第6話
黒「つい最近まで信じてなかった。」
白「何を?」
黒「不真面目がカッコイイと思い込んでふざけてる馬鹿の存在。そんな思い込みしてる馬鹿はいないと思ってた。」
白「唐突に凄いのくるね。」
黒「だから、そう思ってる馬鹿がいると聞いてもそんなわけないって思ってた。ふざけてる馬鹿の原因がそれではないと、思ってた。でも、違った。」
白「あぁ、そうなんだー。」
黒「真面目がかっこよくない?いいや、そうじゃない。不真面目はカッコイイ?いいや、鬱陶しくてカッコ悪くていない方がマシな無能。」
白「でもさ、それって黒個人の意見でしょ?」
黒「だからとその存在を正当化できるほど、自分の無駄にされた時間はそう安いものじゃない。」
白「凄い恨みもってる言い方。」
黒「時間は有限であること、現在のことは未来の支障となる。邪魔されればそれだけ未来の可能性は削られる。いじめはいい例。いじめなければ自殺しなかった、未来で苦労しなかった、人間を嫌いにならなかった。色々ある。」
白「いじめと関係ないじゃん、今は。」
黒「死ねば明日はない、といえばいいのか?ん?」
白「そこまでいう?他人を否定しすぎなんだよ、黒は。」
黒「お前らも変わらん。自分らにとって不都合な存在を潰そうとするのが人間だろうが。否定し、弾こうとする。それに面白味が伴えば、嫌悪感に乗っかって楽しいだろうなぁ!正しいことを鬱陶しがって、どっちが悪いか!」
白「落ち着いて。」
黒「人が真面目になってやってること、少しのミス、普通のこと、あれこれとネタにしては面白がって笑いながら遊ぶ。楽しいだろうな?それで不登校になっても、それで自殺しても、自分のせいじゃないと。」
白「もしかして死にたいとか思ってる?」
黒「思ってたらなに?どうにかできるとでも思うか?今更手のひら返し、頭下げるか?まぁ、そんなことさえできないような低脳にそんな期待もしないが。」
白「え、いや、その…。」
黒「言い過ぎた。いつもそうだ。短気になった原因を探るべきか。まだまだ子供だな。」
白「黒はさ、嫌いなんだよね?」
黒「白のことを?大嫌い。」
白「それなのに、なんで話すの?」
黒「好き嫌いで話す話さないは決定されない。」
白「なんで?」
黒「話す、という行為が好きだからだと思う。相手がどうあれ、話すという行為にトラウマがなければたとえ大嫌いであっても、話しかけられれば話すし、用がなくてもつい自分から話すこともある。」
白「嫌いでも遊ぶ?」
黒「好き嫌い関係なく、行くのが面倒だと感じれば遊ばない。休日の外出は好まない。」
白「自分に正直だよね。」
黒「嘘つきになりたがってなった結果、正直になりたくなった。ワガママま性格だ。」
白「なんで嘘つきになりたくなったの?」
黒「嘘つきがカッコよく見えた。不真面目がカッコイイというのと同じ感覚なのかもしれない。ただ、それは、苦しかった。嘘は必要ない時にはつかないほうがいい。」
白「黒にも不真面目な時があったってことか。」
黒「そもそも真面目じゃない。課題は面倒ならやらないし、予習は好きな授業だけやる。やりたいことだけやる。そのやりたいことが正しいことと重なった時、真面目に見える。実のところは、やりたいことを妨害してくる人間が邪魔なだけで怒る、ガキってこと。」
白「自分のこと結構考えてるんだね。」
黒「思考するのが楽しいのさ。自由が好きなのに、自由が苦手だ。命令されたいし、ルールに縛られたい。でも、そこから解放されることを待っている。矛盾しながら、結局どうしたいのかわかってない。」
白「なんか、難しく考えすぎなんじゃない?」
黒「それが好きなんじゃない?」
白「変わってるね。」
黒「変わりたいからね。」
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