21/10/14 七章の事を考える⑪ ※ネタバレ注意※

 第七章が、一息ついた。

 211話まで書きおわり。

 ここまでが起承転結。大体の計算で約6万字。


 ここから折り返していきます。


 はー。我ながら難しい問題にソフトタッチしてしまったな。

 精神が削られる削られる。はぁ。


 そっちはまぁもういいとして。


 大切な事考えてなかった!

 章の概要は考えてたけどプロットまでは落とし込んでなかったから!

 オチまで続くギミックの流れを考えてなかった!!


 主人公の実家までノコノコついてきた敵子爵が、どう追い詰められるのか全く考えてなかったよ!!


 主人公が毒を仕込まれた後、どうやってその毒を指示したのが敵子爵だと確証を持たせるか。

 全然考えてなかった!!


 ・幼女が知らずにセレーネの食べ物か飲み物に毒を仕込む

 ・セレーネは知らずに摂取するが、途中で零したりして致死量には至らず

 ・しかし症状が出て倒れる

 ・目が覚めた後、毒の存在が疑われ、セレーネの食事に触った唯一の存在、幼女が疑われる

 ・が、幼女がそんな事出来るはずもなく、本人も自覚がない

 ・じゃあ何故毒など持っていたか、待たされていたか

 ・幼女が『本当に困った時に飲みなさい。助かるから』と教え込まれていたことを知る


 ──いや、違うな。変。整合性がとれない。

 ・幼女は、コレが赤ちゃんができるようになる為のお薬だと言われていた。

 ・敵子爵に吹き込まれたこと

 →侯爵家は赤ちゃんが生まれなくて困ってる。セレーネが薬を飲んでくれないから。だからコッソリ飲ませちゃおう。女の人はみんな本当は飲んでるんだから。

 そう言われていた。


 それが幼女口から漏らされる。


 いや? でもさ、敵子爵、幼女の口から本当の方がバレてしまう可能性があるから、そんな下手な手は打たなくね?


 セレーネの命を狙うなら、疑われないようにするよな?

 疑われないように毒を盛るって、どうやって??

 自分が絶対に疑われない方法で毒を入れたとしても、ベッサリオンでは余所者である自分が真っ先に疑われる筈だよな。

 だから必要なのはスケープゴート。

 その為の幼女。

 だから、幼女の口から真実が漏れちゃマズイ。

 敵子爵が飲ませるように指示しちゃダメなんだ。

 あくまで、幼女が、自発的に毒を仕込まないと。


 もしかして、殺意があったのではなく、事故?

 いや、違う。なら逃げる理由にならない。


 幼女に毒を盛るよう仕向けつつ、それが幼女の口から漏れないようにする為の方法とは?? でもバレる方法とは???


 そんなんあるのか???


 おもいつかねぇっ……!


 敵子爵は、セレーネを100%狙っていた。だから幼女に持ってる毒を仕込むよう仕向ける。


 例えば……

『普段から持ち歩かせているソレは、どんな時に使う? 今、セレーネ様はどうだろう? 聞いておいで』と、それとなく誘導。

 幼女はセレーネに聞く。元気ないの? と。


 セレーネは何かがあって、『ちょっと元気ないかな』と、つい答えてしまう。

 だから幼女は毒をセレーネの飲み物とかに入れた。元気になって欲しくて。


 幼女にどうして毒を入れたんだと問い詰めても『元気になって欲しかったの。その為のお薬だったから』と答える。

 カラマンリスの貴族の女性は、昔は風習として自決用の毒を持ち歩く習慣でもあったのかな。

 ツァニスからそれとなくそんな話が出ればいいな。


 本来であれば、そこで話が終わった筈が、セレーネが突っ込む。

 どうして私が元気かどうか聞いたの? と。

 その時、敵子爵に言われたと幼女がもらす、とか?


 じゃあ、セレーネが『ちょっと元気ないかな』と答えた理由は、敵子爵の何かの差金だな。セレーネの心をへし折りにいく何かを仕掛けた。


 なんだろう。


 簡単なのは、誰かと敵対とか喧嘩させる事だな。

 敵子爵が仕向けるのが可能なのは、ツァニス侯爵と、祖父、かな。近しい立場の人間をそれとなく誘導し喧嘩させる。

 何だろう。

 子供の事を持ち出して、祖父をけしかけるかな。

 もしかして。

 ツァニスはポロッと、敵子爵に、子供の選択肢はセレーネに持たせてるって言っちゃうのかも。


 それを知った敵子爵は、祖父と母にそれを告げ口する。

 嫁たる者子供を産む事が命題だと思ってる祖父と母は激怒だな。

 口論が高じて、お前の存在価値はソレしかないのに、ぐらいブチかましそう。


 祖父と母からそんなん言われたらさ。

 心、折れるよね。


 祖父と母から、自分は他人の子供を産む事だけしか期待されてなかったと知ったら。

 ホントはそんな事ないんだけどね。


 今回、七章では、祖父と母からの当たりが強いんだけど、これには理由があるの。


 祖父は、女の幸せは強い男の元へと嫁ぎ、その人の子供を授かって育てる事だと思ってるの。それが幸せの唯一の方法だと思ってるから、セレーネにその道を歩かせたかった。孫可愛さ。歪んでるけど。

 母は、貴族子女の幸せは由緒正しい貴族に嫁ぎ、その血を後世に伝える事。貴族子女にしか出来ず・許されている唯一の権利だと思ってんの。

 これも娘可愛さなの。自分の幸せがそうだから、娘にも同じ道を歩いて欲しい。

 こっちも歪んでる。


 二人は『子供を作る』という点では意見が一致してるから、共闘してセレーネを責めるの。

 二人からしたら、セレーネは何故自分から幸せになる権利を放棄してんだよ?! バカなの?! という風に映る。

 個人の幸せは、その個人による、という事を理解してないの。


 あと、純粋に、自分のひ孫、孫が見たかったの。

 祖父と母にとっては、セレーネは亡くなったセルギオスの代わりでもある。

 セルギオスの子供が見たかったんだよ。


 ま、どのみちセレーネ個人を見てない事になるけど。


 よくそんな環境で歪まなかったよな、と思うけど。

 彼女は孤独ではなかった。

 セルギオスがいたから。

 双子の兄セルギオスが、ずっと彼女を肯定し続けた。幼馴染のアレクも。生まれてきた妹達も。

 セレーネの立場を憂いた執事も、実は彼女を可愛がっていた。その執事はもちろん結婚してるんだけど、きっと子供がいないんだろうな。女の子が欲しいねって奥さんと話してた。でも出来なかった。執事さんは珍しく恋愛結婚で、子供ができなくても離婚する気もサラサラなく。

 だからセレーネが可愛かったんだと思う。

 セレーネに護身術やなんちゃって柔道技、その他を仕込んだのは、その執事だから。


 あー。執事さんの背景が見えるなー。

 きっとセレーネの立場を憂いていただろうな。自分なら『女の子なんだから』と役割を押し付けたりしないのにって、きっと思ってる。

 だって欲しくても出来なかったんだもん。生まれてきてくれただけでも幸せな事なのにって、きっと思ってただろう。

 だから、執事さんはセレーネに、自分が娘にしてあげたかった事をしたの。セレーネの希望を、祖父や両親に内緒でコッソリ叶えてあげてくれていたの。


 セレーネのもう一人の父は、きっと彼だな。


 セレーネは、実の父に愛着を感じてない。完全に放置されていたから。何を言っても聞いてくれないし邪魔扱いしてくるしで。

 他人のように感じてるかもしれない。


 話を戻そう!!


 そういう話の流れに持って行くとして。

 幼女とセレーネさんの間柄をもう少し近寄らせないと、幼女が『主人公に元気になって欲しい』と思わない。

 何か入れよう。エピソードを。先へと繋がる、ね。


 あとは、養子となる少年とのエピソードも入れたい。これは、少年の人柄の説明でもあるし、主人公や子供たちとの新興を深める事により、『この子も助けたい』と読者にすんなり納得させる為でもある。

 何かエピソードを。


 後ろからの話の構築はこれぐらいでよい。


 幼女の言葉から、敵子爵が怪しい、となる流れから敵子爵が逃げるところまでの大まかな流れを考えておこうか。


 これは次のエピソードにするぞ。


 では次で。

 それでは!

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