22/11/25 九章のテーマについて、改めて考えよう。

 マジ今更な事ですが。

 以前このエッセイでもテーマには触れていたと思いますが、現時点で思い出せないって事は、たぶん、自分の中で、腑に落ちていなかったからでしょう。


 なので、以前考えた事についてはそのまま捨てて、新しく考え直します。

 たぶん、きっと、それがいい。


 ってことで。

 九章のテーマです。

 八章は、前回書いたように『本質を見極める』でした。

 アティが、祖母から言われる『血の繋がり』『本当の母親じゃない』という事よりも、自分の『大好き』の方を優先させる、という感じ。

 実際のところ、アティはまだ五歳ですが、たぶん、自分が置かれた複雑な環境を、なんとなーく理解しはじめています。

 でも、彼女には不安がないんです。

 だって、自分は大好きな人達に囲まれて、愛されてるという確固たる自負があるから。だから、『血の繋がり』とか、そういうのに重きをおかない。

 だって、それを言い始めてしまったら、ゼノともニコラとも、子守のマギーとも家庭教師のサミュエルとも、屋敷に勤める家人たちも、エリックもエリックの両親とも、血の繋がりがない。

 それが関係性として希薄、とは、微塵も感じてないんです。

 みんな自分を見てくれている、という事を、この一年間じっくりたっぷり体験したから。

 それは、そもそも主人公が、アティを溺愛したおかげですが。


 あと、本質を見極める、というのは、凝りてなかった大奥様の事とか、実は味方は夫のではなく妻である主人公のだった、とか、間者がいた、とか、そういう話ね。そっちはオマケだけどね。

 そこに、ステップファミリーが浴びせかけられる無神経な声、というものをスパイスとして被せました。


 じゃあ九章はどうしようか、ですね。

 ……。

 うーん。

 個人的には、そうだなぁ。

 そのままテーマにはするつもりがないんだけど、可能であれば『自分の価値は自分で決める』とか、そういった話にしたいんだよね。

 そういう話を書きたいな、と思っていて。


 前エピソードで、『独身女性へのド失礼』について触れたけど。

『独身女性へのド失礼』って、どうしてド失礼なのかってーと、独身女性の生き方について、他人が評価する場面が多いな、とネットの記事を見てて思ったんですよ。


 独身女性だけじゃないけどね。

 例えば、作品の感想でよく見る

『主人公は口が悪すぎて見てて気分が悪くなる』

 コレなんですが、

 例えば、比較して大変申し訳ないんだけど『ワンピース』に出てくる登場人物たち。

 ルフィ、ゾロ、サンジを例にしましょうか。

 彼ら、とっても、口が悪いです。

 でも、じゃあ何故彼らには『口が悪すぎて気分が悪くなる』って言われないか?


 それはですね。

『妙齢女性は丁寧であるべき。例え相手が失礼でも』

 という、刷り込みがあるんじゃないかな、と思いました。


 そもそも

『女性は丁寧であるべき』

 という認識、どこかにありません?

 私はありますよ。現時点でも持っています。これがなかなか抜けない。

 これ、不思議な感覚なんですが。

 普通であれば

『大人は全員丁寧であるべき』

 なんですよ。

 酸いも甘いも嚙分けた大人であれば、他人に対して丁寧に接するべきなんです。

 なのに、何故『大人全員』に対してではなく『女性』になるのでしょう??


 ネットでは

「そんな言葉使っちゃいけません! 女の子なんだから!」

 と幼い頃に窘められた、というネタがゴロゴロ出てきます。

 表に出てくるだけであの数って事は、暗数は相当でしょう。


 ちなみに、逆もしかり。

「男の子なんだから、もっとしっかりしなさい! 堂々としていなさい!」

 とかね。

 なんでやねん。

 男の子にも、物腰柔らかで丁寧な人おるやん。

 丁寧でいいやん。堂々と? なぜ? 普通に振る舞えばいいやん。

 なんで「堂々と」してなきゃいけないの?

 自信がある事だけ、堂々としていればいいんだよ。

 自信なきゃ自信ないでいいんだよ。


 なぜ、『これはそういう人』と、あるがままを受け取らないのだろうか?

 合う合わないはあるよ? 勿論。だって人間だもの。

 合わないと感じたら、離れる。

 これが最適。


 話が逸れた!

 で、独身女性へのド失礼ね。

 例えば、結婚しないさい、子供を産みなさい、三人以上産みなさい、若年を過ぎたらオシャレすべきじゃない、化粧は控え目に、でも綺麗にしていなさい、身ぎれいにしなさい、でも派手はダメ、ヒールをはきなさい、でも高すぎるヒールはダメです、ミニスカートやめろ、ブーツやめろ、男性のプライドを折ってはいけません、仕事と子育てを両立しなさい、どちらにも手を抜いてはいけません、子供が嫌いな女は人としておかしい、世話を焼きなさい、アレもしなさい、コレもしなさい、でもアレはダメ、コレはダメ──

 多いなぁ……と、ネットの記事見てて思った。


 勿論、男性側にもそういう事はあるでしょう。

 でも。

 例えば。

 壮年の独身男性の事は

「独身貴族」

 壮年の独身女性の事は

「オールドミス」

 そう呼ばれていたのは、それほど昔の事じゃないね。


 そもそも、『他人がその人の事を評価して良い』という認識が、どうやら対女性については多いようなんだよね。


 相手を『人間』として認識している時に、それは言ったら失礼にあたる事でも

 相手を『女』だと認識した途端、それは自分は相手に言っても構わない

 そう無意識に認識されている事が、もしかして物凄く多いのではないか、と、そう思うようになってきたのです。

 ネットで色んな記事を読んでるとね。


 この世界で、叩かれる、賞賛される、あらゆる事象を、ちょっと一歩退いて見てみた。

 そしたら、殆どの意見が「それ、お前の、好み」だった。

 この社会は、その「好み」の最大公約数で出来上がってるよ。勿論。

 でも待って。

 その「最大公約数」に、女性、入ってる?

 って、思ったんさ。


 言葉一つとっても。


 医者

 これは職業だ。

 じゃあなんで、「女医」という言葉があるんだ。なんで「男医」という言葉がない。

 これは単純明快。

 昔、医者の大多数は男性だったからだ。

 棋士

 これも職業だ。

 じゃあなんで、女性の棋士の事は「女流棋士」っていうんや。

 作家もそう。一昔前までは「女流作家」や。


 つまり、この世のスタンダードが、男性だったんだろうな、と。

 ちなみにいうけど、「だから『女医』は差別語だ!!」とは言わない。むしろ、女性の医師を示す、分かりやすい例だから、良いと思う。

 何故なら、医者についてだけいうと、生物学的な差によって、異性の医師には見られたくない、という事もあるだろうから。その時に「女医さんを希望する」「男医を希望する」とした方が、言葉が短くて楽そうだから。

 ……「男医」って言葉も生まれればいいのになぁ。

 重ねていう。

 ここで言ってる「女医」「男医」っていうのは、生物学的な差の事を示しているので、ジェンダーの話ではないよ。


 話を戻すと。


 そもそも「それ、お前の、好み」っていうのを、「これが社会規範である」と認識されている事、どれぐらいあるのだろうか?

「それ、ホントに、社会規範?」

 って、思う事が、結構あるし。


 ビックリしたのが、中学校の規定。

 ・女子の下着は白でなければならない

 ・ポニーテールは禁止

 ね。

 びっくりしたよ。

 これ、決めた人間の好みじゃなかったら、論理的で理論的な理由を知りたいよ。

 男子の

 ・坊主

 もね。別に短くても伸ばしてても関係なかろう。

 その子が例えば、ヘアドネーションやりたいから伸ばしてたらどうすんねん。

 そういう理由がなくたって、本人がそうしたい、ならそうさせてええねん。爆発するワケでもなし。


 さっきの化粧の例もそうだね。

 男性でも女性でも、老若男女問わず、化粧してもいいじゃん。

 化粧をしていない女性に「化粧なさい」と言う人。

 それって。

「女は化粧しろ。何故なら、自分は化粧してる女が好きだから」

 って事じゃない?

 男性や老齢女性が化粧する事に、忌避感を覚える人って

「男とババアは化粧するな。何故なら化粧は女が男を惹きつける為にするものあり、お前は自分の性的対象外だから」

 って事じゃないの?

 お前の性的対象なんて知らんがな。

 つか、そんな声高々に性的嗜好を叫んで、ちょっと、やめて恥ずかしい!!

 共感羞恥でこっちが恥ずかしくなるからッ!!

「人前に出る時に化粧をするのが嗜みです」

 って言うなら、老若男女問わずそうなってるだろって。


 なんでこんな事考えたかって。


 つい最近、机の高さって、日本人男性の平均身長・170cmの人を基準にしてるって知ったから。

 ええ、私はそんなに高くありませんから。

 なんか机や椅子の高さが合わねぇな、と、時々思ってたら、まさかの。

 ちなみに。

 何故「日本人男性の平均身長」なんだろうね。

 日本の半分は女性なんだけどね。

 何故除外したんだろうね?


 ごめん、これ理由知ってる。

 こういう「デスク」を今まで主流に使っていたのが男性なのと、作ってるのが男性だ多いからだよ。

 女性はあまり机仕事をしない、というのは、日本ではつい三十年前まで当たり前だったからさ。事務・総務は女性が多いよ? でもそれってね「サブ」という仕事の扱いだったんだ。つまり、メインじゃない。メインじゃない人に合わせて、規格を変えるワケがないよね。結婚したら仕事やめるワケだし。

(でも仕事してて思うけど、事務・総務こそが、会社の屋台骨でメッチャ大切)


 扉のノブの高さですら、そうだよ。階段の一段の高さもな。

 この世界は、「男性の平均身長」を基準にしたもので溢れてるよ。

 キーボードもそうだよ。自動改札のタッチの位置ですらな。

 マスクもだね。標準サイズは男性用。女性と子供用が「少し小さい」だ。(最近、S、M、Lになってきたね)


 つまり、現時点で。


 世界は女性用サイズに作られている物は、男性用サイズに作られているものに比べると、多くないって事。

 そうやって小さな不便が溢れかえる世の中で、生きてるって事。

 この視点、気づいている人ってどれぐらいいるんだろうか?

 勿論、私も気づいたの、つい最近や。


 ま、そんな誰かにとって不便な世の中を、もっと誰しもが使いやすいようにしようぜ! ってうのが、SDGsでありユニバーサルデザインなんだけどね。

 SDGsって、「持続可能な開発目標」であって、ちょっと違くね? と思われるかもしんないけど、関係してるよ。

 人口の半分の男性を標準として作られるもの

 人口全体を標準として作られたもの

 どっちがより持続可能かって話だよ。

 ちゃんと、SDGsの17の目標の中に、そういう話も含まれてるよ。見てみてね。


 あ。

 勿論、そんな壮大な話を書く気は、これっぽっちもありません。

 それを、ごくミクロにし、主人公の身の回りの話にしますよ。


 こういうのは、壮大な話にしたってピンとこないから。

 身近な問題にフォーカスして、初めて「ああ、なんか、分かる」となるって思ってるし。


 あ!!

 これ、大切だから言っておくね!!


 この作品について、「男性を差別してる!」と言われる事がありました。

 ええ、あるでしょう。

 あると思うよ。

 ゼロじゃないんじゃねぇかな。

 ゼロにするとか、無理だもん。


 でもね。

 別に私、世界を正す話を書いてるんじゃないんだ。

 女性目線で、女性が理不尽に思う事を、「それは理不尽だ!」と声を上げるエンタメ作品が少ないな、と思って書き始めただけだよ。

「そして彼女は、王子様と結婚して幸せに暮らしましたとさ、おしまい」

 という作品への逆張りをしたかっただけ。シンデレラとか、白雪姫とか、今ちまたに溢れてる悪役令嬢作品の王道タイプとかね。

 女性版ゴーストバスターズとか、オーシャンズ8とか、そういう話を目指してるだけだよ。

 言ってしまえばね。

 実はブルーオーシャンなんだよ、女性エンパワーメントエンタメ痛快活劇(※を目指してるだけで、そうなってるとは言わない)っていう、このジャンル。


 もし、「男性差別について声をあげろ!」という事があれば。

 是非ご自身で書きましょう。

 カクヨムとは、そういう場ですから。


 長くなった!

 今回はここまで!

 以上!

 それではね!!

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