第259話 魔力0の大賢者、テストが終わり本校舎へ?
「せ、先生! つまり俺は土下座しなくても退学の心配はないってことかよ!」
「そもそも土下座なんてされても迷惑だ。事前にも行っていた通り平均点より上なら条件は達成している。面倒だから何度も言わせるな」
アズールが食い気味にイロリ先生に確認するが答えは変わらなかったね。そうこれでZクラスは全員平均点以上の点数を取れたことになる。
「良かった一先ず退学の心配はなさそうだね」
「うん。これもマゼルのおかげだよ」
ドクトルに話しかけるとニッコリと微笑んで答えてくれた。僕は全然大したことしてないんだけど……敢えて言えば仕掛けはあったけどこの教科書を作ってくれたイロリ先生のおかげとも言えるかもね。
「先生! これで私達は本校舎へ自由に行き来できるのですね! 本校舎の美味しい食事がいくらでも食べ放題なんだね!」
ドンッ! とリミットが立ち上がり興奮気味に先生に聞いた。リミットは食べるのが大好きだからかここだけは譲れないという気迫が感じられるよ。
「テストも終わったからな。だが授業がある日は本校舎と行き来できるのはお昼休憩の一時間か授業が終わってから夕方六時の間までそれ以降は外出禁止だからな」
イロリ先生が規則について教えてくれた。もっともこれは学園に入った時に貰った本に書いてあったけどね。
「マジかよそんなの初めて聞いたぜ!」
あぁ、でもアズールは全部には目を通してなかったようだね。
「アズールしっかりこの本に書いてあったぞ」
「マジか! てかガロンそんなのしっかり見るんだな!」
「学園に入る以上基本的なルールなどは知っておく必要があるからな」
ガロンは生真面目な性格なようだね。
「メイリアちゃんは知ってた?」
「学園に関する事項は全て情報として記録されていますとお答えします」
「流石教授の作った人型ゴーレムね」
メイリアの答えにリミットとメドーサが感心していたね。メイリアは地理関係も含めて記憶力がすごいよ。
「そういえば授業のない日もあるってことか?」
「週末は基本休みだ。それ以外に年二回長期休みがある。休みの時は基本好きにしていい。街に出ようが自由だが外泊許可が出てない限り門限は夕方六時だ」
アズールの問いかけでイロリ先生が詳しく教えてくれたよ。そうか週末は確かに休みって記載があったね。
「わかったら後は昼まで各自好きにしてろ」
そして――先生が教室を出ていって結局テスト後も自習となった。
そしてお昼になり――
「お昼だー! 本校舎行こう! 食堂行こうよ!」
鼻息荒くリミットが皆に誘いの言葉を掛けてきた。
ずっと時間気にしてたもんね。
「仕方ないわね。本校舎の料理の味しっかり見極めてやろうじゃない!」
メドーサも乗り気だね。シアンとメイリアだけはここに残るみたいだけど無理強いはできないもんね。
だからお土産は買ってこようかなと僕は考えた。
そして旧校舎を出て向かったのだけど。
「ひぃひぃ、そういえば急な山道を行くんだった。もうなんでこんな!」
「ほらほら急がないと間に合わないよ~」
「……あの子も魔法系なのにどうしてあんなに元気なのよ……」
メドーサが恨めしそうに言った。リミットは食べ物への情熱が後押ししてるみたいだよね~
とは言えメドーサも頑張って時間に間に合うよう本校者につけたよ。
そういえば皆は元気にしてるかなぁ――
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