22/06/28 そろそろ公開に踏み出そうとしているが……(※ネタバレ注意

 8話まで書き溜めた。

 これで暫くはもつ。

 なので、7/1から九章の公開に踏み切ろうと思っている。


 思ってはいるが……


 内心、バクバクである。


 八章の終わり方がアレだったので、読者さんたちが期待しているのは、その直後のアレコレだろう。

 でも。

 九章は、そこから時間が飛んでるぜ。

 合間の事は、主人公のモノローグで語られるけど、その事についてはあまり事が動かないぜ。


 これには色々理由があるんだよ。

 と、ここで言い訳。


 ① 人生、色恋だけでは生きていけない

 やる事があるからっすね。今は敵と冷戦の真っただ中。新しく諜報部隊を作った事も影響し、ぶっちゃけそれどころじゃない。

 主人公は自分に関わる色恋のアレコレよりも、そっちを優先させたいから、色恋にまつわる行動を起こさなかった。


 ② 男どもがその後行動を起こさなかった

 主人公のモノローグで語られるけど、獅子伯はケロリとして何事もなかったかのようにいつも通りだし、夫のツァニスも、主人公の肯定を受けても何も言わなかった。

 ま、これは小説が主人公の一人称だからそう見えるだけで、全然そんな事はないんだけど、そう主人公からは見えないんだからしょうがない。

 これが一人称の話の進み方だ。


 え?

 そいつらが何を考えているのか、私自身は考えてるのかって??(※幻聴


 ……か、かんがえて、る、よ……?


 忘れないように、メモをね、しておこうかな。

 書きながら考えないよ! 既に考えてるよ! ……ちょっと、だけ……


 まずは獅子伯。

 彼は物事を静観しようとしてるよ。

 あの行動自体の本心は、主人公に自分の気持ちを知って欲しかったから。

 その直前、主人公自身にああいう事を言われて、最初は口説かれてんのかと思ったんだよ、獅子伯。そしたら、腹違いの妹の事だった。アホか、お前、と。呆れたの。同時に物凄く愛おしく感じちゃった。

 彼女は言葉にこそしなかったものの(本人も自分で口説きになってる事に気づいていないし)、自分への好意を駄々洩れさせてるから、堪らず、つい、って感じ。

 もう獅子伯にしたら、主人公が可愛くて可愛くてどうしようもない。たぶん、主人公の行動がいちいちツボで、鉄の理性で表には出さないけど、内心萌えまくってるんだろうなぁ。

 その鉄の理性のおかげで、言葉にはしなかった。でも、そのまま(自分の本心を)無視したくもなかったから、ああいう行動に出た。


 これぞ、アレやろ? 世間の女子たちが望む、溺愛やろ? ……合ってる??


 その前の会話で『離婚しない方がいい』って言ったのも。勿論獅子伯が主人公に伝えた事も本心の一つだけど、一番重要な本心は言わなかった。

 離婚したら、自分の歯止めが利かなくなるかもしれないから、離婚しないで欲しい、という、ね。

 彼は辺境伯なので、侯爵や侯爵と関係悪化したくない。そう考えると、主人公へのアプローチは絶対ダメ。でも、それを度外視して主人公を欲しいって思ってる自分もいる。彼女が既婚者である事が、彼の歯止めになってた。それがなくなったら、自分がどう行動しちゃうのか分かってたから、離婚して欲しくなかったんだよ。

 ま、結局その願いも虚しく、主人公は離婚しますが。

 さて、意中の女が形式上離婚してフリーになりました。

 彼は静観しています。

 彼女が、また少しでも自分への好意を行動で表そうもんなら──

 と、虎視眈々と狙っています。


 次に。夫・ツァニスさん。

 彼は、主人公の『私がセルギオスだよ』という言葉を受けて。

 何も言わずに立ち去っちゃった。そしてその後、ちょっと主人公と距離を取りました。

 これは、彼女の答えにショックを受けつつ、それが怒りの感情として発露してしまいそうになったから。

 彼女に怒りをぶつけたくないから、何も言わなかった。

 本来であれば、感じた怒りの感情をその場で抑えてから、自分がどう思ってるのか伝えるべきでしたが。

 彼の悪癖が出ました。

 肝心な事は何も言わない。

 言わないと相手には伝わらないのにね。でも、気持ちは痛い程分かるよツァニスさん。


 夫・ツァニスさんが、主人公が恋焦がれていたセルギオスなんだと気づいたのは、八章の終盤、間者一網打尽作戦が終わった直後。

 地面に尻もちをついていた夫に、主人公が手を差し伸べた時でした。

 これと全く同じシチュエーションが、過去、剣術大会であったんです。

 手を差し出された時、それがフラッシュバックした夫。セルギオスの姿と主人公の姿が重なります。

 そしてその瞬間、主人公の髪がほつれて風になびきました。

 その時気づくんです。記憶にあったセルギオスと主人公が凄く似てるなってずっと思ってたけど、似てるんじゃない、本人だったからだって。


 今までは、双子だから似てるのは当たり前だって思い込んでました。

 でも。

 実は七章で主人公の実家に行った時、影で色んな人にセルギオスの事を聞いて回っていました。男装した主人公の事を聞いてるんだって聡く気づいた人達からははぐらかされましたが、それを知らない人からは、本当のセルギオスの事を聞いたんです。

 聞くほどに、自分が覚えているセルギオスと離れてくんですよ。

 自分が覚えているセルギオスと本当のセルギオスは違う。

 そして、自分が覚えているセルギオスと主人公が似てる。

 その疑念をずっとモヤモヤもやもや抱き続けていて、八章の終わりで、その意味に気づいた。


 彼が、主人公を愛する気持ちに変化はありません。

 愛してる。物凄く。

 でも怒ってる。

 可愛さ余って憎さ百倍。

 その感情を主人公にぶつけたくなかった。

 だから黙った。そして距離を取った。

 怒りが収まれば、きっと彼は浮かれますよ。

 だって、憧れの君が実はメッチャ傍に1年以上もいてくれたんだもん。妻だったんだもん。んで、自分の感情が間違っていなかったんだって知る。

 セルギオスのどこが好きだったのかというと、その公平性と高潔さ。ちょっと理想化しまくっていたけれど。そしてそれは、妻の好きな部分でもあるから。ああ、共通してる、自分はずっと一人の人に恋焦がれて、そして結婚まで出来ていたんだって。

 で。

 第一章から今日までを猛烈に後悔もする。自分は知らなかったとはいえ、大好きな人本人になんて事をしたんだって。

 その恥ずかしさもあるでしょうな。


 彼が、実際のところ、主人公を手放す気が毛頭ないのは、九章で分かります。

 九章で離婚した事が語られますが、主人公は再度雇用されます。子守、屋敷のコンサルタント、そして諜報部の司令官として。

『自分の妻』という人物が命が狙われ続ける関係上、それは嫌だったので形式上離婚はせども。

 主人公が屋敷で行う事や、したい事が変わらないように、そういう措置にしたんです。

 傍にいて欲しいから。

『待遇を悪くしたら、人が離れるよ』と、主人公が執事たちに言っていたのを、覚えていたんですね。

 主人公は『侯爵夫人』という肩書には、一切未練がない事は充分過ぎる程理解してる。必要なのは『待遇』。彼女自身が『ここに居たい』と思ってもらえる環境。その為に適当な立場を作って彼女に与えました。

 でも、自信なくなっちゃった。

 なんで自分に正体を秘密にしてたんだって。そんなに自分は頼りないのかって。

 ま、事実ではあるんだけど。

 一ミリも自分の事は好きじゃないのかな、って。

 でも裏で、そのフォローもされてるんじゃないのかなぁ。

 子守頭であるマギーが『愛情がなきゃお前の為に命張るわけないだろ』って、一番大切な事を伝えてくれるんじゃないのかな。


 主人公の行動は、アティの為っていうのが大前提です。でも、それなら、アティを攫って逃げた方が楽だし早い。そうしないのは、夫の立場も守ってあげたいからなんですよね。

 主人公、意識はしてないけど夫にかなり愛情を持つようになっていますね。

 恋愛から始まっていないので、友愛・家族愛に近いんだけど──


 こんな感じ。


 ま、上記で書いた事。

 主人公目線からは、一切分からないんだけどね。

 自分のカラマンリス邸での待遇が一切変わっていない事は知っていますし、物凄く感謝しています。そこに夫からの愛情も感じてるけど……

 負い目があって、素直に受け取れないんですよ。素直に受けとりゃいいのに。


 そんな裏を考えつつ、九章の大半ではそこの事が語られません。


 読者さん、ヤキモキするかも。

 そして、見切りつけてしまうかも……

 最後の方に、ちょっと展開させたいな、とは思ってるけど、それまで待ってはくれないだろうな。


 でも。

 いいや。

 だって、そういう話が書きたいんだもん。

 恋愛至上主義な事なんて書きたくない。

 色恋よりも、主人公にはやりたい事がある。そっちを書きたい。

 色々、恋とか愛に心揺らす事もあるかもしれんが、それは人生のほんのごく一部でしかなく、それ以外にも、やりたい事、したい事、それが沢山ある。

 そういうを書きたいんだよね。


 私は、その箱庭を、ニヤニヤしながら眺めるのが好き。

 さぁて、今後どう転んでいくのかな。


 ……その為には、九章ももっとしっかり書いていかないとな。

 頑張らなきゃ。

 頑張るよ!

 頑張る!

 そして、書ききってやる!!


 よし。

 気持ちが固まったところで──


 仕事してこよ。

 なんで今日は月曜日なんだよ……


 まぁいいや。

 今回はここまで。

 以上!!

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