20/08/18 感動のシーンを俯瞰して見てみよう。

 細かい部分に注視しようとすると、途端に視界が狭くなって、当初考えていた重要な部分がスッポ抜けるのは、私の悪い癖っすねー。


 突き詰める前に冷静になる事が大切ですよっ!


 それでは。

 前回までで思いついていた、

『老女が大切な物を抱きしめて眠るように亡くなる姿を見下ろす主人公』

 について、その大切なモノが何か、を考えるのではなくて、その状況の方から考えていってみよう。


 じゃないと、前回みたくなんか方向がブレるから。


 私が天啓として見えたそのシーンで大切なのは

『老女が人生の終焉間際で、想いが成就した』

 という部分だ。

 前回もちらっと言ったけど、別に老女は死ななくてもいい。


 大切にしたいのは「想いが成就した」という部分だ。

 だから、「どう想いが成就した」のかの方を先に考えていこう。そうしよう。


 ごめんね。同じ話題で行ったり来たりしてて全然進んでなくて……

 三歩進んで三歩戻るどころか、ただその場で足踏みしてて、1mmもその場から動いていない気がするね。すまんよ……


 気を取り直して、内容を考えてみよう。


 老女が成就した感情は「愛情」であって欲しい。

 そして、今まで信じたくてもなかなか信じられなかったものであって欲しい。

 相手の男からの、愛情であって欲しい。


 信じたい、でも信じられない。周りは「裏切られたんだ」と言う。自分でもそうだったんじゃないかと疑ってしまう。疑いたくないのに。

 彼はそんな人じゃない。添っていた時間がウソじゃなかったんだと信じたい。思いたい。

 でも、違ったのかもしれない。

 裏切られたんだ。きっとそうだったんだ。自分はただ騙されただけだったんだ。自分が愚かだっただけだ。自分が愚かだったのが悪いんだ。

 いや、騙したアイツが悪いのだ。自分はただ純粋に慕って信じていただけなんだから。自分は悪くない。いや自分が悪い。

 本当は何かあったのでは? 何か事情があったのでは? 戻って来れない事情があったのでは? だから彼は悪くない。自分も悪くない。ただ状況が悪かっただけだ。きっと。

 本当にそうか? 


 っていうのをずっと延々何十年と自問自答し続けて、偏屈に凝り固まってしまった心が、素直にほどける瞬間に、感動したい。


「ああ、やっぱりあの人は私を愛していたんだ。そしてそれを伝えようとしてくれていた。私が愛した人は間違っていなかった。待ってて良かった」


 そう、老女がその瞬間に感じていて欲しい。


 これ。

 実際の世界でも相手からの愛情って感じるの大変だよね。

 相手は伝えているつもりでも、自分が受け取れていなかったり。

 パズルのピース、もしくは鍵と錠前の関係みたいって、いっつも思う。


 合わないと、どんなに素晴らしいモノだとしても、意味がないっていう、ね。


 高いプレゼントを相手に買い与える事が愛情の示し方の人と、

 高いプレゼントを相手から貰う事が愛情の受け取り方の人なら、とっても合う。

 とにかく手間と時間をかける事が愛情の示し方の人と、

 とにかく手間と時間をかけてもらう事が愛情の受け取り方の人なら、とっても合う。


 これが合わないとただの悲劇。

 与える側と受け取る側、どっちも不満が募る。


 こんなに与えてるのに、何故不満に思うんだ?

 なんでこの人は自分に全然愛情を与えてくれないんだ?


 悲しいすれ違いだよね~。

 こればっかりは本人たちの感じ方の違いだから、どうしようもないんだけどさー。


 ……あれ? なんか、微妙に話がズレて、しかもなんか自分の愚痴を混じらせてない??


 え……そ……ソンナコトナイヨ……?


 気を取り直して!!

 その為に必要なものを考えよう!!!


 老女がどうやって、その愛情を感じたかって話だ。

 何によって感じたのか?


 前回は、再会を誓って何か大切なものを交換したんじゃないかって考えてた。

 それでもいいかもしれない。

 違うものでもいいかもしれない。


 大切なのは、老女が「深い愛情を感じた」という事だ。

 そして、それが情感たっぷりで抒情じょじょう的であって欲しい。


 うーん。

 そもそも論。


 その「愛情を感じた」モノ自体が、ストーリーが始まった時点では既に老女が持っていたのか、それとも主人公が届けたりしたものなのか?


 どっちが、より感動的だろうか??


 主人公が持っていたものだとしたら。

 それが老女に届いて欲しい、届けば気持ちが通じる、届け! 頑張れ!! 頑張って届けろ主人公!! っていう風に、読み手が応援する気持ち、届くのか!? 届くよね!? というドキドキハラハラが感じられるだろう。


 うん、それも捨てがたい。

 ドキドキハラハラが解消された時のカタルシスは気持ちがいい。

 うん、分かる。好きだよ、ソレ。


 もし、老女がもともと持っていたとしたら。

「実は、ずっと老女の側にあって、愛情が示されていたんだよ。何十年も」

 っていうアハ体験が感動を呼ぶ。


 アハ体験好き。

 そして、こっちの方が抒情じょじょう的な盛り上がりがある。

 私が好きな「心にジンワリ広がる感情」を示せる。(※私の筆力次第)


 ああ、こっちも捨てがたい。

 っていうか、こっちの方が実は好きかもしれない。


 最近の流行りはきっとハラハラドキドキじゃろうけれども。

 私は! ジワジワ感動の方が!! 好きィッッッ!!!


 だから!!

 後者ね!

「実はずっと老女が持ってて、ずっと前に老女に対して愛情が示されていた。それに、今気が付いた」

 という風にしよう!!!


 っていってもさ!

 こっちの方がハードル高ェ!!!

 どんなギミック用意すれば、そうなるんだよ分からん!!


 ……大丈夫。

 このエッセイは、素晴らしいアイディアを持った人たちが読んでくださっている。

 私が悩んで悩んで血反吐ちへど吐いて地面をのたうちまわっている姿を延々さらし、もう無理や……となった時点で、アイディアをさずけてくれるドSな人たちだ、きっと……


 頑張る!

 頑張って考えるよ!!


 さて。

 じゃあ、「実はずっと老女が持ってて、ずっと前に老女に対して愛情が示されていた。それに、今気が付いた」の為のギミックを考えようかね。


 結局それも、ちゃんと『老女の想いが成就した』に寄り添ったものじゃないとね。

 それは何なのだろうか?


 ……ああ、凄く、先の事を全く考えずに思いついた事を言っちゃうとさ……


 老女のお付きの従者がいたとして。それが例えばまだ年若い男の子だとして。

 その男の子が、老女が昔別れた男の生まれ変わり、もしくは、男が放った式神とかだったりするの。

 影ながら老女を守っていたって感じ。

 大型犬や狼でも可。


 これ、タカナシさんの『悪霊令嬢』からちょっとアイディアパクった。すみません……

 他にも、こういう系の設定の話を読んだ事ある。


 ある所に、似ていない双子の女性がいて。でも実は双子じゃなくて、片方の女性は、親が大切な一人娘を守る為につけた狐の式神だったの。

 娘に強力な呪いがかけられてしまったので、その呪い返しをする為に、親が命を削って式神の術をかけた。

 呪い返しが終わった時、狐が去っていくっていう、ね。

 そういう話を読んだ事がある。


 そんな感じ。


 私の輪廻転生感だと、そんなすぐ生まれ変わるとは思えないので、生まれ変わり説は没ね。

 だから、式神説とかがいいなぁ。


 たださ……この案を深堀する前にね。

 この設定でいこうとするとさ……


 主人公……


 老女にならないか?


 いや、だって一番美味しい設定が老女ってどういう事?

 老女が主人公って誰得だよ。私か? いや、別にカッコイイお年寄りを出したいだけであって、それを主人公にして話が書きたいかっていうと、それはまた違うというかさ!!(※早口


 落ち着け。


 大丈夫だよ。

 老女以上に美味しい設定を、主人公に与えればいいんだよ。

 え? それはどんな設定だって?


 頭絞ってテメェで考えろ☆


 ぐぅ……

 この方向で大丈夫かな……この方向に考えていって、いいかな……


 心配だよ。

 このままBBA列伝になったらどうしよう……

 いや、いっそそっち系に振り切ってしまえばいいのだろうか……


 悩む……

 うーん、どうしよう……


 と、いうところで。


 次回!

『BBA列伝爆誕!?』


 乞うご期待!!!

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