山のおもちゃ

坂本 ゆうこ

山のおもちゃ

 電車に乗り込んでから3時間が過ぎた。左右に広がる深緑の山が時おり赤や茶に染まる以外、変わらない景色が眠気を誘い、杉山君はまどろみの中にいた。彼は今日から二週間、伯父の家に住みこみでアルバイトをしに行くのである。キャリーケースとリュックサックを自分の隣に寝かせている。電車が一度大きく揺れた。杉山君が目を覚ますと、さっきまでむこうの席に座っていた爺さんが消え、車両には杉山君しかいなかった。あるいは、この電車に杉山君しか乗っていないのかもしれない。

杉山君は少し前に大学に休学届を提出していた。精神がおかしくなったのではない。専攻する分野への興味が、ある日ぷつりと切れてしまったのだ。引きこもっていてはいけないと判断した両親が、伯父に連絡を取った。伯父は親戚の中で一番山奥に住んでいた。大自然で杉山君のやる気を引き戻そうという計画である。小学生以来伯父と会っていなかった杉山君は最初こそ渋っていたが、お給料が出ると聞くと二つ返事で了承した。実家からの仕送りを止められた杉山君は好条件のアルバイトのためなら山奥でもどこでもすっ飛んでいくのである。

伯父の家は、電車を降りバスを三本乗り換え、三十分歩いたところにあった。半分山の中に入っていて、杉山君のキャリーケースは傷がつき、彼自身は汗で濡れネズミである。

「ごめんくださあい」

鍵が開いていたので入ると、玄関に紙が置いてある。


『いらっしゃい。おじさんは裏の山にいます。

  疲れたろうから、好きにくつろいでいてね。冷蔵庫に、麦茶が冷やしてあります。後で家の中を案内するけれど、探索していてもいいですよ。迷子になるといけないので、山には入らないように。

                  おじさん 』


時計を見ると三時を回っている。杉山君は荷物を適当においてキッチンを探すことにした。

 幼い頃、伯父の家に来たことがあったが、あまり懐かしく感じなかった。もしかしたら、来ていないうちにリフォームしたのかもしれない。

 キッチンは家の奥にあった。裏口からも入れるらしい。冷蔵庫を開け麦茶をつかむとひんやりとしていて気持ちがよかった。山奥だからと厚着をしてきた杉山君には冷たい飲み物がありがたく感じられた。

 喉が潤ってしまうと途端にすることがない。家の中の探索は、小心者の杉山君には厳しい。仕方なく荷物を置いた部屋に戻ったが、仏壇と神棚があるし、秒針の音しか聞こえないし、襖の上が透かし彫りで、隣の部屋の暗闇が隙間から漏れていて怖い。来るとき散々眠ったから、今から眠れるとは思わなかったが、とりあえず仰向きに寝転がっている。見上げると、天井に絵が飾られていた。奇怪で何の絵か分からない。よく見ようと集中した時、襖が開いた。伯父が立っている。

「やあ。よく来たね杉山君。歓迎するよ」

握った伯父の手は土で汚れていて、冷たかった。

「お世話になります。伯父さん久しぶり」

「ああ。益々母親に似てきたな。さあ、家の中を案内しよう」

杉山君の緊張をほぐすためか、伯父は案内中に沢山の思い出話をした。そのほとんどを杉山君は覚えていなかったが、久しぶりに会ったことの気恥ずかしさはいつの間にか感じなくなっていた。

 夕飯に伯父特製の天丼を食べ風呂に入ってしまうと途端に暇になった。オンラインゲームをしようとしたが、圏外であった。伯父は風呂に入っている。湯船にはなみなみとお湯が張られていて、ネットに包まれた柑橘類の皮が浮かんでいて心地よかった事を思い出した。一人暮らしの時シャワーで済ませていた杉山君にとって極楽であった。二週間もこの家にお世話になれてなおかつお給料ももらえることが嬉しくて、杉山君は写真を沢山撮ることにした。伯父の家は廊下とキッチンは板張りであるものの、それ以外の部屋は全て畳張りで、この二週間は友人に自慢できると思ったのであった。

(そういえば肝心のアルバイトの内容を訊いていなかったな……)

伯父が呼ぶ声がした。杉山君が居間から顔を出してそちらを見ると、マグカップを手にした伯父がいた。

「仏壇から好きなお菓子持ってキッチンにね。紅茶でも飲もう」

 キッチンでは、やかんが鳴いていた。

「お、かりんとう饅頭か。おいしいよね。そこ座って待っていて」

 椅子に腰かけ伯父の背中を眺める。身長は父親の方が高いが、背中は伯父の方が大きいようだ。

「はい、どうぞ」

 紅茶は蜂蜜レモンのような色をしているが、香りは草に近い。

「カモミールだけど…飲めるかな。砂糖ミルク蜂蜜あるから、無理だったら入れて」

少し口に含み舌で転がしてみたが味がない。ミルクと砂糖を入れた。伯父は何も入れずそのまま飲んでいる。スプーンでかき混ぜるとミルクが広がってカップの底が見えなくなった。

「さて、アルバイトの内容だけれど」

饅頭に伸ばした手をひっこめ背筋を伸ばす。伯父からホチキス留めをした薄い書類を受け取る。

「裏山があるのは来た時に説明したよね。そこに印をつけてほしい」

「伯父さん。ここにある道具欄の、メジャーとか赤い紐持って来てないけど…」

「それは明日の朝リュックに詰めて渡すから大丈夫。印のつけ方だけどね、一つ目の木、これも明日教えよう。その一つ目の木に赤い紐を切って結んでね、それから山の頂上へ向かって歩いていくんだ。200m進むごとに、これはメジャーでしっかり測ってくれよ、はじめと同じように近くの木に赤い紐で印をつける。それを延々と続けるんだ。何時からでもいいが、暗くなって危ないから、十七時には必ず伯父さんの家に着くこと。早く始めればその分その日の給料は上がるが、あまり早い時間だと霧が出ているかもしれない。その時は危険だから霧が晴れるまでは我慢してくれ」

「うん。昼ごはんはどうすればいいかな」

「戻って家で食べてもいいし、何か作って持っていって山で食べてもいい。一日のノルマはないから、自分のペースで進めてほしい」

伯父作成の書類は分かりやすい。時給は1500円で出退勤は基本的に家にいる伯父に一言いえば管理してくれる…けがをしたら知らせること…

「何か質問はあるかい」

今のところ特に思い浮かばない。首を左右に振りノーを示す。

「伯父さん。改めて二週間よろしくお願いします」

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

お互いに座った姿勢でお辞儀をする。この人は、伯父で、雇い主だ。

「堅い話はやめて、お茶の続きをしよう。少し冷めてしまったね」

伯父が饅頭を口に含む。確かにミルクティーは温くなっていた。

「ごくごく飲めていいです」

「うまいね」

一拍置いて伯父が言った。杉山君も饅頭を手に取る。かりんとうと餡子が優しい甘さで、明日から頑張ろうと思えた。

 次の日の午前9時、伯父にやり方を教わった杉山君は山に入っていった。話し相手もいないので黙々と作業をする。印をつけた木の根元にメジャーを置き、歩きながら伸ばしていく。200mになったら近くの木にまた印をつけメジャーを取るため山を少し下る。そうして印の木まで山を登りメジャーを置く。メジャーを取るためにかがんだり、山を上り下りしたり、結構大変な作業だ。伯父にはきついのかもしれない。

 時計の針が頂点に向くころ、杉山君は下山した。印があるからまっすぐ家に着いた。キッチンからいい匂いがしていて、覗くと伯父が味噌汁をよそっていた。

「ただいま」

「おかえり。一緒に食べるかい」

頷き洗面所に向かう。手を洗うとき石鹸の泡が茶色くなって、昨日握手した伯父の手を思い出した。

三日目、これまでよりも早く出発した。印のある場所までは登山なのだ。当然のことだがその距離は印付けを頑張れば頑張るほど伸びる。

しばらく登っていて、前方に印がなくなっている事に気がついた。登りすぎたらしい。振り返ると後方にも印はない。杉山君は早歩きで山を下った。

歩けども歩けども赤い紐は見当たらないし、もちろん伯父の家も見えない。いつの間にそんなに登っていたのか。あるいは斜めに下っていて一直線に並んだ赤い印からどんどん遠ざかっているのだろうか。しばらく無言で山を下りていた杉山君は、突然うずくまってしまった。

(まったく分からない。どうしよう。携帯は電波がないからゴミだし家に置いてきた。迷ったときどうするか伯父さんに聞いていればよかった。とにかく山を抜けなくちゃいけないんだ)

その時、竹を割るような声が聞こえた。顔を上げ辺りを見回すと、右の方から何かが歩いて来る。キジである。キジの行列である。行列は杉山君の前を過ぎ、山の奥へと進んでいく。一番後ろのキジが振り返ると杉山君は立ち上がりふらふらと行列に加わった。

一行は緩やかに山を登っていった。誰も無言である。朝から歩き通しの杉山君は暑さに上着を脱いでいる。秋の山は木が密集していると日光が遮られとても寒い。今歩いている場所には日が差し込んでいる。そこからしばらく先に、大きな沼が現れた。水面は日光を飲み込んでしまったかのようにひどく淀み汚い。行列が高く三度鳴くと、沼の水面が揺れ始めた。不思議に思い杉山君が覗き込むと、何かが姿を現した。それが勢いよく跳ね上がったせいで、沼の水をたっぷりかぶってしまった。下水の匂いが鼻から入って胃の中にたっぷり広がった。杉山君は咳き込んだ。巨大なそれは山椒魚に似た形をしていて、皮膚全体がぬめっている。大きく口を開け、行列を見ている。歯はないようだ。先頭のキジが、その口に飛び込んだ。一羽ずつ、きちんと順番で飛び込んでいく。水生生物はおとなしく口を開いている。杉山君の順番が近づいて来た。口の中は真っ暗で何も見えない。深呼吸をして、飛び込んだ。

頬に小さな虫が留まり杉山君は目を覚ました。風が吹いている。上体を起こし見渡すと大草原である。ぽかぽかとした温かさに杉山君はセーターを脱いだ。姿は見えないが、どこからかキジの鳴く声がする。

(そうだ。バイトしなくちゃ。森に帰らないと)

アルバイトの途中であったことを思い出した杉山君は立ち上がり、リュックサックを背負った。とにかく森に戻り印を見つけて伯父の家に帰らなければならない。

(昼飯食べてないな…何時間たったんだ)

腹が減っているわけではないが、相当な時間がたっているはずである。腕時計を見ると、文字盤にあるはずの針がない。

(もしかしたら、いやそんなことはあり得ないけれど、これは森で寝てしまった僕の夢なんじゃないだろうか。この文字盤もあの巨大生物もキジの行列も。あるいは印を見失って迷ってしまった事も何もかもが夢で本当の僕は伯父さんの家で寝ていて…まてよ伯父さんの家に来たことすら夢で…)

空が揺れている。杉山君の背後に空色の手が二本、伸びてきた。手は糸のように細く長く、空まで続いている。

(考えていても意味がない)

もう少しで杉山君に触れそうだった手は空に戻り、揺らぎも消えてしまった。杉山君は伯父の家に戻る道を探すため一歩踏み出した。

草原に踏み出したはずの右足が地面に着かない。見ると泥に引きずり込まれている。急いで右足を引き一歩後退すると、そこも泥である。

(泥じゃない、沼だ)

両足が引きずり込まれてはどうしようもない。杉山君はゆっくりと沼に飲まれていった。

落ちたところは雪の上であった。あまりの寒さにセーターと上着を羽織る。暗くて着るのに手間取ってしまう。状況を確認するため辺りを見渡すと、下の方に明かりが見える。とりあえず人がいるであろうその明かりまで歩いていこう。立ち上がるために手をついた木に、見覚えのある紐が結んであった。色を判断することはできないが、きっと赤い色をしているのだろう。それならばあの灯りは伯父の家に違いない。杉山君は急ぎ足で山を下りた。

明かりは確かに伯父の家の窓から漏れていた。腕時計を見ると針が戻ってきている。十七時半。夕方五時を過ぎていた。窓を覗き込むとそこはキッチンで、新聞を読んでいる伯父がいた。テーブルの上にはラップをかけられたハンバーグがふたつ置かれている。

「伯父さん」

その瞬間ぱっと顔を上げた伯父と目が合った。

「おかえり。今日は随分頑張ったんだね」

笑顔である。

「玄関からお入り。夕飯にしよう」

夕飯を食べながら、事の顛末を全て伯父に話した。夢だからふわふわした話になるかと思われたが、不思議と詳細を覚えていた。

「わたしも似たような体験をしたことがある」

「え」

「若いころだけれどね。その時は現実だと思っていたが、杉山君からこの話をされるまですっかり忘れていたという事は、あれはやはり夢だったんだろう。同じ夢を見るなんて不思議なこともあるもんだ」

「まあ今の子はゲームで夜更かししがちだからなあ。夜中まで起きているから寝不足で変な夢を見たんだろう」

電波のないこの家でゲームなんてできないし、暇すぎて日付を越える前に眠ってしまうから寝不足ではない。それでも納得することにした。今日は色々ありすぎて疲れている。伯父と再会できただけで満足だった。

「じゃあ昼食は食べていないんだね。よし、伯父さんがもうひとつハンバーグを焼いてあげよう」

疲れていたからか、その日は布団に入ってすぐに寝てしまった。

四日目は迷子防止のために夜間に光る紐を渡された。

 五日目、作業中に川を見つけた。すっかり凍っている。たしか、凍っているのは上澄みだけで、中は流れているらしい。こんな寒い時期に冷えた川を泳ぐ魚なんているのだろうか。

 七日目、車に乗り伯父の運転で小さな商店街に来た。一週間分の食材を買うのだ。魚、精肉、青物…スーパーのない商店街ではそれごとに店が違った。同じ野菜でもあっちの方が安いからと違う店で買ったりする伯父は、普段からここで食材を買っているのだろう。昼飯にラーメンを食べた。メニューが醤油ラーメンと味噌ラーメンしかない小さな店は、伯父の行きつけであるらしく、おばちゃんが味玉をサービスしてくれた。

 それから何事もなく住み込みバイトの生活は続き、十二日目、大雨が降った。土砂崩れの危険性があるためアルバイトは中止になり、家の中で過ごすことになった。この時初めて知ったが、伯父は午前十時におやつを食べる習慣があった。窓から見える山は雪帽子をかぶっている。コーヒーを飲みながら雨音を聴いていると、伯父が封筒をこちらに寄こした。

「これまでの給料だよ。どうもありがとう。お疲れさまでした」

「ありがとうございます。いただきます」

アルバイトは終わった。ここからは伯父と甥である。家の中で伯父と一日過ごすのは初めてである。パソコンを立ち上げた伯父は、仕事をしているようだった。何やらカタカタと操作している。のんびりとした時間が過ぎていった。

 夕飯の時、伯父は杉山君との思い出を語ってくれた。それは、小学生の時伯父の家で一緒に遊んだ話であった。


 「おっと」

柔らかい雪を踏んだ杉山君は、つるりと滑り転んでしまった。頭を打ってしまう前に腕をつかむ。

「大丈夫かい。地面じゃなくて川だったみたいだね」

「川?」

「冬だから凍ってるんだ。雪に隠れていたみたいだ。ごめんね」

「…大丈夫」

杉山君の呼吸が整うのを待つ。泣かない強い子だ。

「落ち着いたみたいだね。今日はもう家に帰ろうか」

「凍った川でスケートできる?」

「できないよ。全部が凍っているわけじゃないんだ。氷のふたがあるだけで、ふたが壊れれば冷たい水に落ちてしまうよ」

「ふーん」

残念そうな杉山君を見て、わたしは赤い紐で自分と杉山君の胴をくくった。

「少しだけなら滑っていいよ。落ちないように伯父さんと繋いでおくからね」

杉山君は岸際を控えめに滑り始めた。左手はわたしのズボンを握り締めていた。腕時計を見るともう十二時近い。家に帰ってクラムチャウダーでも作ろう。

「そろそろ行こうか」

赤い紐をくくりつけたまま、わたしたちは山登りをやめ下山した。


 「結局杉山君が家に遊びに来たのはその年だけだったから川に行ったのはそれが最後だったんだけどね」

伯父の思い出話はあまり面白くないが、一つ気になったことがある。

「川、この前見たよ」

「えっ」

「印をつけている途中で見つけたよ。雪はかぶってなかったけど、凍ってた」

「そうか…」

夕飯には偶然にもクラムチャウダーが作られていた。温かくておいしさが体に染みる。

「伯父さん。正直僕、小学生の時の頃の話はよく覚えていないんだ。でも、この二週間とても充実していたと思う。何もやりたいことなくて、大学も休学した僕を受け入れてくれて、嬉しかった。父さんは山よりいいって都会に出てきたみたいだけど、ここでの暮らしの方がのんびりしていて好きだと思ったよ。もう、実家に帰らずにこ」

「そうか…あと二日だけど、どこか行きたいところはあるかい」

伯父が杉山君の言葉を断ち切った。

「……。伯父さんともう一度登山したいけど…」

「この大雨じゃ土砂崩れの危険があるから無理だな」

「そうだよね」

「釣り堀にでも行こうか」

 十三日目、伯父と釣り堀に来た。伯父の家には釣り道具がないから、現地で借りた。杉山君は釣りをしたことが無かったが、池に投げた釣り糸は直ぐに震えた。引き上げてみると、ぬめりのある茶色のかたまりが付いてきた。

「山椒魚だね」

なんと山椒魚である。五十センチもない。あの沼で見た生物はあり得ないくらい大きかったけれど、本物はこのくらいのものらしい。やはりあれは夢だったのだろう。ちょろちょろ動く手足がかわいい。

「自然に返してあげなさい。迷い込んだんだろう」

杉山君が飛び込んだ生物の口は、釣り堀で売られているワームを飲み込んでいて、本体は釣り糸にぶら下がっている。

「針が刺さっていたら丁寧に外してね」

「うん」

口を開き覗き込むと、体の色に反して白い。真っ暗でも草原でもない。その白の中に、針が刺さっていた。優しく抜くと、赤い点になった。そのまま池の淵に置くと、静かに水面を破り消えていった。

「やっぱり、ずっとここで暮らしたいなあ」

杉山君の言葉を伯父は拾わなかったが、大きな背中が一度震え、なんだか小さくなったように見えた。

 伯父がその後四匹釣ると、もういいだろと言って帰ることにした。杉山君は一匹も釣ることができなかった。帰りの車で伯父は無言であった。ひょっとしてまだ夢の中にいるのではないかという気がした。


 それから二十年が経った。一人の青年がスーツケースを引いて辺りを見回している。

「やあ。よく来たね」

こちらに気づいて足早に近づいて来る。

「伯父さん。お爺さん。久しぶり」

「久しぶり。よろしくね」

伯父と爺さんは微笑み手を伸ばした。握った手は土で汚れ冷たかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

山のおもちゃ 坂本 ゆうこ @skmtyk-a

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ