第287話 魔力0の大賢者、皆と行き先を決める
アイラが言っていた魔導遊園地が気になりはしたけど、とりあえず午前中は思い思いの場所を見て回ることになった。
「せっかくなので僕は杖でも見てこようと思います」
ネガメが言った。杖か――魔法使いと杖は切っても切れない関係とも聞く。なくても魔法は使えるんだけど杖があると魔法が安定するらしいんだよね。
杖によっては魔法の効果も上がるからあって損は無いとか。
まぁ僕には関係ないのだけど――
「そういえば今後授業でも杖を使うことあるから可能なら買っておいた方がいいって話だったかな」
ネガメについでモブマンが言った。そんな話があったんだ。
「そんな話イロリ先生は言ってなかったよな」
「あの先生そういうところ適当よね」
アズールとメドーサが言った。確かにイロリ先生からは聞いてなかったけど何か理由があったのかな?
「杖は無くても借りられる。自分にあった杖をもっておくのもいいけど最初から杖に頼りすぎるのも良くないという先生もいる」
「それはありえますね!」
「ちゅ~!」
アイラの話にアリエルが同調した。ファンファンもバンザイするようにして反応しているね。
そこは先生によって考え方が異なるということかな。イロリ先生は無理して用意する必要はないと考えたのかも。
「ビロスは邪魔だしいらないかな~」
ビロスは杖を煩わしいと考えているみたい。バトルホーネットから進化したビロスは魔法を本能的に使用するからね。
杖がなくても自然と安定するから必要ないと思うのもわかる気がする。
「僕も杖は使わないかな」
「俺も今のところはな……」
「わ、私は見てみようかな」
「私はパス。杖ごと石化するから意味ないし」
ドクトルとガロン、メドーサは杖は必要ないみたい。アニマは杖に興味わいたみたいだ。
「俺は杖見に行くけどマゼルはどうする?」
「え? 僕?」
アズールに聞かれたけど、僕のは物理だから別に杖は必要ないんだよね。
「大賢者のマゼルなら杖は必要ないと思うけど――私に合うの選んでくれたら嬉しい」
「それなら私もいきます!」
「え? でも姫様は普通の杖では……」
「クイスしっ!」
えっと答えてないけど何かもう僕も一緒に見に行く前提になってしまった。
イスナも一緒に杖を見に行くみたいだね。クイスは何かいいたげだけど――
「リミットも杖はあったほうがいいんじゃないか?」
「え? 私?」
アズールに言われてリミットがキョトンっとした顔を見せた。
「何かお前魔法使ったらすぐ気絶してるじゃん。杖あったほうが制御出来るんじゃないか?」
「あぁ、うん……」
更にアズールの質問が重なりリミットが目をそらしたよ。
「じゃあ後で――」
結局僕たちは杖を見に行く面々とその他の面々で分かれた。
結構杖を見に行くメンバーが多くなってはいるけどね。
とりあえず一旦全員で魔導列車に乗って商店街近くまで行った。そこから杖専門店に向かったわけだけど――
「お兄様!」
「あれ? ラーサ?」
杖の店近くで妹のラーサと再会出来たよ。そうかラーサも休みで出ていたんだね。
そしてラーサ以外にもあの時助けたラーサの友達の姿もあった。何だか賑やかになってきたね――
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