20/10/04 『表現したい感情』の思いつき方

 どうすりゃいい?


『勢い・リズムがありつつ、書き方の技巧が凝らされ、感情をコッテリ込めた作品』


 なんて、言うのは簡単。

 書くのは……魂削れる……

 ただでさえ、仕事でゴリゴリに削られるのに。


 でもまぁ。

 小説を書くのに魂削って、それで脳溢血なり心筋梗塞なり起こすのならば、むしろ本望ではないか?

 仕事に命取られるよりマシや。


 この中で、私のモチベーションに一番直結してるのは『感情』ですな。

 つまり、まずは表現したい感情をまずは決める必要がある。


 私は、書く小説に込めたい気持ちの大半は『感動』系。ビターエンド。物事が納まるべき納まり方をしたけれど、『もうコレしかなかったんだ』というのが好き。

 納める方法としては、ベストではなくベターだった、そんな感じ。


 ベストを求めた結果が、なんとかベターだった、っていう、ね。

 但し、倒すべき敵は倒したい。そこは絶対はずせない。


 物語を通じてキャラが成長したので、成長した結果、手放しでラストを喜べない、というのも好きだなぁ。

 でも、エピローグとかで救いがあるような、ね。エピローグが、ただのオマケではなく、『唯一の救い』とかっていいよね。良くない?


 途中の展開は『そうせざるを得ない』『仕方ない』と理不尽に蹂躙されるのが好きだ。

 その時に感じる悔しさや悲しさなんかに、定評がある、と、思ってる。

 ……気のせいかもしれない。


 そして最後、ほんの少し流れる喪失感や物悲しさ、それがいいね。

 好きな人は好きだよね、この終わり方。


 そうだなぁ。

 どんな『感情』にしようかなぁ……


 おっと。

 それを生む為には、簡単な『テーマ』もしくは『コンセプト』があるべきだな。

 その『テーマ』『コンセプト』においてのベターなエンド。そのから感情が生まれるんだ。

 30コンやサバコンはそうだった。

『数多の誰かの物語』も、『僕』が関わる世界で、という制約がある。


 テーマ、コンセプトについては、言い換えると制限だよね。

 そこから逸脱してはいけない。


 でも、今まで何度もリセットかけてきたのは、ここが決められないからだったなぁ。


 テーマやコンセプトを決めるっていう事は、つまりすっごく大切だけど、すっごく難しいって事だ。


 今回は、『私の読者向け』で、『私の作品に期待している人』向けの作品だ。


 私の作品を好んで読む方々は、社会人が殆どだと思われる。……具体的に相手に年齢聞いた事ないけど、たぶん、きっと、そう。

 そして、私の作品を好む、という事は。『ご都合主義』は好きではなく、ちゃんと『論理立った結果である』事を好むと思われる。


 ジャンルについては、ある人はSF好き、ある人は異能バトル好き、ある人は現代ドラマ、とバラバラである。

 ぶっちゃけ、設定・ギミックについては、どのジャンルでも関係ないのだろうなぁ。

 比較的雑食系が多い気がする。

 なら、そこはあんまり気にしなくていいのだろう。

 感情が決まった後に、それを表現するためのギミックを選べばいい。


 テーマ、コンセプト……

 うーん…


 ちょっと待てちょっと待て。

 前回の覚醒までは良かったのに、ここに来てまた同じパターンにハマってないか?


 つまり。


 コレ。


 やり方が間違っている──というか、実は自分に合っていないのかもしれない。

 だから、毎回ここでつまずくのではないか?


 ここで、自分の創作のやり方を見直してみて、何か良い運用方法を見つけられたら、今後同じ所でつまずかないかも知れない。


 仕事と同じだ。


 お客様が何か業務を行う際に、『いつも何故かミスが発生する』『問題を起こさない為にかける時間が膨大』となった時に、手法ではなく根本にある問題をほじくり返して、まず諸悪の権化を見つけるのだ。

 見つけたら、それを改善する手法を考えて実装する。

 それにより、今後運用がスムーズになって負担が減り、他の事に注力できるようになるのた。


 要件定義の手法だよ。


 よし。では、仕事の要件定義と同じやり方をして、まず情報を整理して行こうではないか。


 今、作家の私から出ている要望は、

『作品のオチやエンドの辺りで、読者に感じさせたい『感情』を思いつきたい』

 だ。

 で、そこで問題になってきているのは

『思いつかない』

 である。


 じゃあ、

『何故思いつかない』

 のかを考えてみよう。


 恐らく、何か『邪魔をしているもの』があるのだ。

 その『邪魔しているもの』を排除するなり、優先度を下げて後回しにするなりすれば、すんなり思いつくのではないか?


 特に私は、沢山の情報ややる事があると、優先度をつけられなくて混乱して、酷く生産性が落ちるタイプである。

 思いつこうと努力しても『ああ、アレによってこの感情はダメ』『うーん、コレもダメ』となるから、上手く思いつく事が出来ないのではなかろうか?


 では、内なる自分に問いかけねばならない。

 直接無関係と思われるような事でもいい。

 もしかしたら、間接的に邪魔を生んでる可能性があるからだ。


 今、私の思考の邪魔をしているものはなんだ??


 ──書いてみたい設定があるのだ。

 だが、それが捨てきれない。

 そして、『こうはしたくない』という設定もある。


 それを考慮に入れようとすると、『表現したい感情』がボヤけてブレて霧散してしまう。


 なるほど。

 書いてみたい設定と、書きたくない設定か。


 でもそれは、最後の『感情』の部分には直接関係してこないのではないか?

 もう少し具体的な事に突っ込んだ時に問題になってくるだけで。


 つまり。


『まだ考えるのは早い』


 のではないか??


 でも、そうは言っても、書きたい設定・書きたくない設定を含めて、『感情』を表現するのがベストだ。ちょっとわきに置いておく、が出来ないんじゃないか??


 それはどうかな?

 今考えようとしているのは、『設定や流れから発生する感情』ではない。

 もっと、原始的というか根本的な感情だ。

『悲しい』『嬉しい』『幸せ』『楽しい』じゃないのか?

 そこから派生して、もっとその感情の具体的な色を見つけていくのが良いのではないか?


 そう。

『そんな事は分かり切ってるか

 明言しない』のではなく、一つ一つ明言して確定していくことが、後からの戻り作業を減らす、一番のコスト削減になるのではないか。


 なるほど理解。


 ……すんませんね。

 一人押し問答してますけれど。

 コレ、プログラム設計する時に必ずやるんですよ。ノートに、やりたい事、その為の障害、障害の解決策、解決策を実施する為の障害、その解決策、というのを、『→』を積み重ねて書いていくんです。


 で、コレをやるとね。

 後々『あれ? なんでこうしなかったんだっけ?』と自分で疑問に思った時に、答えが既にそこに書いてあったりして、『再度考え直す』というコストを減らす事が出来るんですよ。


 頭良い人は、こんな事やる必要はないんだろうけど、どうも私は思考を積み重ねていった時に、『何故そうしようとしたのか』を忘れちゃうんだよね。


 また、多人数での開発の場合、長く運用されるプログラムを作る時は、必ずこういった資料を残します。

『こういう経緯があって、今のロジックになってるんだよ』と。

 そうじゃないと、設計の事を知らない後続の修正担当のプログラマーが、下手に直して多大なバグを仕込む結果になってしまう事が、多々あるから。


 何度も言ってるけど、ITの世界って、IQが高い人がゴロゴロいるのね。

『経緯の中抜け』があったとしても、頭いいから予想が出来て困らない。だからそういう人達が書いた設計者って、概要設計書とプログラムしかない時がある。

 頭いい人たちからすると、問題があって結論があれば、それでもう足りるから。

 それを作る時間が無駄と思って省いちゃうんだよ。


 でも私からすると、『オイ、これどうしてこうなってんねん』が良くあるんだよねー。

 私は天才たちの中の凡才だから、そういうのないと困っちゃうんだよねー……


 そう。

 私は少なくとも、IQ普通の凡人だ。最近記憶力もヤバくなってきた。

『そんな時間無駄なのでは?』と思えるような事でも、少しずつ積み上げていく必要があるのだ!


 って!!

 それだけで3000文字超えたぞオイ!!


 ……まぁ、いいじゃないか。

 まずは『やり方』だけでも思いついただけでも。

 それでも、ちゃんと確実な一歩は踏み出せたと思うよ?


 よし。

 じゃあ、今度こそ『感情』について書いていこうや。

 今回エピソードはここまで。


 以上!!

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