24/01/27 十章について天啓を受けた(※ネタバレ注意

 十章のネタとコンセプトについて、先ほどTwitterを見てて天啓を受けた。

 天啓を受けたのは、別にありふれたツイートの一文だった。


 それに。

 似たような内容の文言は延々それまでに見ていたのに

 その一文を見た瞬間


 脳内で点と点、バラバラで雑多だった『思考』が一本に繋がったように感じた。


「十章のネタとコンセプトはコレだ!」

 と、瞬間的に気づき

 それに気づいた瞬間、

 一ミリも浮かんでこなかった、主人公のコンセプトとなるセリフから色んな状況まで、次から次へと浮いてきた。


 自分でビックリ。


 その一文を見るまでは、本当に全然、まったく、ピンボケ、ボヤボヤ、モヤモヤ、形を持っていなかったのに。

 その一文を見た瞬間、まるでピントが合う眼鏡を初めてかけた瞬間みたいに、全てが明確に綺麗に見えた。


 コレだよコレ!

 この瞬間の為に、私は自分でオリジナル小説を書いていたんだよ!!


 忘れないように、ここにメモしておくから!

 十章の致命的なネタバレを含むから!

 ここから先読む人は注意してね!
















 いい?








【牧野メモ】

・ずっと昔に聞いた言葉の意味を、数年後、場合によっては数十年後、突然理解する、という事


・主人公セリフ。子供たちに向けて「今は意味が分からなくっていい。ただ覚えておいて。私の言葉の意味が、あとで分かる時が来るかもしれないから」


・次世代に継承する事、継承したい事、継承してはならない事


・「その行為」「その言葉」だけではなく、大切なのは「それを行う意味」「その言葉の真意」。そっちの方を継承する必要がある、という事


・その行為が理不尽であるという事は、声をあげるしかないということ


・理不尽を継承しない為には、声をあげつづけるしかないということ


・「自分は別に構わないから、放っておく」は、その理不尽な行為を許容する事で、自分の子供や次世代まで継承する下地を作ってしまうということ


・人は無言でいると「許された」「受容された」「むしろ喜んでいる」と思われる。それをちゃんと否定しなければならない。否定の重要性。


・否定できない権力勾配。それに気づけないということ



 まずはここまでだな。

 あとは、それを表現する為のエピソードをくっつけていこう。

 幸い、ネタには困らない。ネットを見れば、その元となる問題がゴロゴロしているからな。


 しっかし……

 これ、九章までで散々書いてきたのに、なんでコレを忘れてしまっていたのだろうか?

 上記であげたネタは、十章のネタっていうより、悪役令嬢継母作品において、根底に流れているテーマだったのに。


 いつの間にか忘れてしまっていた。


 根っこを忘れて、枝葉の方ばっかりを飾る事に視線が向いていた。

 だからだよ。

 九章と十章のネタに困ったの。


 九章の時は、この上記の事、全然頭になくって書いていたし。

 そりゃ難産になるわ。


 そして。

 十章のネタ集めしていた時も。

 この根底に流れるテーマの事がすっぽり頭から抜けてしまっていたので、せっかくネタを集められても、それを根付かせる事ができなかった。

 そりゃそうだ。

 地面の場所を忘れていたんだから。

 元の場所、帰る場所を忘れてた。


 今ね、

 今ね、

 昨日まで一ミリも書けなかったのが嘘みたいに、脳内で、十章の為のピースを並べなおされてってるよ。

 コレを書いてる今もね。


 そう。

 忘れてた。

 主人公も、娘のアティも、子供たちも、周りを彩る男性やサブキャラたちも。

 全部舞台装置なのさ。

 私が「表現したいもの」を、分かりやすく伝える為の、ただの演出の一部。

 確かにキャラ立ちしてて、放っておいても勝手に動き始めるほど、脳内でハッキリした形をもっているけれども。

 そのキャラたちが配置された舞台に、霧がかかってて背景も見えず、地面すらハッキリしない場所では、キャラたちも動けないんだよ。

 そりゃ動かないワケだ。


 はー……


 すみません。

 天啓を受けた嬉しさと感情のたかぶりを、ついついここにぶちまけてもーた。

 だって、忘れるからさ。メモしておいた。

 すごくね?

 この感動体験、少しすると忘れるんだぜ?

 自分の脳構造疑うよ。


 ……思い出してきたよ。

 なんで、私は「悪役令嬢」ベースの作品において

「悪役令嬢」そのものを書かずに、「悪役令嬢の継母」をもってきたのか。

 勿論ワシが、子供を猫ッ可愛がりする事を描写したいっていう、まぁいうなれば萌えシチュを書きたいっていう欲求もあったんだけど。

 でもそれなら、別に主人公が悪役令嬢でも良かったんだよ。

 なんで継母──大人にしたか。

 子供や十代じゃダメなんだよ。

 二十代後半の主人公だから表現できる

「理不尽を散々受けてきた、今も理不尽の只中ただなかにいる。それで沢山傷ついてきた。今も傷つき続けている。

 でもそれを、次世代には伝えない。自分の妹たち、子供たちには、自分が強いられてきた理不尽な目に、遭って欲しくない」という気持ち。

 だから反抗し、声をあげる。

 自分は無理でも、せめて次の世代では。


 この作品が、勿論ティーンにも読んで欲しい所だけれど、本質ティーン向けではない理由はコレだ。

 今の時代を「既に大人」として生きている人たちに向けた、私なりの応援歌であり、そしてエンタメだったんよ。


「自分が受けた理不尽を、次世代に継承するな」


 子供に「理不尽な目にあった時に声をあげなさい」なんて、押し付け自体が理不尽なんだよ。

 大人が子供に、理不尽な目に遭わないようにしてあげるのが、大人として必要な行動の筈なんよ。


 コレ。

 コレについても言語化しておこう。

 上手く出来るか分からないけれど。


 言うもおこがましいかもしれないけれど。

 追放ものザマァや、普通にある悪役令嬢物、

 それと、決定的に違う部分があると思っている。


 それはドコか。


 それは

「主人公に対して嫌な事をした相手にザマァしてスッキリする」

 が目的じゃない

「主人公に対して嫌な事をした相手にザマァして、同じ事を繰り返させないように、周りに気づいてもらう」

 を書いてる、ってこと。


 殴られたから殴り返してスッキリ★

 もあるよ。

 勿論。

 スッキリするからね。

 でもそこが着地点じゃないんだよ。


 殴り返される姿を見せて、殴り返す姿を見せて

 それを見た周りが「ああ、そうか。そりゃ殴っちゃダメだよな。そもそも」っていうのに気付かせるっていうのが、着地点なんだよ。


 第二章で夫のツァニスが、妻である主人公を自分の付属品扱いして、自分を卑下するつもりで妻である主人公を卑下した。


 勿論、卑下された事を主人公は怒る。

 でも続けて

「他人である自分にそれをするって事は、お前は自分の娘にもそれをするだろう。自分の実の子だ。抵抗感はさらにないよな」

 と責めてるんですよ。


 そ。

 主人公は散々、自分の祖父や父に自分を卑下されて育ってきた。だから夫ツァニスが、アティに対してもそうする事を容易に想像できる。

「妻や娘はお前とは別の人間だから、お前が勝手に卑下するな」

 っていうのを、明確に伝える事によって

 自分が散々嫌な目に遭ってきた事を、アティには体験して欲しくないって思って、行動を起こしたんだよ。


 私も、ソレが書きたかったんだ。


 主人公は、確かにが我が強くって「自分が自分が」なんだけど、その根底には必ず「自分の妹たち、そしてアティたち、苦労して死んだ兄、苦労する事が目に見えているエリックたちの為」っていうのがある。

 そして、それが読者さんたちに受け入れられていると思っている。


 勿論、私は主人公至上主義なので、主人公がウハウハされる事自体は好物ではあるんだけれども。

 自分だけが幸せならそれでいいっていうのは、ぶっちゃけ気持ち悪ィなって思ってて。


『幸せになるなら全員で』

 って、現実では実現不可能な事を、私はエンタメで昇華しようとしてるんだよね。

 だから、主人公にもそのための行動をとらせている。


 ま、結果『全員で』なんて事は不可能であると理解する事になるんだけどね。

 それでいいのだよ。

 主人公は挫折させてナンボだから(←


 それを超えた先に、ベターな幸せがあればいいん。


 ベストを目指さないとベターにならない


 それも、私が作品に込めてる気持ちでもあるしね。


 って事で、ソレを元に十章を構築してくよ!

 忘れないウチに、十章に本腰入れてくる!


 んだば、今回はここまで!

 以上!

 それではね!!

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