第5話 藤枝雅

HRが終わり休み時間になったので、

後ろの席の藤枝に話しかけて見ることにした。


「席も近いしこれからよろしくね藤枝さん」


「ええ、よろしく

申し訳ないのだけれど貴方の名前を教えてもらってもいいかしら」


スマホをいじりながら藤枝が答える。


「いや昨日喋ったじゃん。

軽くだけど…」


ふと昨日の夜の夢か現実かわからない光景を思い出す。

昨夜は調子に乗りすぎてしまった。

恥ずかしくて藤枝さんを直視できない。


「貴方と会話したのは覚えているけれど

名前を聞いた覚えはないわ」


「確かに名乗ってなかったかもしれない…

俺は小野…小野一希改めてよろしく」


「小野くんね、覚えたわよろしく」

あまり興味なそうな感じで藤枝が答える。


「私は貴方に名前を名乗った覚えはないけれどどうして知っているのかしら

もしかしてストーカ?」


首を傾げながらさらっと罵倒される。


「ストーカーって…ストーカーは流石に酷いだろ…

藤枝さん入学式で挨拶してたでしょ。

それで名前知ったんだよ」


顔を直視出来ず、若干きょどっていたので

キモがられてしまったのだろうか。

それにしても綺麗な顔をしている。

目がつり目で少し怖そうな印象だが、

またそれがいい。

体も昨日見たものと同じで綺麗なんだろうな。


「そう、確かにほんの少しだけ言い過ぎてしまったかもしれないわね。ごめんなさい。

でも貴方が私のことを舐めますように見つめるのがいけないのよ。」


「見てないわ、口が悪いなぁ藤枝さん」

一瞬ドキッとしながら答える。


キーンコーンキーンコーン


授業の予鈴がなる。


「授業が始まるわ」

藤枝が机から教科書を出し準備を始めた。


それにならい俺も授業の準備を始める。

話の流れが悪くなったことだし切り上げることにした。


……







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