第339話 魔力0の大賢者は全校集会を終える
王国では冒険者登録されていたけど、この魔法学園都市でどうかはわからないけどね。
どちらにしても、もし冒険者として活動することがあるとしても学園の定めたルールに則ってやろうとは思うけどね。
「一部のクラスには血の気が多い生徒がいるようだからな。見習いとはいえ冒険者として活動出来るようになったら存分に力を発揮すると良いだろう。もっともやりすぎて迷惑を掛けられては困るがな」
周囲がドッと湧いた。今の話は僕たちに対しての皮肉が籠もっている気がしたよ。
「何だか馬鹿にされてる気がして気分が悪いね」
「うむ……」
ドクトルとガロンも顔を曇らせていた。他の皆も似たような気持ちだと思う。
「フンッ。だったらしっかり冒険者の仕事ってのをこなして見返してやればいいだけだろうが」
「あらアズールにしてはいいこと言うじゃない」
「うん。アズールにしてはね」
「玉にはいいことを言うものだな」
「よしわかった喧嘩をうってるんだな」
「まぁまぁ」
皆が言いたいことを言った結果、アズールがムッとしていたけど抑えて貰ったよ。
「――これにて今回の全校集会は終了とする。後輩にあたる特別学区の生徒も含めて今後も向上心を持って取り組んでくれたまえ」
こうしてリカルドの挨拶で締めくくられ全校集会は幕を閉じた。クラスごとに会場を後にする。一年でZクラスの僕たちは最後となった。
「先生これからどうするんですか?」
「あん。適当に戻るぞ」
メドーサに聞かれイロリ先生が答えた。確かに午前中の授業があるだろうから旧校舎に戻るしかないよね。
「先生。それなら食堂にお昼を買いに行っていいですか?」
リミットがお腹を押さえて質問した。まだお昼には早いから旧校舎に持ち帰ろうという考えなようだね。
「――だったらお前らは勝手に戻ってこい。面倒事は起こすなよ」
そう言い残してイロリ先生が先に戻ってしまったよ。僕たちだけ残されたわけだけどね。
「あの先生協調性なさすぎない?」
そう言ってメドーサが目を細めた。
「本来ならすぐに戻るべきだとお答えします。私も先に戻りますと考えを述べます」
「えぇ! メイちゃん一緒に買いにいかないの?」
「私には関係ないことですからとお答えします」
「……私も戻る」
そしてメイリアとシアンも先に帰ってしまったよ。
「付き合いわるいわね」
「まぁ本来なら戻るのが正しいのだろうけどな」
不満そうなメドーサにガロンが指摘していた。
「でも、買い物していいなら私もシグルとメーテルの食事を購入しておきたいです」
「許可はもらったからね。それにまだ休み時間だから今のうちに購入しておくのがいいかもね」
アニマがシグルとメーテルを撫でながら買い物を希望した。ドクトルも言っているけど休み時間ではあるからね。
「じゃあ急いで食べ物を確保しよう!」
リミットが声を上げて皆で食堂に向かうことになったんだけど、この気配――
「ごめん。その前に僕お手洗いに行ってくるよ。皆先に行ってていいから」
「おう。何だクソか?」
「アズールあんた本当にデリカシーがないわね」
「あはは……」
そして皆と別れてから僕はさっきから僕たちに向けて殺気を放ってる相手の下へ向かった。
「一体どういうつもりですか? 先輩」
「ハハハッ。やっぱり気づいたか。流石だなぁ後輩」
そこにいたのは遊園地でも会ったキャノンだった。どうやら僕が気づくのを想定して殺気を向けていたようだね。一体何の目的があるのか――
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