第2話

唐突に異世界がどうとか、神様です。だとか、望みを叶えるとか言われても分からん。

このギャル神様め。。。

あれっ?神様だって事だけは何故か疑い様がない事実として、僕の中にある。

これは認めざるを得ないと言う事か。

だとすれば急がないと、時間切れ~。とか言って、何の特典もなしに異世界に来た事になってしまう。

でも、突然過ぎるし、何の情報もない。

何を望めばいいんだよ。


【ほらっ、早くして。先輩に飲み会誘われてるから。早く行かないと怖いんだからね。】

ギャル神様にも先輩いるんだ。

と、そんな事は置いといて。。。。よしっ。


「変身ヒーローになりたい!!」

真っ暗な草原で、右手を突き上げ、天を指差し高らかに願った。


【子供じゃん。】

その言葉を最後にギャル神様からのお言葉は、聞こえなくなってしまった。

これっ、やっちゃったヤツ?

もうお手上げと言わんばかりの姿で草原に寝転がる。





無事に夜を明かせたけど、相変わらずの景色。

これ、詰んだやん。

無理ゲーだわ。


気を失う様に寝て、起きたら明るくなってたから試したよ。。。。変身。

でも、思い出したくない。黒歴史と言うヤツだと思う。

誰も見てないはずなのに恥ずかしすぎる。

ドヤ顔しながら、ヒーローモノの定番っぽい変身ポーズしちゃったんですもん。

でも何も起こらないって。

ギャル神様、僕を見放したぁぁぁ。


途方に暮れて自暴自棄になりつつも、じっとしてる事すら出来なくてトボトボと歩いてます。

景色は相変わらず何も変わらないけど。


【ちょぉぉぉとぉぉぉぉ。】

んん?来た?!

来たぁぁぁぁぁぁ。ギャル神様?


【聞こえてるんなら返事しなさいよ。】

あれっ?何か違う気がする。


【こっち。こっち。】

何となく声のする方に向くと。。。。


【じっとしてないから、捜したじゃない?

何の目印もないし、苦労したんだからね。】

フリッパーをフリフリしながら、話すペンギンさんが、そこに居た。


「あのさぁ、ペンギンの知り合い居ないと思うんだよね。人違いだと思います。さよなら。」

話すペンギンなんて、幻覚まで見る様になっちゃいました。末期です。


【せっかく来てあげたのに何、その態度。

失礼しちゃうわね。】

どうやら、ペンギンさんはご立腹のご様子です。


「僕は、呼んだ覚えないよ。本当に人違いじゃない?」

幻覚でも幻聴でもいいや。孤独に耐えられない。

ペンギンさんと会話する事に。


【神様から言われたの。その辺を彷徨うろついている人間がいるから、その人間に力を貸してあげなさい。って。】

ギャル神様の事かな?

ペンギンさんもギャル神様に会ったんだ。でも僕が欲しかったのは、変身ヒーローの力なのに何でペンギンさん?

力が及ぶ範囲でって言ってたから、変身能力じゃなく、ペンギンさんにお供を頼んだって事かな?

1人で寂しかったし、力は一旦置いとくか。

僕の足元をペタペタと歩き回るペンギンさんを抱っこする。

歩幅が違うからね。抱っこしなきゃ移動速度が違い過ぎて進まないから。


【きゃっ。ちょっ。。。ちょっとぉ、急に何すんのよ。レディに失礼でしょ。】

最初はジタバタしてたペンギンさんもすぐに大人しく抱っこされてる。


「よろしくね。ペンギンさん。」

フリッパーの下に手を差し入れて、目線の高さまで抱き上げてから、改めて挨拶をした。

挨拶は大事だからね。


【こっ、こちらこそ、よろしく。】

大人しくなったペンギンさんを抱っこしながら、宛もなくトボトボ。


「ねぇ、ペンギンさん。

お腹減ったよ。喉乾いたよぉ。」

ギャル神様曰く、異世界だと言うココに来てからと言うもの何も食べとらんですよ。

かれこれ、1日位になろうかとしてます。

お腹減っただけなら、まだ少しは我慢出来るけど、水分を摂らないとヤバい。

そろそろ干からびる。


【私って、風の聖霊だから、水とか出せないわよ。残念でした~~。】

何やら嬉しそうにペンギンさんは言うけどさぁ。。。


【あぁっ、もうっ!乾燥しちゃうじゃない!】

すぐにペンギンさんもイライラし始めた。

ペンギンだからね。

僕以上にお水必要でしょ。





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