第4話

白「嫌いな人の相談ものるって聞いたけど、そうなの?」

黒「相談に関しては好き嫌い感情は入れない。最低限の決まりを守って相談に乗る。」

白「最低限の決まりってなに。」

黒「大概の人間が守れていないくせに相談にのってしまうような内容。」

白「最初からディスってくるね。」

黒「ディスりではなく、事実。」

白「それで、内容は?」

黒「相手を否定しないこと。相手に最終的決断をさせること。意見提案などを語る時は相手に参考程度であるということを伝えておくこと。相手の話を聞くことが最優先であって無駄に自分が主張することはしない、求められた場合に発言すること。相手の話に相槌をうつ。下手な同情は無駄に連呼しないこと。相手が触れたくない話を無理に聞き出さないこと、相手によって相談の乗り方を考えなければならない、」

白「待って、長い!」

黒「聞いたクセに。」

白「下手な同情ってなに?」

黒「『あーわかるぅ』『私もー』みたいな軽いやつから、なんでもかんでも全て私もそうであるということを連呼するのは逆効果な場合が多い。」

白「カウンセリングの先生ですか黒は。」

黒「自分が実際に共感しているのであればそう同情していいが、そうではないのならば自分はそうではないが、貴方は頑張っている、大変だっただろうなというような感じでいい。」

白「難し。」

黒「簡単に言えば、適当感やわざとらしさ等を感じさせないよう不愉快感を覚えさせないように相談を乗る時は悩んでいる相手に極力自然な対応を心掛け、配慮しろ、ということ。」

白「へぇ。」

黒「けれどこれが相談者にも気を付けて欲しいことがある。」

白「え?」

黒「相談すれば解決する、というような『○○をすれば、○○になる』という思い込みは捨てて欲しい。」

白「oh......。」

黒「相談したところでどうにもならない、というわけでもないが相談したからといって解決するというわけでもない。相談というのは参考資料を頂く、話すことによって多少楽になる…というものであって別に解決に直結させるような芸当はできない。まぁ、解決することもあるっちゃあるけど。基本的にはそう大きな期待はしない方が後々約立たずだったと感じた時の絶望感などが物凄いから…。」

白「なんか経験者は語るみたいな感じになってるけど。」

黒「基本、誰かに相談することはないが、相談されることは多いから。相談というのは無駄な行為ではない。参考程度もあれば、解決に近づく決断を下す手伝いにもなる。相談者が最も気をつけるべきことは…。」

白「なになに?」

黒「相談相手。」

白「何故に!?」

黒「誰でもいいわけではない。プロに頼むのが一番安全であるし経験が多く色々と便利だ。カウンセリング的な。しかし!身近な人間を相手に選ぶ時は要注意!!」

白「『ここテストに出るぞ』とか言われそうな言い方やめて。」

黒「友人だと相談内容を他言し、結果相談者の状況が悪化する可能性がある。確かに、気軽で喋りやすいだろうが、そこのところの信頼感はしっかり確認しておこう!」

白「テスト対策の授業か。」

黒「両親の場合、軽くあしらわれたり、両親自身の過去話で片付けられたりすることもあり、真剣に悩んで考えてくれてもあまり期待できない!」

白「なんで!?」

黒「相談者の、両親に対する厄介な壁がある。親だから自分のことわかってくれていると思い込めばその時点で危うい。だからきっちり、詳しく話そうね!!」

白「結局身近で一番いいのは?」

黒「相談者次第。悩みの内容によっても喋れない相手というのもあるし、本当に赤の他人のプロの方がいいと思うね。ま、それはそれでまた伝わりきれてなかったらそれだけ収まらないけれども。」

白「面倒くさ。」

黒「まぁ、早い話相談にのってやる側が気を付けてやりゃいいんだけどね。でもそういう人この学校では期待できないんだなこれが。」

白「またディスってくるー。」

黒「どうせ人の話聞き流してるでしょうが。あと、事実。そういうのも相談のってやるときダメだから。」

白「でも、なんか黒の謎の安心感が見えてきた。」

黒「あ、そう。」

白「反応冷た!」

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