21/11/29 八章を考える④

 面倒クサイ方向に話を振っちゃったなぁ。

 自分で書いているんだけれども。

 いやホント、事件の規模を大きくするつもり、なかったんだよ。


 自分の知識と思考レベルは自分で理解しているので。

 そんな大きな話を私程度の脳みそですんなり書けるワケがないって。

 そんな事をしたら、片手落ちまくりの領地経営ものになっちゃうから。


 でも、なっちまったもんはしょうがねぇ。

 出来うる範囲の事を考えておこう。

 ま、考えたところで、作中では明言されないんだけれどもさ。ははっ。


 おそらく中央政治は、穏健派と革新派の2つがある状態なのだと思われる。

 幕末をイメージしてみた。討幕派と佐幕派。でもちょっと違うね。

 ええと。

 文化としては工場化が進んできているので、工場勤務させる為の労働力マンパワーが兎に角必要となった時代。

 だから革新派は人を集める為に、手っ取り早く他国侵略・植民地化を目指している。

 穏健派は、早すぎる技術革命を調整しながら、今ある活用されていない人資源を活用する事で調整し、場合によっては他国と人や技術をやり取りしながら発展を目指したい。そうじゃないと足元から崩れる事がありうるから。


 大規模工場が生まれると、そこで働く人たちが必要となる。

 工場は農家に比べると圧倒的に稼ぎやすいので、農家よりも工場へ出稼ぎへ出す農家が増えて行く。

 そうすると、農業をやる人が減り(場合によっては農業をやめてしまう家も出てくる)農業系生産性が落ちる。農業生産率が落ちると食糧問題が発生する事となり、諸外国に食料事情を頼る事となるが、そんな危険な事はできない。


 革新派は、その不足するマンパワーを、外部から人を連れてくる事で解消を考えている。

 穏健派は、外部からの人の流入で文化やルールの混乱を懸念している。農業放棄する家が出ないように法律やルール等の改正及び、諸外国との付き合い方を見直す事によって(一方的に頼るのではなく、持ちつ持たれつの関係に持ち込み)なんとかしようとしている。

 どのみち、絶対王権から民主主義に傾き始めている時代。

 穏健派も革新派も、基本自国が富む事と自分達の特権保持の為にアレコレ試行錯誤しはじめている。


 アンドレウ公爵家とメルクーリ伯爵家は穏健派。

 メルクーリ伯爵家は辺境伯でもあるから、そりゃ火種になるような事は好まないわ。諸外国との兼ね合いがあるし、真っ先に被害に遭うのが自領地だからね。

 アンドレウ公爵家が穏健派なのは、メルクーリ伯爵家と仲が良い事もあるけれど、下手な火種を増やしたくないのだろうな。下手に平民が富んで力をつけると、王家存続にも危険があると感じているのかもしれない。


 カラマンリス侯爵家自体は、前侯爵・前々侯爵までの時代は、穏健派と革新派の間に位置し、どっちかに偏り過ぎないようバランスを取っていたのだと思われる。


 今回のヴィラン、カラマンリスの伯爵・子爵家は革新派。

 カラマンリス領は工業化について、ゴリゴリに進めている領地に比べると出遅れた感があるのかもしれない。前侯爵がどっちつかずの慎重派だっただろうし。侯爵家がある領地であり大貴族であるという自負と、前侯爵の弱腰による出遅れ感を取り戻し、ゴリゴリに色々推し進めたいという願望があるのかもしれないねぇ。


 だとしたら、アンドレウ公爵家とメルクーリ伯爵家と対立させる事は可能なような気がする。

 アンドレウ公爵家とメルクーリ伯爵家は、人と技術の怒涛の流入による混乱を危惧しているのかもしれないなぁ。今までその地にあった文化を元にした「暗黙のルール」が通じなくなり、治安も悪化する。人が都市部に集中して地方が過疎化する事もあるだろうしね。

 んー。という事は。アンドレウ公爵やメルクーリ伯爵の領地のメイン産業は農業か。人の流出を懸念してんのか? でも、それなら革新派のように手っ取り早く人を外部から入れる方向に考えてもおかしくないけれど……

 メルクーリはそれはしないか。メルクーリは隣国との国境でありつつも、諸外国との流通の要所でもあり、他国との緊張関係は自領に多大に影響してしまう。

 そりゃ穏健派になるか。

 アンドレウ公爵家はどうだろうか? おそらく、国の要所要所に配置された公爵家だと思うんだよね。例えば、気候が安定した地域の一大農産領なのかもなぁ。メルクーリに近いのかも。メルクーリが国の北西にあり、その東側の山脈の隙間にベッサリオンがある。ならそのメルクーリの南側にあるのか?


 ……うーんと。

 地図を思い描こう。苦手なんだけど。

 ベッサリオンは縦長くて山脈の隙間にある領で、北側は海なんだ。冬はその海から極寒の海風が吹き上がって来るので、ゴリゴリ寒いんですわ。

 その西側にメルクーリ領がある。といっても、ベッサリオンの南側もメルクーリで、東側にも一応別貴族の領地はあるんだけれど、山が険し過ぎてそっちはあまり通れないようになっている。

 ベッサリオンに行くには、メルクーリを通って南側から入る事になる。

 メルクーリは、国の北西に位置した広大な領地で、広大な草原地帯があり山と海もある豊かな領地。北側が同じく海であり、西側が別の国と接している。川か山かで隔てられてるのかなぁ。それとも万里の長城みたいのがあんのかなぁ。


 アンドレウ公爵領はどうなんだろうか?

 アンドレウ夫人を見てると、結構流行や文化等に活気がある領地であるような気がするんだけど、あ、いや。アンドレウ夫人は王都近くに住んでるから領地あんま関係ねぇや。それか、もともと彼女の出身領に関係しているだけか。

 王家に連なる公爵家は国の要所となる領地を保持している。ニコラの出身地でもある避暑地があるってことは、おそらく南側にあるとしてもおそらく海とは接していない。雪もあんまり降らないってニコラは言ってたから……

 あー。あれかも。昔は水路が交通の要だし、川や湖を抑えているのがアンドレウ公爵家なのかも。


 ……あー。クッソ面倒くさくなってきた。

 詳しくはいいや、大体の位置を考えておこう。

 アンドレウ公爵家はメルクーリの南側の湖と川の領地。王都から見ると北側にある。

 カラマンリス領は王都から見て南東部にある。

 以上!!

 細かい部分は、事件の詳細と絡めて考えよう! そうしよう!!


 興味ない設定部分考えるのツライ……

 イベントに絡む部分から必要な所だけ考えるようにしよう。

 脳味噌沸騰しそうや……


 ……あとは。

 主人公が見えてる地雷にどんな嫌な事されるかを考えないとな。

 あー。思いついちゃった。

 アティ母親族が、アティに聞くの。

「アティも本当のママが恋しいよね?」

 って。

 アティは困るだろう。

 勿論主人公の事はだーい好き。

 でも、主人公はアティの母・アウラの写真をよくアティに見せていて、いかに母がアティを大事に大切にしてきたのかを伝えて来たので、記憶にはない母にも会いたいなって思ってた。

 でも、それを言ったら、主人公が恋しくないと言うことになるとアティは感じる。

 何も言えなくて、アティは固まっちゃうの。

 主人公ブチギレポイントになりそうだよね!


 あと、コレは絶対外せない。

「アティが可哀想」

 コレを言われて欲しい。

 そして、傷ついて欲しい。主人公に。

 どんなタイミングがいいかなぁ。

 色々調べた時に出てきた話によると、義理の父母が子供との事で悩んだり苦労している事を愚痴った時が多いらしい。

 うーん。しかし主人公はあんま悩まなそうなんだよなぁ。

 だとしたら、アティの事で悩んでる時じゃないね?

 なんだろう。『子供が可哀想』って、どんな時に出る言葉かなぁ。

 自分ならどんな時にウッカリ言っちゃいそう?

 考えてみよう。


 ……。

 …………。

 ………………。

 いや、でねぇな、この言葉。知り合いの子育て世代がどんだけ苦労してるのか見てきてるからなぁ。

 自分が嫌な人間になったとして、相手を傷つける意図を持ってその言葉を吐くとしたらどんなタイミング?

 最高に相手を傷つけるタイミングを選ぶよね、きっと。一番威力を発揮するタイミングというか。

 例えば。

 アティが意図せず小さく怪我をしてしまった時とかね。


 んで。

 アティ母親戚の意向で、アティは外で遊ぶ事が出来なくなっちゃうの。ニコラやベルナと一緒に部屋の中だけで遊ぶ。

 アティは外を見ながら、おうまさんのりたいなぁ、とか、ワンコかわいいなぁ、とか、そういう事を言うの。

 危ないからダメよ、危なくない遊びをしようねって、アティ母親戚に言われて凹むアティ。

 外で遊ばせたいって言う主人公に、アティ母親戚が「子供が怪我をしてもいいっていうの!? これだから継母は! 継母の愛情なんて所詮他人事! 子供への本当の愛情がないからそんな残酷な事が言える!!」的な事をぶつけんの。


 主人公、傷ついて欲しい!!(※鬼


 よし。

 こういうストーリーの構築の仕方、楽しくなってきた!

 他の「これ入れたいやり取り」を考えていこうぜ!!


 続きは次エピソードで!

 それでは!!

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