23/08/21 作品の着地の仕方を考える(※ネタバレ注意

 前のエピソードで、「十一章か十二章で終わらせたい」と書いた。

 だから、ちゃんとそこで着地するように、ある程度先を考えて書かなければならない。


 ……。

 今まで、こんな長い話を書いた事がないって事と。

 今までこの作品は、マジで先の事を1mmも考えずに書いてた。


 つまり。

 やった事がないんよ。先の事を考えて話を構築するって。

 そりゃ、一章分、13万字前後ぐらいならやってきたけどさ。

 100万字を越える物語の着地なんて、させた事ねぇからな??

 できんのかよ……


 違う! やるんだよ!!

 それがここまでついてきてくれた読者さんへの礼儀であり、自分への礼儀だ!!!

 私は結末至上主義だろ!? 『終わりよければすべてヨシ』タイプだろ!?

 なら自分への義理も果たせや!!


 ハイすみません!!!


 弱気になっておりました。

 できるかな? じゃない。やるんですよね。

 ハイ、そうでした……


 って事で。

 真面目に考えましょう。


 まぁお気づきの通り、今回のエピソードでは、悪役令嬢継母作品の完結に関わる重大なネタバレを惜しげもなく大公開しながらウンウン唸るので、先を知りたくない場合はここでブラウザバックしましょう!!









 いいね?







 こんだけ隙間あければ、大丈夫??








 って事で。

 いきまーす。


 まず大前提の話ね。

 読者さんの誰しもが「誰とくっつくの? ワクワク」ってしてる部分についてなんですが。


 主人公は、完結時点では、誰とも結婚しません。

 これは、『結婚オチ』へのアンチテーゼです。

 勿論、最近の作品は結婚がオチになってる作品は少ないし、むしろ結婚スタート作品が多いんだけれども。

「気持ちが通じ合いました。めでたしめでたし」

 をするつもりが毛頭ない上に、それで締める作品に、若干の違和感を感じているから。


 あのね。

 そんなんね。


「好きです!」

「私も!!」


 と言葉でやっちまえば早いんよ。

 まぁ、それが出来ないからこその、ジレジレを見て楽しむのが恋愛作品の醍醐味だとは思うけれど。


 そう。

 あの作品は、恋愛モノじゃないワケよ。

 だから、それがオチになりえないんだ。


 意図してなかった事だけれど、あの作品は、主人公の人生の岐路を書いているにすぎなくって。

 だから結婚は結末でもなければ区切りでもなく。

 まぁ、彼女の人生を全部追えば、そりゃそのうち誰かと結婚するかもしれんけれど(彼女は家族が欲しいから)、でもそれは作中で語るべき事じゃないって、私は思ってるんよ。


 タイトルの

『娘を幸せにします。絶対に』

 の部分が重要で。


 でも、娘──アティが幸せになるかどうかは、主人公ではなくってアティが決める事で、『アティをこういう風にしました。めでたしめでたし』も違うと思ってる。


 主人公は『アティが幸せになれるように、選択肢を作る為の地ならし』をしてる。

 だから、ある程度の『地ならし』の方向性が決まったら、それが物語の終着点なんですな。


 ただし。

 地ならしが全部できました。終わった終わった。

 まで書いてたらキリがない。地ならしは延々続いて行くよ。だって一つの事が出来上がって、それで未来永劫そのまま続くワケもないから。

 それは作中でも語られてる。「物事は移り変わっていき、同じでいられない。同じでいてはいけない」って。

 それは本人が充分理解しているので。


 だから、地ならしの方向性が決まった、だけで、いいんです。

 それで物語の完結でいい。


 どうせ、100万字も重ねて、読者さんたちは主人公という人となりを理解し始めてくれているし、「こういう方向に動きます」って示せば、想像できる筈なんだよ。

「ああ、彼女ならこの後は、きっとこうしていくだろう」

 って。

 それでいい。


 なので。

 物語の終着点は『地ならしの方向性が決まる』って所です。


 じゃあ、その『方向性』について考えていきましょう。


 現在濃厚なのは、学校を作るっていう事。

 実は。

 19世紀末、20世紀は、学校が乱立している時代なんですよ。

 教育の重要性が理解され始めてきて、かつ、学校へ通う事がステータスになり始めていった時代なんだ。

 しかも、それがすすめられたのって、実は貴族が始めみたい。

『名門校卒業』っていうのが『各種必要能力を身に着けています』というステータスとなっていたようだね。

 日本でも『学習院大学』が設立されたのは、それが理由だったみたいだし。


 移動手段が発達して、他の国の文化に触れるようになると

 必要なのが『広い視野』であるという認識が広まった。

 だとすると、家庭教師形式で屋敷に閉じこもるのは良くないって感覚になったんだろうね。たぶん。

 だから、『広い視野を持とう』という看板がかかげられ、学校に通う、という習慣が出来始めたみたい。


 もともとは貴族しか通えなかった場所に、そのうち金持ちの平民が通い始める。

 そうすると自然と庶民にもその習慣が根付くようになって、多種多様な学校が開設されていったんだろうね。きっとね。


 それが大体、19世紀の頃の話ね。

 だから、別に変な話じゃないワケ。他にも多分、そうしている事例がある。

 だから主人公も、それをやりたいってなるって感じかな。


 で。

 じゃあなんで学校かっていうと。


 まず、これは作者としての都合なんだけれど。

『離婚して、継母・継子の関係ではなくなった時に、どうしたら関係性を続ける事ができるのか』

 って考えて。

 九章時点では、アティの家庭教師という立場になっていました。

 でも、それをずっと続けるとすると、彼女自身が「やりたい」と思っている事ができないんだよ。

 立場に縛られる。

 そして、そのうち、彼女はそれが窮屈に感じるでしょう。

 だって、自分のやりたい事の一つ(アティに色々教える)ではあるけれど、他にも彼女は希望を持ってるからね。


 って考えた時に。


「学校作って、アティがそこに通えばいいんじゃね?」

 って思いついたんです。


 幸い、乙女ゲームには、中世頃(12~16世紀頃まで?)&魔法アリの世界観のハズなのに、何を目的にしてるか分からんけれど『学校』というものがあり、かつ、選ばれれば庶民でも通える、という不思議な設定になってるからね。

 それがOKなのに、主人公が学校作ってアティがそこに通うのはNGって事はねぇだろ、と思いまして。


 絆が切れなきゃいいんです。

 どういう形にしろ、主人公がアティの人生の『選択肢の地ならし』が行えていれば、それでいいんです。


 って事で。


 特に問題がなさそうだから。『学校を作る』っていうので、もういいや(※他考えるのが面倒クサイ


 じゃあ、その『学校を作ろう』が物語の完結として。

 十章、十一章、十二章で、どこまで進めればいいのか。


 十二章が完結として。その時点で『学校を作ろう』と思いつくだけじゃあ、それは結末にはなりえない。思いつく事なら誰でも出来る。

 計画し、実際に動き始めないとダメだね。

 各方面にネゴし、資金を引っ張り、場所の確保。

 方向性や掲げる看板、『卒業するとどんなステータスが手に入るのか』等々、そういうのを考えて、いざ、実施、って感じか。


 ……待て。

 そこに必要となる時間が、長すぎる。

 今まで、一章分の中の時間経過は、まぁせいぜい2ヶ月とか3ヶ月だった。

 でも、学校設立計画なんて、そんな短い期間じゃ出来ないよ。年単位よ。

 しまった、どうしよう。


 出来れば、『俺たちの戦いはこれからだ』ENDを目指してるんだよ。

 でも、本当に尻切れになっちゃダメなんよ。

 ある程度、未来が想像できるENDに持って行かなきゃいけない。

 どうしよう……


 年単位の計画の、始動──ほんのサワリの部分を描くか。

 でも、本当に建つか分からない状態だと、なんか歯切れが悪い。


 作品の完結エピローグを最後に書いて、そこに数年後、的な感じで書くか??


 あ。


 待って。


 マジ待って。


 すっかり忘れてた。


 敵伯爵との決着や。

 これはちゃんと決着まで書かんとアカンのちゃう?

 どっかで直接対決、しないと。

 あ、それが十二章??

 敵伯爵との決着が、つき、そして、計画していた学校設立計画が開始される、十二章は、そんな感じ?


 いかん。

 本当に十二章で終わるんかいな。

 いや、終わらせたいんやけどな。

 長すぎる。

 長すぎるんだよ。

 もうこれ以上は引っ張れないし、書き手としての私もそろそろ限界なんよ。

「他の書きたい話がある」ってワケじゃないんだけれど、この作品のパターンとして、もう限界に近いんよ。そう感じてるんよ。


 あー。

 そうか。

 だから、本筋としての、『主人公が人生の岐路の区切りを迎える』と同時に『敵伯爵との決着』もつけないといけない。


 誰だ! そんな面倒クサイ展開にしたのは!!

 私や!!!


 もう……安易に敵を作ってんじゃねぇよまったく……

 ハイ、すみません……


 って事は。

 敵伯爵との決着方法も考えないと。

 こっちの方が難しそう。


 さて、どうやって決着をつけさせるかな。


 ふむ。


 それはまた、次のエピソードで考えるか。

 先が思いやられるな……頑張ろう。


 って事で、今回はここまで。


 以上!!!

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