第3話 夢ならばどれほど良かったでしょう。

午前6時 アラームがなる。

アラームを止めるがベットからは抜け出せない。

私は朝が苦手なのだ。

あと5分だけと心の中で呟いたその時、


「雅早く起きなさ〜い」

母が私を起こしに部屋に入ってきた。

母も私が朝に弱いことは当然のことながら知っているので、問答無用で布団剥ぎ取られる。


「さむい〜」

4月上旬であるため朝はそこそこ寒い。

布団を返してもらおうと空中で手をバタバタさせるが、母が固まっている。


どうしたのだろうか。

いつものなら小言を言いながら布団をくれるのに。


母は布団を足元に起き、

「早く支度なさい」

とリビングへ向かった。


「????」

「今日のお母さん変なの支度しよ」

制服を着る前にまずパジャマを脱ごうとする。


既に脱げていた。

黒ブラも一緒に。

上裸だった。


「あれ」

おかしいなと思いつつ、次はズボンに手をかけようとするが、こちらも脱げていた。

半分だけ。

業界用語で言うなら半脱ぎ。


つまりだ。

私の今の格好は上半身裸、下半身半脱ぎ。

これじゃあ私が夜な夜なGをしていて寝落ちしたみたいではないか。

そんなことありえない。


昨日は入学式の新入生代表挨拶で緊張もあり疲れってしまったので、すぐ寝たはずだ…


だが、お母さん視点で考えるとそれ以外考えられない訳で…


「やだ死にたい…」






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