第105話 二度目の死
完全なる死を覚悟したその時。
遥か上空から小さな鋭光が走った。
太陽光と重なり飛来するそれは、エストリーゼの頬を掠め後方へと飛んでいく。
刹那。
雷鳴のような引き
「ぐぅおおぉぉぉっ!」
天地を揺るがす
世界を、星を、
「同じ手で二度も彼女を殺そうだなんて、ずうずうしいにも程がある。少し調子に乗りすぎだ。そんなこと、今度こそこの私が赦さない」
圧倒的な雄叫びに
しかしその場に似合わない涼やかな声が、一筋のピンと張られた糸のように鋭く響いた。
エストリーゼの前方に
「まったく
黄金の瞳を
「ふん、私はすべてを知っている」
まるで汚いものを吐き捨てるような口調で。
「ガイアの予言を恐れたあなたは、クロノス討伐より、未来の
「ぐぅぅっ、アポロン……。道楽息子だと思って生かしておいてやったが、ずっとわしを
歯の間から絞り出された軋むような声音に、エストリーゼは聞き覚えがあった。
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