23/07/16 本屋でラノベを見てみた。

 ちょっと諸事情があり、現在のラノベは本屋においてどんな扱いなのか、そして、今はどんな作品があり、どんな表紙なのかを調べたくて、本屋さんまで足を伸ばした。


 ……近所に唯一あった本屋は、コロナ禍で潰れたわ。

 ちっきしょう……


 私は子供の頃から本屋大好き人間。

 暇があると本屋へ行っていた。


 幼少期はそこそこ栄えた町に住んでおり、商店街が近くにあった。

 そこにある本屋さんに足しげく通った。駅前の本屋は大きいが雑誌などがメイン。私がよく通ったのはそちらではなく、コミックと小説をメインに置いてくれていた本屋だった。

 その後、その町から引っ越し。

 駅から自宅への帰り道に本屋があったので、学校帰りや仕事帰りは、そこに寄ってから帰るのが常だった。

 そこ以外にも小さな本屋がいくつかあり、そこをハシゴするのが楽しかった。


 物凄く本屋が身近にあったため、本好きになったのはいうまでもない。

 ま、父が神田や秋葉原、神保町のデカイ書店に時々連れて行ってもらってた事も影響してるとは思うけどね。(父は仕事の為に専門書を買いにデカイ本屋に行く必要があった)


 今でいうTwitterやSNSみたいな感じだったと思う。

 毎日行っては、新しい本が出てないかと見ていた。

 今思うと、Twitterのタイムラインで面白い話題を探すかのように、本を探していたような気がする。


 本屋はネットで本を検索するのと違い、アトランダムにアクセスできるのがいい。

 何の気なしに、フラフラと本屋をうろつき、目に留まったものを買う。

 ジャケット買いしたりするのも勿論、タイトルに惹かれて買う事も多かった。

 京極夏彦さんの小説に出会ったのは、そうやって本屋をうろついていた時だったしね。

 様々な様相の文庫本が並ぶ中に鎮座した異様にゴンブトの文庫本は、嫌でも目についたわ。


 ただでさえ、本のようなものは好みが偏る。

 色々な本に出会えたのは、まさに本屋さんのおかげだった。


 ネットで本を買ったり、電子書籍が通常となった今。

 本屋は危機的状況なのだと思う。

 本はかさばるし、重いし。本棚にだって限界はあらぁ。

 そう思うと電子書籍の方が利便性は高い。

 が。

 電子書籍サービスを行っている会社が潰れればそれまでだけどね。

 また、絶版本は読めないし、電子書籍化していない本も読めない。


 私は、知識として取り入れたい、1回読んでみたい、というものは電子書籍で済まし、本当に「欲しい」と思ったものは紙の書籍を買うようにしている。

 あと、単純に、紙媒体の書籍が好きっていうのもある。


 と、ここまで長々と、前置きでした。


 私はただでさえ体力がマジなくって、日々のコレといった運動はおワンコ様の散歩の同伴しかない。

 なのに、「人体に危険を及ぼすかも知れない」と報道で言われる程暑い日に、わざわざ本屋まで出かけた。

 仕方ないじゃん。この土日が猛烈に晴れてるのが悪いんだよ。

 基本、仕事で精魂尽き果てる私は、平日に出かけるとは無理なんよ。


 って事で、行ってきました。本屋さん。

 いやぁもう、移動がキツかった……マジでどうにかして体力つけなくちゃな。

 ジムでも通うか……?


 まぁそれはいい。

 その本屋は、漫画、ラノベ、児童書などが地下1階にまとめられていた。

 どのみち、漫画とラノベの表紙の違いを比較したかったから、ちょうどよかった。


 ラノベの棚をグルグル回りながら、じっくり眺めていると、ふと気づいた事があった。


 漫画とラノベの表紙の違い。


 ラノベの方が、圧倒的に情報量が多いと感じた。

 メリットは、表紙だけで中身の雰囲気がなんとなく察する事ができる。

 デメリットは、情報量が多過ぎて、逆にこの小説は何をウリにしてるのかが分かりにくと感じた。


 ラノベの表紙は、私の感覚からすると、3パターンあった。


 ① 作中の日常の一部を切り取ったシチュに、登場人物が何人かいて、何かやってる最中。


 ② 女の子キャラが白背景にバーン。全身が書かれている事が多いが、顔のアップやバストアップもある。


 ③ 2人のキャラが仲睦まじくしてる。大概、キラキラでピンクい。


 ②は主に男性向けラノベ、③は主に女性向けラノベに多いと感じた。


 一番多いのは①のパターンだった。

 このタイプはとにかく情報量が多いな、と感じた。

 それには理由があるがあるんやな。

 主人公、必要サブキャラを出しつつ、シチュで世界観などを説明しているから。

 ただ、これにはデメリットもあり。

 さっき言ったように、逆に情報量が多過ぎて、それらパターンの本が並ぶと、逆に情報に埋没してしまうように見えた。

 しかも。

 最近は長文タイトルが多い。

 その長文タイトルがデザイン化されて、また色とりどりに大きさもバラバラにされている為、文字が絵に埋没してしまい、パッと見タイトルが読めない。

 単品ならそんな事は感じなかったかも知れない。

 ただ、そういう本が平積みされていると、ゴチャゴチャした印象を感じてしまい、正直目が滑った。


 タイトルを枠内に入れて、読みやすいようにしている作品もあったが、そうするとその分絵が入る場所が減ってしまい、デザインするのは難しそうに見えた。


 逆に漫画は、こういう、日常ワンシーンを切り取ったような表紙はかなり少ない。

 大概、キャラ一人のアップなどが多い。


 漫画とラノベ、なぜここまで表紙に違いが出るのだろうか?

 ターゲットは大きく変わらない筈なのに。


「漫画は絵で表現しているからね」

 と思ったんだけれど。

 例えば前情報が何もない状態で買うとした時、漫画もラノベも、表紙しか見る事はできない。(※立ち読みしない前提)

 だとすると、漫画もラノベも条件は同じだ。

 表紙とタイトルで、手に取ってもらわないといけない。


 なのに、漫画の表紙は、ラノベのそれと比較しても、情報量が少ないと感じた。

 が。

 情報量が足りないからと言って、じゃあラノベの方が目立つのかというと、そんな事はなく。

「インパクト」という意味では、漫画の方が圧倒的にインパクトが強いと感じる表紙が多かった。

 なぜだろう??


 ふとそこで、漫画単行本とラノベ本(文庫本・大判サイズ含む)の性質の違いについて考えてみた。


 漫画は大概、どこかで連載していたものを単行本としてまとめて収録しているものが大半だ。1冊すべてが書き下ろし、というものはあまりない。

 なので、買う人の大半が、その本を買いたくて買う、という人だろう。

 勿論、面白そうだからと表紙買いする人もいると思う。

 しかし最近はそんな博打をわざわざ打つ人は少ないんじゃないのかなぁ。Amazonでは試し読みできるし、WEB上でも試し読みや1話無料とかでアップされていたりもするし。


 かたやラノベは?

 WEB発の小説の場合は、そこで内容が全部読めてしまう。わざわざ本で買いたい、という人がどれほどいるのだろうか?

 となると、WEBで読んだけれど書籍が欲しい、という人はいるけれど。漫画よりも表紙買いする人の割合が多いような気がする。

 これは気のせいかも知れないけれどね。

 もし、漫画よりもラノベの方が、表紙買いする人が多いとした時。

 だから、表紙に載る情報量が多くなるのではなかろうか?

 表紙をみて、「これはアナタが好きなタイプの本ですよ」と伝える為に、表紙に多めに情報を載せているのではないか、と思われる。


 長文タイトルが好まれるのも同じ理由だ。

 タイトルがそのままあらすじになってる。

 小説だと文章を読まないと中身が分からない。

 漫画と違って、ただだけでは、好みの作品か判別ができない。

 読んでもらわないと。

 でも、その「読ませる」までのハードルが高いのが小説。

 だから、ユーザの目に一番最初に飛び込む「タイトル」に、あらすじを載せているんだ。


 ただ、そうやって一目に入る情報量を増やしてしまうと、逆にインパクトが薄くなってしまうという事がある。


 漫画とラノベの表紙の違いは、そこにあるのではないのか?


 じゃあ、ラノベの方も漫画と同じようにインパクト重視にすればいいのかっていうと、そうでもない気がする。

 インパクトを強くすると、肝心の「内容」が何も伝わらなくなる可能性があるからね。


 例えばワンピース。世界で一番売れている漫画だけれども。

 知らない人が、ワンピース、というタイトルと、ルフィの顔面ドアップだったとした時。

 キャラインパクトはあれど、どんな内容の漫画なのか、一ミリも伝わらないよね。


 ラノベは初見の人にも買って欲しくて、ああいう表紙にしてるんだと思われる。

 でも、インパクトがないと、結局平積みされていても見ている人の興味を惹かない。


 うーーーーん、どうしたらいいんだろうか??


 例えば……

 そうだな。

 私が過去、マジで前情報何も無しで、表紙買いした本は……「スカイクロラ」だった。

 真っ青な空と雲海。

 そしてタイトルに添えられた一文。

 今でも覚えている程のインパクトがあったんだな。


 確かに、ああいうタイプの表紙は、いくらインパクトがあるとはいえ、ラノベという性質には合わないだろう。

 全部をああした方がいい、という意味じゃない。


 誤解を恐れず言葉を選ばず率直にいうと、かなり失礼になるとは思うんだけれど……


 ラノベの表紙には、オシャレさがあまりない。

 誰かの琴線に引っかかりそうな感じがしない。


 例えば、漫画とかだと「ああオシャレだな」と私が思った表紙は、スパイファミリーのだ。

 あれはオシャレだな、と思った。


 でもォ……

 表紙にデザイナーさんが入らないって、あるのかな??

 デザイナーさん、入れてるのかな??

 イラストレーターさんに、表紙のデザイン(※タイトルは除く)まで一任していないだろうか?


 デザイナーの資質と、イラストレーターの資質は別や。

 まぁ、時々、両方持ってる人はいるけどな?

 でも、大概は片方しか持ってない。


 WEBサイトを作る時もそうなんだけれど。

 普通の人がWEBサイトを作ろうとすると、ユーザに最初に見てもらいたい情報全てをトップページに配置しようとする。

 でもそうすると、最初に表示されたページに情報が多過ぎて、逆に目が滑って何も伝わらなくなる、ということが往々にしていあるんだよね。

 だから私は口を酸っぱくして、「情報に優先度をつけてください。最重要情報以外はトップページに載せちゃダメ」と伝える。


 一つの記事にしてもそう。

 その中でも情報に優先度がある。だから、優先度が高い情報は目立たせたり、逆に詳細情報は別ページに飛ばして必要な人だけが読むようにした方がいい、と伝えている。

 ま、それを判断するのが難しいんだけどな。

 書き手からすると、どれもこれも大切な情報で読んで欲しいから。

 絶対評価で優先度を決めてしまう。

 私は「情報の優先度を決める時は、相対評価で決めてください」とお願いしてるけどな。


 そして、厳選した情報を、見やすく、興味を惹きやすく、そしてオシャレに配置してくれるのが、デザイナーさんだと思っている。


 それと同じ。


 ラノベの表紙に情報が多いな、と感じるのは、見せたい情報が整理されていないからではないのか?

 確かに、登場する人物は表紙で見せたいだろう。

 でもそれ、本当に表紙に必要なのかな?

 口絵や挿絵で間に合うんじゃなかろうか?


 ……え?

 あ、まさか、そんな……


 もしかして、今って、挿絵、ないの???


 そういえば、買った「レンジャー」の本には、挿絵がなった……

 嘘、今、挿絵って、入れないのが主流だったりすんの???


 ああどうだろう? そういえば、最近他のラノベを買った記憶がない。

 無料でも質の高い面白い作品が沢山あるから、そっち読んで満足しちゃってた!


 アカンやん!!


 あー……せっかく本屋行ったんだから、何冊か買ってくれば良かったァ……

 お金は握りしめて行ったのに、ラノベをそういう対象として見ていなかったァ……

「お? 買っちゃおうか??」って思ったのは、イギリス近世のドレスとか建築様式の本とか、そういうのだったぁ……あと、児童書としての魔法の本とか、魔女の本。

 結局買わなかったけれど、買えば良かったなぁ……


 違う。ラノベの方のことだってば!


 ただなぁ……

 下手な物に手を出すと……

 まぁた、速攻で全巻揃えて貪り読んだりして、せっかく整理した本棚が圧迫されるんだよなぁ……

 自分専用の、書斎が欲しいなぁ。ちゃんと、書斎として問題ないように、床が頑丈な作りになってる所ね。本の重みで床が抜けたら大変や。

 マンションか。1Rマンションを、借りるのか。

 そんな金はねェ!!!


 話が逸れまくってるよっ!!!


 ああもう、こんなグダグダ書いてたから、5000文字超えたわ。


 取り敢えず分かった事は。


 ラノベの表紙は漫画に比べるとインパクトが少ない。そして、ちょっとオシャレさが足りない、と個人的には感じる。

 でも、それは装丁そうていデザイナーがいて、必ずやってる筈なんだ。

 じゃあなぜ、他の作品と埋没してしまうのか。


 そこについて、もう少しだけ、考えてみたいと思う。


 今回はここまで!

 それではね!!

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