第123話 そして、ただ独り

 混沌カオスと共にあるガイアの予言。


 それは絶対的な未来を告げる。



 しかし――混沌はまだ気づいてはいない。



 自ら生んだ生命が、すでに己から離れ始めていることに。


 ひとり歩きを始めた生命は、もう振り返ることはない。


 彼らは、己が生まれた根源を求めたりしないのだ。




 それは永遠に。


 そして、ただ独り、混沌は――。




 いつしか、アポロンとエストリーゼは、ガイアの予言通りゼウスに叛旗はんきひるがす。


 その戦争は人間の次元を巻き込み、大地の根源「混沌」をも揺るがし、全てを無に帰すことだろう。



 それこそが、宇宙そらを統べる葬送曲。


 神々へ贈る鎮魂歌レクイエム



 けれど、それは今ではない――。


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