23/03/05② 九章とそれ以降を含めて本腰いれて考え直す(※ネタバレ注意

 人身売買ネタを書きたいのは、まぁそれも追って考えないといけないんだけれど。


 九章にて。

 隠密活動させるのか、それとも悪目立ちさせるのか。


 話の本筋、流れ自体は変わらないけれど、細かい演出部分が変わってくる。

 そして、それによって置ける布石もイベントも変わる。


 ただ……


 一度起こった悪評というものは、簡単には消えないんだよなぁ。

 噂は尾ひれがついて、より面白い方向に、尖った方向に、進化していく。


 例えば。

 今回の事で調べたんだけれど。


 イギリスのエドワード八世。その妻となったウォリス・シンプソンさんね。

 彼女には賛否が起こっている。エドワード八世をたぶらかした稀代の悪女としての記事の方が多いかな。

 本当かどうか分からないけれど、彼女の悪評は凄いもんだ。


 でも、本当の所なんて、本人たちとその近くにいた人にしか分からないんだよね。

 今現存している記事や逸話については、その事を外側から見た記者や少し遠い関係者等の主観で語られているものが多い。

 もしかしたら、隠された物凄い美談や思いやりに満ちた話があるかもしれない。

 でも、現在、それが外に出てくる事は、あまりない。


 日本の歴史上の人物たちもそうだよね。

 後世に残されたわずかな資料と、天下人によって書き換えられた歴史をもとに、歴史上の人物を見るしかできず、本当はどういう人だったのか、それを知る事はできない。大河や歴史ファンタジーで悪役として描かれる事が多い人間が、実は真っ当で誠実で思いやり溢れた人間かもしれない。

 でも、そう語る人が少ない為、世間の印象は『悪い人間』である事も多々ある。


 悪評を流すとなると、それを撤回するのが至難の業なんだよなぁ。

 世間って、思った以上に簡単に流される。

 勿論私だって流される。

 今のように、色々な情報がネットで探せる時代ですらそうなんだから、情報の取得が難しかった昔なんて、一度広まった悪評は『真実』として簡単に固定化してしまう。


 しかも。

 良い話よりも、悪い話の方が広まりやすい。

 人は、否定的な話題やネガティブな話題の方が好きだからね。


 はてさて。どうしたもんか……


 考えていたのは、主人公の友人であるアンドレウ夫人が、メディアの力を使って、悪評を払拭する、という流れ。

 しかも、よくある人間の心理『ヤンキーが子猫を可愛がると評価が爆上がりする』というものを利用する、というもの。

 アンドレウ夫人が、新聞や小説等で、主人公を『アンチヒーロー』に仕立てた話を流布する。それによって、人の物の見方を変えさせるっていう感じ。


 その為には、『噂では悪い人だったけど、実物は実は良い人だった』という事実が必要で、それには主人公はうってつけ、という感じ。誰に対しても分け隔てなく接するし、上流階級の中に入ればちゃんとそれなりの対応ができる。子供にも優しい。

 まぁ、別にいつも通りなんだけど。


 っていうのを、考えていて……ただ、そんなに上手くいくものか? という疑問はあるよ。さっきのウォリス・シンプソンズさんの件もあるし。上手くいかない事の方が多いだろう。

 あー……でも、彼女の場合、彼女を良く書いたメディアがなかっただけなのかも。

 当時の新聞や小説、雑誌等のメインメディアに、『主人公は実は良い人だった』というものを流せば、世間は面白い程に手のひらを反すかもしれないなぁ。


 ……そこは、創作特有の『ご都合主義』でいくか? ほら、主人公には圧倒的な『作者の加護』っていうチートがあるし。


 うん。

 なんか、その方向でも大丈夫そう。

 主人公自身に、後ろ暗い事さえさせなければ、全然問題なさそう。


 よし。

 じゃあ、人身売買についてか。

 コレをメインのオチと据えるとして。

 まぁ、その組織に攫われて、しまいには競売にかかって欲しいよね、主人公。

 創作界隈ではよく見るパターンじゃ。頻繁ではないとは思うけれど。

 でも、天下のワンピースでもシャボンディ諸島で仲間の人魚が競売にかけられた話があったし。

 ま、ただし、その場合でも、主人公が売られる側の話ではなかったけどな。


 主人公が売られる側、しかもその主人公の一人称の話って、どれぐらいあるんだろうか? ゼロではないとは思うけど、あんまり見た事がないなぁ。参考として読んでみたいなぁ。


 んで。

 勿論、その人身売買組織をぶっ潰す事と、それの管轄が敵伯爵である事の証拠を掴む事が、目的となる。


 そういえば、今まで、人身売買が敵伯爵管轄である証拠って、どんなものかって考えてたっけ?

 考えてたはずだけど忘れたなぁ……ちょっと過去のエッセイを読み返してくるか……


 ちょっと待ってておくれ。

 読み返してくる。


 ***


 当時考えていた事を綺麗さっぱり忘れて、同じ考察を繰り返している事に、改めて今気づきました。

 なんて時間の無駄!!

 何の為にエッセイで思考垂れ流してるんだよ!

 考察を蓄積していく為だろうがっ!!

 ただでさえ中年には残された時間が少ないのに、おんなじ事を何回も繰り返すなやッ!!!


 って事で。

 ちゃんと過去考えた事の上に、更にブラッシュアップしていくぞ頑張るぞ。


 そうだったそうだった。

 ストーリーラインありきで、そこにエピソードを乗せるんじゃなくって、人の感情・行動ありきを利用して、ストーリーラインを見せるんだった。


 いっつもすぐ忘れるな。ダメじゃん。


 第一章から八章まで、全部そうじゃん。

 なんで忘れるんだよ。逆に意味が分からんわ。自分の事なのに。


 そうだそうだ。

 だから『人身売買組織をぶっ潰して、敵伯爵の首をすげかえる為の味方を引き入れる話』っていうのは、ただのストーリーラインであって、主題じゃない。

 作品の流れとしての目的はソレだけど、私が書きたい『目的』は違う。

 目的は、ストーリーを使って表現したい『理不尽をぶっ壊す』だ。


 脳味噌、マジでヤバいのかもしれない……


 そんで。

 ちゃんと、人身売買をクライマックスに持ってくる為の事まで、色々考えていた。

 年跨いだら、綺麗さっぱり忘れてた。

 メモリクリアされたんかってぐらい、マジで、全然、覚えてなかった。


 書き直した7エピソードが無駄じゃねぇか!!!


 ま、いいけど。

 今までも、散々、捨てたエピソードはあるし。

 難産にはつきものだ。


 っていうか、去年末頃、こんなにしっかり考えていたのに、なんで今全然その事を憶えてないんだろうか……

 これが、加齢か。中年クオリティか。

 それとも、年度末の魔物との激闘の弊害か。


 かなりちゃんと考えていたので、腰を据えて改めて、年末に書いたエピソードを読み返してきます。

 もっかい! もっかいちゃんと読み返してくる!

 ちょっと待っててね!!


 ***


 今、去年末に考えていた事を、改めて読み返してきた。

 あともう少し積み上げればいけそうってところまで来てたね。


 なのに、それが全部、吹き飛んだんだね。

 年を跨いだら、すっかり忘れてた。

 これは、年末休みだからって、浮かれてたからかもしれない。

 なんて愚かなんだ……


 まぁでも、四苦八苦は必要だよ。

 そうやってみんな、大人になっていくんだよ(※既に中年下り坂

 三歩進んで四歩下がる事も、あるよ、うん。

 はぁ……


 って事で。

 年末に考えていた事が、すっごく良かったので、それを掘り返しつつ、ブラッシュアップしてくよ!!


 ① 九章では、繰り返し繰り返し『他人に決めつけられる』という事をされる

 →九章のテーマの一つに「自分の価値は自分で決める」っていうのがある。それを読み手にジワジワ伝える為に必要


 ② 人身売買組織の事は、旅行に出る前から知ってて、それを調査しに来ていた

 →すっかり忘れていたのはココ。旅行した先で知るんじゃない。もともと、これの調査が目的だった。


 ③ スリの女の子との出会い

 →二重人格・テセウスが消える代わりに、主人公の所に来る予定なのが、スリの女の子。この子に将来を悲観せずに希望を見出す方法をなんとか伝えたい。


 上記については確定だな。あとはもう少し深く、それを表現する為の布石やイベントを考えるだけだ。


 でも、九章で味方になるハズの人間については、全然深掘りできてない。

 色々考えていたけれど、今読み返すとあまり腑に落ちない。

 もう少し、彼については考えた方が良さそうだ。


 もう少し。

 もう少しだ。

 もう少しで書きだせそうだ。

(※これ、年末にも同じ事思ってた


 今日中に、プロットを固めきりたいな。

 もう少しお付き合いください。


 続きは次エピソードで。

 それでは!!

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