも見えないものなのか。もう、目を閉じてても同じなレベルだよ。


『ブモォォォォォォ!!』

うわっ、すけぇ鳴き声。マジ引くわぁ。そして、怖い。泣きそうだ。

調子に乗ってごめんなさい。

でも、倒さなきゃ、ご飯食べれないんですよ。どうしましょ?


【ほらっ、来たわよ。】

ペンギンさんの声で我に返り、前を向くと、目と思わしき緑の光りが近付いてくる。


「うわぁっ。」

距離感掴めないし、猪であろう相手の大きさも分からないから、思いっきり横っ飛び。

勢い余って、地面をゴロゴロと転がる。


【ちょっとぉ。汚れるじゃない。もぅ。】

ペンギンさんの場違いなクレーム。


「後で、ちゃんとお風呂入れてあげるから。」

独り言の様に言うとペンギンさん黙った。

何?何なの?無言は無言で怖いんですけど。


取りあえず、ペンギンさんよりも目の前の脅威を何とかしなきゃ。

何にも思い付かないんですけど。


【。。。。ライトをオンします。】

この声って。。。。グルグルさん?

そう言えば、聖霊と同期だか何だかって言ってたね。

困ってたから助けてくれたのかな?


おでこの辺りから、仄かな光りが灯ってる。

まさに携帯電話のライト位ですかね。

無いよりは。って程度なんです。

どうしましょ?


「グルグルさん。もうちょっと何とかなりません?」

思いきって問い掛けてみる。


【暗視カメラモードがあります。】

おぉっ、ぐるぐるさんが答えた。

でも、そんな便利な機能あるなら、ライトの前に使って欲しかった。

グルグルさんって、割りと天然系?


こうしている間も猪を避ける為に、あっちこっちと飛び回って転がり回ってるんですから。

まぁ、口には出さないけど。


急にパッと明るくなった様に感じた。

どうやら、暗視カメラを起動させてくれたみたい。

よしっ、いけるぜっ!


そして、6頭いたデカい猪をアッサリ狩りました。

最大の敵は、暗闇だったと言う。。。。orz


変身を解いて、農夫のオジサンの家に。

でも、家は真っ暗。もう寝てるみたい。

夜は寝るもんだし、当たり前だよね。

今から宿は取れなさそうだし、今夜も野宿決定だな。



『おいっ、大丈夫か?』

声がして、ゆっくりと目を開ける。


『おぉっ、生きてた。』

失礼なオッサンだな。

身体を起こして、周りを見回す。

きったない小屋。。。

あぁ、思い出した。ここファンタジー世界なんだった。しかも農夫さんの農業小屋で夜を明かしたんだったよ。

まだ、馴染んでないな。当たり前だよ。

いきなり異世界なんだから。暫くは、要注意案件だね。


『おいっ、ぼ~っとして、大丈夫か?』

考え込んでたみたいで、農夫さんに心配されまくり。


「はいっ、大丈夫ですよ。猪は、狩りました。」

藁に埋もれて寝てたから、藁を払いながら立ち上がって言う。


『見たでよぉ、どえらいもんだな。』

連れ立って外を見に行くと、どデカい猪が何頭も倒れてた。

あとは、簡単。

報酬を貰って、冒険者カード《ドッグタグ》に触れてもらう。

任務完了の意思を込めて、冒険者カード《ドッグタグ》に触ってもらう事で、ギルドでも了解のサインとなるらしい。ご都合主義のファンタジーですな。

ぶっ倒した猪にロープを付けて、引き摺ってくのも忘れない。

売れるらしいんだよね。この猪。

さぁ、とっとと帰って、活動資金をいただきましょう。





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