20/11/14 オチを考える上で大切な事に気づいた。

 すっげぇ、今更な事に気が付いた。


 フィクション作品っていうのは、要は「読み手に感情を与える」事が大前提なのではないか?


 だから。

 私がオチの部分で考えるべき事は「このオチで、読者にどんな感情を湧き起らせたいのか」じゃないんかい??


 オチのシチュエーションも内容も大どんでん返しも、すべて「読者にこういう感情を感じて欲しい」を目指して書くのではないか??


 私は、その一番重要なところを、スッカリ忘れてしまっているのではないか?


 だから上手く考え進められないんじゃなかろうか?

 世界観云々じゃない。キャラ云々じゃない。


 一番大切なのは「感じて欲しい感情」だ。

 違うか!?


 ハイ! すみません!! すっかりそれを忘れておりました隊長ッ!!!


 ……そう。

 大切なのは「感情」だって。

 私が今まで(息抜きとかで書いたもの以外の)書いた作品は、全て「オチの部分」で「こういう感情を感じて欲しい。私が感じるように」というのを目指して書いていたハズだ。

 今回は「書く事」がメインとなってしまい、その事がすっかり抜け落ちてしまっているではないかっ!!


 そう!

 大切なのは!!

 大切なのは、その「感情」!!


 感動するのか、大笑いするのか、ほっこりして欲しいのか、スッキリして欲しいのか、それが問題なんだよ!

 そして、散々考えていたオチの「子守歌」では、どんな感情が浮かんでくるのか自分でもイマイチ分かってないんだよ!

 だから迷子になってるんだ!!


 目から鱗。

 そこに気づいた時、ホント、目の覚める思いでしたよまったくもう。

 なんでそんな超大切な事、全然気づいてなかったんだろう。

 凄く自分でも不思議。


 特に、特にさ。

『数多の誰かの物語』なんかは、その「オチに感じて欲しい感情」に全振りした作品じゃん。だから思い入れが強いんじゃん。

 ……これが、論理を分かっておらず感覚で書いていたから気づけなかったって事なんだよね……

 自分でもビックリさ。


 そう。

 だからね。

 オチの部分も含めて、キャラの事も含めて、もう1回全部見直してみる事にしたよ。


 多分、まだ自分で「読者にこういう感情を感じて欲しい」が全然浮かんでないから。

 それをまず浮かばせようではないか。


 私の作品を読んでくださる読者さんは、結構、情感的でありつつ、感動寄りな方が好きな人が多いとみた。

 ……いや、どうかな。結構ここは意見が分かれるかもしれない。


 意見が分かれたら──私の好きな方を選択してみたらいい。

 私が好きな『読後の感情』を、私の読者さんに押し付け──いやいや、一緒に感じてもらえればいいのではないか。


 さて。

 今回はどんな感情にしようかな。


 エンタメを書きたいから、スカッとした気持ちがいい。

 でも、その中に混じる情感。達成感と疲労感。祭りの後片付けをしている時のような。

 色々大変だった事を思い返し、複雑な気持ちになりつつも、次の事を見据えて気持ちを何とか整理するような。


 だから。


 精神汚染の力を何とかする以外にも、何かにカタをつける必要がある。

 むしろ、この作品でのキモはそっちだ。


 どんな感情にするか。


 ……そういえば。

 この作品は、子守ナニーの復讐物語でもあるんだ。

 そうか。

 だから、むしろ、そっちの問題の解決に、感情のキモを持ってくるべきなのかも。


 復讐の解決は。

 復讐を遂げる事か。

 いや、でもそれって主人公や事件に関わった人間を破滅させる事だから、それを遂げられちゃ困る。

 出来れば、復讐を良い形でやめる事だけど──

『誰もそんなことは望んでない』

 とか

『復讐しても得るものはないから止めろ』

 とか説得するのは違う。

 そんなの、復讐されたくない側や、そういうのを見たくない側の言い訳だ。

 肝心なのは子守ナニー自身が納得して復讐心を鎮める事だ。


 主人公が、村の壊滅に噛んでしまったのは事実。

 主人公自身、その事をずっと後悔とか罪悪感とかそういう感情としてずっと持ち続けているだろう。いくら操られていたからといって、手を下してしまったのは揺るがないから。

 ──主人公は、鎮魂の意味を込めて、何かをしているかもな。墓参りとか、そういうの。

 それで解決するとか、罪悪感を軽くしたいとか思ってるのではなく、本来死ぬべきではなかった人達、自分が手にかけてしまった人達の魂を、純粋な意味で慰めたいと思っているのかもしれない。


 で、子守ナニーはそれを後で知る、と。

 でも、だからといって許しはしないだろうな。

 もし私が復讐者だったら、『そんなんで許されると思うな、お前も地獄を見ろ』と拗らせるわ、絶対。

 主人公も、子守ナニーの事情を知ったら、『アンタには復讐する権利がある』と納得するだろう。

 そして、逃げずに対峙するかも。というか、して欲しい。

 でも、多分、復讐をそのまま受け入れないかな。甘んじて受けるとかはしないと思う。

 少なくとも、この時点では。

 主人公自身は今は守りたいものもあるから、自分が今死ぬわけにはいかない。せめて、子供の中の危険が取り除かれるまでは絶対に死にたくはない筈。


 そうなった時、どう決着をつければいいのだろうか?


 自分なら、どうすれば納得して復讐をやめる?


 ……いやあ、私ほど捻くれた人間なら諦めないよなぁ。何があっても。

『もういいや』と諦める事態にならない限りは。

 でも、子守ナニーには『諦める』という後ろ向きな選択肢はとってほしくない。

 納得の上で、復讐をやめてほしい。

 どうしたらいいんだ?

 なんか、物凄く難しい問題を、私は今考えてないか??


 私が何かを諦めるとした時は、代わりとなるものを見つけた時だろうな、と。

 でも、人生の大半をかけた事を止めるとした時──なんだろう。代わりとなるものって。


 失ったものを数えるな、という言葉を聞いた事がある。

 例えば、亡くなった人の年齢を数え続ける事だ。

『もし生きていたら──歳になってた筈』とか。

 それは、ホント何の足しにもならないんだよね。死んだ人は生き返らない。

 でも、数えてしまう気持ちはとても分かる。

 ありもしない『もし』にすがってしまわないと、精神が保てない時もある。

 分かる。

 前を向けない時もある。

 自分の形が保てなくなるんじゃないかという程の喪失感を味わった時、新しいものを手に入れる力もなく、出来るのは思い出にすがるだけ。


 だから──彼の為に、何かが残されていて、それに気がつく、という展開ならアリか。


 そして、それが最初から彼のそばにあったらエモいな。


 それ、確か結構前にババアが眠る展開を考えてた時にもそうだといいなとか漠然と考えていたよね。

 それ、アリかも。


 じゃあ、彼に残されていて、ずっと実はそばにあったものってなんだろう。

 なんで気づかなかったんだろう。

 そして、それを見て彼は何を受け取ってどう復讐を止めるんだろう?


 うわ、それもなんかメッチャ難しいなぁ……

 気づかないのは……なんか、キーとなる事があったからか。

 最後の瞬間、それに気づくのか。

 それで、残された事が何か解放されて、彼に残されたものが分かる、と。


 それはなんだろう……

 簡単に思いつくのは『メッセージ』だよなぁ。

 ここに、テーマである『二面性』も絡められないかなぁ。

 メッセージ以外にもあるかなぁ……

 家族の映像的なものとか??

 隠された真実とか……?


 隠された真実ってなんや……


 実は、主人公は殺してないとか??

 いや、それはどうなんだろう……

 どうなんだろう……


 主人公はその時、我を忘れていた。

 多分、我に返ったのは、師匠が命をかけて『精神汚染の力』を赤ちゃんに封印した後だろう。

 だから多分、主人公はその時自分が何をしたのか分かっていなかった筈。

 でも、記憶の断片は残ってて、人を殺した感覚とかがあったんじゃないかなぁ。

 そもそも、殺し合いさせるような力だったから、その中で主人公が殺してないっていうのには無理があるんじゃないか??

 精神汚染の力にあらがって、なんとか自分を抑え込んでいたとか? 殺そうとした手を自分で止めたとか??


 そして、その映像が展開される、とか??


 うーん、いや、ホント難しいなぁ……


 もう少し考えてみよう。

 今回はここまでね。

 続きは次回。


 それでは!!

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