22/01/22 八章について考える(※ネタバレ注意)

 悪役令嬢アティがマフィアとアレコレやるとした時。

 紹介するのは、というか、繋ぐのは恐らくベネディクト。


 本来のベネディクトは、現当主を追い落とし、カラマンリス侯爵家を乗っ取る事を使命としている。マフィアを紹介して、カラマンリス侯爵家の汚点を増やしていく事をするだろう。少しずつ、ラエルティオス伯爵家に取り込まれていくように。


 だとしたら。

 例えばゼノのルートの時。

 悪役令嬢アティは、ゼノと乙女ゲームの主人公が困ったり、絆を揺らがしたり引き裂いたりする事をしようとするだろう。

 具体的にどんな事でだろうか?

 ってか、婚約者ですらないゼノと乙女ゲームの主人公をアレコレ邪魔しようとするのは何故だろうか?

 幸せになろうとしている二人が許せないから、というのは、まぁある理由だとしても、少し弱いな。


 ……カラマンリス侯爵家の裏の黒い噂があり、それを調査しようとしていたのがゼノで、って感じ? 痛い腹は当然探られたくない。

 その頃は、ゆるゆるとラエルティオス伯爵家に取り込まれ始めている為、黒い噂とか色んなモノがボロボロ出てくるのだろう。

 不正行為とかもあったのかもしれない。

 もしかしたら、カラマンリス侯爵が外国と通じて、王家を害しようとしているとかっていう、噂もたてられていたかもしれないね。

 あくまでそれは、「現当主がヤバイ人」という、侯爵という爵位を引きずり降ろされる為だけの工作なんだけど。

 そんなの乙女ゲーム側・主人公側からは見えない。

 だから、それを打倒する話なのかもしれないね。

 次期辺境伯である、ゼノの活躍として。

 それを邪魔しようと、マフィアの協力を得たアティなのかもね。

 アティはマフィアを使っているつもりでも、本当はマフィアを通じてラエルティオス伯爵家に操られてるだけなんだけど、当人は当然知る由もなく、ね。


 小説の時間軸では、まだそんな事もなく。これからそんな予定もなく。

 ヨシ、それをベースに考えよう。

 だとしたら。

 乙女ゲーム中に出てくるマフィアの悪いヤツが、小説の方では若頭とかで登場。

 勿論、改心させるなんて事はするワケもなく。出来ないし。

 だとしたら、利害関係を一致させて寝返らせる、だな。


 セレーネさんは、理不尽な事は大嫌いだけど、別に正義感に熱い人というワケではなく、場合によっては手も汚すよ。清廉潔白というワケじゃないので、彼女。ご存じの通り、非武力主義というワケでもない。

 だから、アティの為ならマフィアとすら手を結ぶ事もする。

 たぶん、セレーネさんが許せないのは『弱者を食い物にする』という部分。

 そこさえなんとか出来れば、協力する道を模索する事は可能であると思われる。


 だって、たぶん彼女から見たら。

 貴族だって、自分達で法律作ってその法律にのっとって合法的に弱者を食い物にする奴らが多いって認識だろうしね。


 よし。

 そうだとして。

 それをどうやってこの小説の方に反映させるか、だな。


 本編の構成の方に少し戻ろう。

 今考えなければならないのは、発生している脅迫じみた事が、ラエルティオス伯爵家の差し金である事の証拠を掴みたいんだ。

 そして、正面きって戦う為の材料を探している。

 今世情的には先方有利なので。


 ふーむ?

 普通、何か直接手を下したりするのは末端構成員だよな。

 末端構成員をいくら捕まえたって、トカゲのしっぽ切りで本体までは届かない。

 本体と直接話ができなければ意味がない。


 そこをどうするか?


 すんなり考えられるところは……

 ワザと掴まって本体近くまで行く事だけど。でも、今回は誘拐等はしないだろう(今回の相手の目的は、精神的に追い詰める事であり、直接的にアレコレする事ではないから)、その手は使えない。

 さてどうしたものか。


 例えば?

 末端を捕まえて、本体への伝言をお願いし、引きずり出す。

 勿論別荘に直接、ではなく。

 交渉する場に。

 そこで交渉する。

 とか??


 いや、別荘から帰って来た後でもいい。

 それが最後の締めになるんちゃう? ならんか??

 良く考えろ、流れから考えろ。


 本来の目的は、ラエルティオス伯爵家と脅迫行為の紐づけ。

 今はその証拠がないから、それをGETする為に別荘地に来た。

 これは譲れない。

 だから、証拠をGETできなくてはいけない。そのGETできる所までは、第八章の中に入れるべきだ。


 ふむ。

 八章の中でヤマとなる部分と絡めて考えよう。今回はまた、男装しての大立ち回りを入れたいんだ。

 そこでは、ルーカスの話も裏切り者として動かざるを得なかった、というエピソードも入れたいと思っている。

 そこをどう構築するか?


 男装大立ち回りは絶対入れたい。

 なら、まず、どうして男装してたのか、大立ち回りしたのかの理由を考えよう。


 いや、先に男装で大立ち回りして、誰と戦うのか、結果どうなるのか、そっちが先だ。理由は後からどうとでもつけられる。

 戦う相手はマフィアさんたちですね。

 末端ではなく、若頭がいいな。

 で、若頭と戦い勝って生捕りにする。

 そして、交渉するの。

 ヨシ、良い感じ。

 若頭は、きっと事が思ったように運ばなくて、直接出張って来た。

 いや、むしろ釣り出した。その為に何か餌を用意したのかもしれない。どんな餌だろう?


 マフィアの目的は、分かりやすく色々危険な事件を起こし、ツァニスを『伯爵に逆らうと大切なモノを傷つけるぞ』という脅迫による、精神的な追い詰めを行う事。

 餌は、セレーネ自身だろうな。

 アティは絶対危険に晒したくないだろうから。


 あれ? でも、そうすると、ルーカスの裏切りは?

『結局アティを傷つけられない』というシーンを見せたい。

 だとすると……セレーネが餌として自分を囮にしている時に、裏でルーカスがアティを連れ出してしまうのかな。

 うーーーーーーん。

 ツァニス何してんだよってなるなぁ。


 戦闘シーンとかを思い浮かべよう。

 書きたいシーンとシーンを繋ぐのが、スルスル書ける秘訣や。

 若頭との1vs1のバトル。

 いや待てよ? そこに一人しかいないのは変じゃね?

 かといって、1vs多数はムリムリムリ。

 主人公側にも仲間が必要。


 だとして、真っ先に浮かぶのは獅子伯。

 しかし、獅子伯がいたら、メインの敵と戦うのは主人公じゃなくて獅子伯になっちゃうよ。

 獅子伯がいても主人公がメインで戦う方法ってあるかな?

 普通に考えると、獅子伯が前出るよね。

 何かがあって、獅子伯が前に出れなかった、とか?

 何があったんだ……


 つか、そもそも大将出張るのか?


 うーーーーーん。

 なんかシックリ来ない。うーん。

 アレクが狙撃でサポートする姿は浮かぶのに。


 あー……

 男装バレするとかしないとか考えてた事が引っかかってるのかもしれない。

 タイミングとしてはそろそろだと思ってたんだけど、ソレを入れると話が長くなりそうだから、どうしようか悩んでたんだよね。

 ……正直、もうそろそろバラしちまいたい。

 ただ、バレた時のスムーズなイメージがまだ出来ない。


 なんでかってーと、その場にいる男がセレーネだとバレるのは簡単なんだけど、過去戦って憧れていたセルギオスとセレーネが紐づかないな、と思って。


 うーん。

 ちょっと文字にしてみますか。


 男装姿を見たツァニスは、それがセルギオスだと思う。彼は、頭の片隅で、セルギオスが実はまだ生きてるんじゃないかと思ってたから。目の前に出てきたら『生きていたのか! やっぱり! そうじゃないかと思っていた!』と言うだろうな。


 実は。

 第一話でセレーネがアティを救う為に投げた懐中時計、ソレをツァニスは未だに大切に保管してるの。セルギオスが生きていた証として。

 でも、セレーネに死んだと言われて、揺らいでる。信じたいけど生きていると言う確証が殆ど出てこない。

 だから彼は、死んでると思いつつ、生きていてほしい、と思ってる状態。


 セレーネは、ツァニスを前にして逃げられない状態の場合は、何も言わない。アティを助けたり敵を倒す事を優先させるから。

 そして協力して敵を倒したりするだろう。


 ふむ。

 問題はその後だな。

 バレるシチュは、実は既にイメージしてる。

 解決したか、と安心した瞬間、敵が最終手段としてツァニスを狙う。それをセルギオスが庇うんですよ。

 その時、その衝撃でカツラが外れちゃう。

 そして、セレーネだとバレちゃうんですわ。


 その場では、取り敢えず敵を倒したとして帰るし、当面の問題を先に結論づけるけど。

 最後、多分問い詰められる。


 ──あ、そうか。

 男装バレしちゃうと、それが章のオチに来ちゃうから悩んでたんか。

 本来は、セレーネさんと獅子伯のアレコレにしたかった。


 うーん。

 両立できるのか?


 出来る、気がする。

 同時に起こるワケではないので、例えば、先にツァニス、後に獅子伯、の順とかね。逆でもいいけど。


 えーと……

 ツァニスさんとのアレコレは、イメージでは大団円、ではないんだ。

 ツァニスさん、責めるよ、セレーネを。一年間も、いや、もっと長い間自分を騙していたのかって。

 今、彼らはなかなか周りを信じられるタイミングではないから、嘘をつかれていた事や真実を秘密にされていた事のショックが酷い。


 だから、仲違い的でその場は多分終わる。


 その後に獅子伯とのアレコレになったとしたら。


 んー。

 セレーネさんは、自業自得だという罪悪感があるだろう。

 その時に獅子伯に会った時に……


 自分はもうツァニスとアティの傍にはいられないだろう、と少し弱音を漏らすかも。

 でも、ツァニスとアティをよろしくお願いします、とお願いするかな。

 そして、獅子伯は大切な人と離れ離れにならないよう、自分が幸せになれるよう素直になる事を勧めるかな。

 自分はダメでしたけどね、なんて自嘲しながら。

 でも、主人公は後悔はしてない、と伝えると思う。

 これが自分が考えたベストだったからって。


 それが、章のオチになるかな。


 だとしたら。

 男装バレする為に、戦いの場にはツァニスもいないといけない。

 大将たちが出張るって、あんのかな?


 ここら辺、もう少し詰めていこう。


 それは次のエピソードでね。

 それでは次回!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る