廃棄されるエイリアン
@SabamisoEX
第1話 プロローグ
今日も魚が高い
「あじが1200円?!うそでしょ?」
魚屋中に響くお客の声
数秒の静寂の後、私の口が開く
「ごめんね~これでも張り詰めたんだけどねぇ…」
このお客さんは汗だくで、話を聞くとそこらの魚屋を見て回っているようだ
。
「はぁ…でも…ここが一番安いわ…」
お客は諦めた顔で600円のイワシを
手に取る。
この町は月島っていう港町、2年前は日本一と言っていいほど水揚げ量が多く、港は毎日潤っていた。
しかし…
「2日前の遠征艦隊は、エイリアンの攻撃により、駆逐艦2隻 巡洋艦1隻と多大な被害を受け、死傷者の数は…」
「怖いわねぇ…」
それは2年前、NAWAの探査機、
エウロパクラッパーが木星の衛星から
"地球外生命体"を発見
探査機はそのサンプルを採取、その後
見事地球に帰還したと思ったその時
探査機は日本海上空で爆発
サンプルは幸か不幸か、無傷で海に
落ちこの1年で繁殖してしまった
「おかげでうちも大赤字じゃ」
「明日の朝、日本海軍は艦隊を再編成
再び遠征に…」
ピッ
テレビを消す私
「物騒ですね…」
「しかし嬢ちゃんもよくやるねぇ…」
っとお客さん
「毎朝水揚げしてるんでしょ?大変だねぇ…」
「そんな!慣れれば楽しいもん ですよ」
「それがさぁ…うちの旦那、エイリアンが怖くて、水揚げ出来ないんだ…」
「明日にはこの町をでるよ…」
「そんなぁ!今度はあなたまで!」
「ごめんね、嬢ちゃんも、今後の事を一度考えてみてね」
今後のことかぁ…
廃棄されるエイリアン @SabamisoEX
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