あとがき
早河シリーズも早いもので第六幕となりました。
第一章冒頭で、なぎさと恵がランチしたお店、〈トラットリア ルナ〉は私の短編恋愛小説【トマトのカッペリーニ、冷たいパスタで。】(通称トマカペ)に登場する青山のイタリアンレストランです。
トマカペ既読の方は、私このお店知ってる!となってくれたのではないでしょうか。覚えていてくれたら嬉しいです🌈
【トマトのカッペリーニ、冷たいパスタで。】はこちら。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890142178
トマカペのあとがきの方では明言は避けましたが、トマカペの作中時期は本作【砂時計】の4ヶ月前、早河シリーズでは第五幕【揚羽蝶】終了後~短編集【夏物語】のepisode2.人魚姫に該当しています。
トマカペの主人公、
そして園美は、早河シリーズの後継シリーズである【ミドエンシリーズ】にも主人公達の日常シーンを彩るサブキャラとして登場しますよ。
早河達の物語の裏側ではトマカペ主人公の園美の物語が動いています。
犯罪組織カオスとは無縁の人達の日常をトマカペと園美の存在で表現したかったんです。同じ世界線でも、犯罪組織カオスが絡んでこないだけでこんなに平和な世界になりますね🍀
本作では犯罪組織カオスの殺し屋、ケルベロスの正体がついに明らかになりました。
ケルベロスの正体に予想がついていた人はどれくらいいるんでしょう……?
まさかお前がケルベロスだったのかっ!と驚いた方、やっぱりお前だったかっ!と予想が当たった方、どちらもいらっしゃると思います。
新キャラの警察庁の阿部警視がケルベロスだと思っていた方がいればそれは私の狙い通りなのでガッツポーズです(^w^)
阿部警視はケルベロスのスケープゴート役として生まれたキャラでしたが思いの外、作者のお気に入りキャラに仕上がってしまいました。笑
ケルベロスのセリフの『人間は殺す人間、殺さない人間、殺される人間と三種類に分けられる』は私が日々思ってることでもあります。この世には犯罪を犯す側、犯さない側がいて、自分はじゃあどちらなのかと自問自答。
ミステリーを書いている時、ミステリーを読んでいる時にふと考えたりもします。
本作の【砂時計】と第四幕の【紫陽花】はなぎさがちゃんとヒロインしていますね。早河メインの話の時にはやっぱりなぎさの存在が光る。
そして早河さんがめちゃくちゃにかっこいいことを全力でお伝えしております。主人公はこうでなくちゃ。
早河さんの命懸けの告白シーンは早河シリーズ全体の構想段階で決めていたシチュエーションです。
早河シリーズはミステリーとサスペンスとラブを混ぜ混ぜしたシリーズなので告白シーンなのに緊迫感漂っちゃってますね。これぞヒーローとヒロインの王道です。
王道展開好き(*´ー`*)
ケルベロスと原、佐藤と三浦。
本作は同一人物の一人二役の
佐藤さんの方は変装していますが、原は素顔でケルベロスとして行動しています。
この技法は文章のみで表現する小説ならではですし、ミステリーの定番トリックでもあります。
叙述トリックが使われている推理小説は実写化不可能なんて言われますね。
たった一言でそれまで自分が思い描いていた作品の世界がひっくり返るくらいの威力があるのがこの叙述トリック。
私もこれまで多くの推理小説を読んで、たった一行、たった一言でどれだけ心臓ドッキリさせられてきたことか。心臓に悪いよね、叙述トリック……。
原昌也としては第一幕【影法師】から登場していますが、ケルベロスとしては第二幕【金平糖】からの登場になります。
原=ケルベロスとわかった上で過去作品を読み返してみるのも面白いですよ✨
クローズドサークル(白昼夢)/誘拐もの警察小説(影法師)/サイコパスみのあるシリアルキラー連続殺人(金平糖)/ハウダニットミステリー(堕天使)/複数犯によるリモートコントロール(紫陽花)/
ミステリーのトリックや描き方のジャンルは沢山ありますが、ここまでで書きたいものはほとんど書けました。
残すは早河とキングの対決のみ。
早河シリーズは次作【最終幕 人形劇】で終わりではありません!人形劇の後に短編集を挟んで【完結編 魔術師】があり、そこが早河シリーズの終着点です。
人形劇は完結編の前の、本編の締めくくりを担っています。フィナーレはもう少し先にお預け。
早河となぎさは無事に結婚できるのか、早河と貴嶋の対決の行方、早河は犯罪組織カオスを潰すことができるのか、本編ラストはどうなるのでしょう?どきどき。
あとがき ーENDー
早河シリーズ第六幕【砂時計】 結恵(yue) @mozukuchan
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